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LIQUID -Star Chronicle- 時の波濤編
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【サイドクエスト『秀蓮の旅立ち』ウーローン・ウーナンの霊廟(2)】
「ずいぶんと待たされたぞ、女。恐れ逃げたかと心配したがね」
「お生憎さま。引き下がるつもりなんて毛頭ないわ」
「実に結構。そうこなくてはな!」
ウーローン王位継承権第108位、ファンツァ王子。彼は悠然と腰かけ秀蓮を待っていた。事を急ぐでもなく、追走を恐れるでもなく、他でもない彼女を待ち受けていたのだ。彼の周囲には部下の兵らが警戒をあらわに武器をかまえているが、ファンツァ自身がそれを制し、秀蓮をにんまりと笑みさえうかべ見据えた。
気圧されまいと、秀蓮は足を踏ん張る。後ろのカーリーははらはらとしてそんな両者を見つめていた。
「玉楼の侵略。新王朝の宣言……荒唐無稽に思えたけど、納得がいったわ」
「ほう? その心は」
「ここは、シェルター。あるいは武器庫ね」
ウーナンの霊廟は、その建造当時こそ本来の役割を果たしていたはずだが、いつしかその用途を違えられたらしい。兵たち、そしてファンツァ自身の手に握られた異形の武器がその証だろう。兵の意識をなかば統制し、意のままにする術もまたそのひとつかもしれない。
倉庫に収められていたのは、水鏡戦争の折に開発されたが死蔵されていた、古代の兵器たちだ。霊王の玉璽とは王権の象徴でありながら、それらのおそるべき威力を次代におとずれるだろう未知の脅威へ抗う手段として託さんがための、鍵でもあったのだ。
がつん、とファンツァが床へ突いた棒状の武器もまた、そんな兵器のひとつなのだろう。
「ま、おおむねその通りよ。これらをもって、まさに今から、玉楼へ殴り込みをかけようというわけだ。極東に二国の必要なし! 矮小な島国など呑み込み、足がかりとし、いずれはウーローンの旗印でリキッド大陸のすべてを染め上げてやろう」
「……そんなことはさせないわ」
「おお、それよ。女! 俺はその言葉をこそ待っていた」
立ち上がり、身構える。はちきれんばかりの膂力が集約する筋肉が膨れ上がり、圧を放つ。
「国盗りにも心躍らぬではないが、こうも順調であるといささか、味気なくてな。やはり個と個の凝縮された闘争、武技と胆力のぶつかり合いが無くてはな。盛り上がるまいよ……さあ! 王との一騎打ちを許そう。この機を勝ち取って見せよ、女!」
「そう? なら、ありがたく頂戴するわ」
武技幻影。秀蓮は静かに大刀を具象化すると、切っ先を男へ、ファンツァへと向ける。彼は巨漢で、類まれな武芸者であり、巨大な野心の持ち主だ。秀蓮の技とて生半にはとおるまい。
「だ、大丈夫なの? 秀蓮……勝てるの? あ、あんなやつに」
カーリーの恐れを払拭するように、秀蓮は微笑み、
「ええ。見ていて、あたしの戦いを」
翼を打つかのように駆けた。
渾身の力で打ち合う重音が霊廟を揺らす。カーリーは思わず身を縮め、有象無象の部下たちも気圧され慄いた。
その内のひとりが後にこぼしたという。あたかも神話に語られるがごとき、烈火の闘争であったと。
「鋭く殺意に満ちた太刀さばきだ、実にいい! たぎるぞ、女!!」
「おんなおんなと、うるさいわね! あたしには、秀蓮って名前が……あるのよ!!」
ファンツァの操る金棒が彗星めいて床をうがち、秀蓮は飛び退くのではなく前へ踏み込み、回天する大刀で多重の閃撃をなす。それをさばきファンツァは跳躍、今度は降る流星もかくやと浴びせる乱打で追い詰めるも、しかし秀蓮の見切りが致命打となろうそれらを一撃とてかすらせはしない。
ファンツァの宝器が軸を回転させ、うなりをあげて炎を噴く。
「受けよ、神通・法天象地!!」
炎帯び、巨大化した金棒の軌跡が秀蓮の髪の一端を焦がす。
武技幻影、弓矢を生み出し瞬時に雨あられと浴びせると、ふたたび大刀を顕現させ踏み込む。嵐のごとき打ち合いは炎を宿し、猛火を巻き込む竜巻となって吹き荒れる。
「なぜ、そうまでして……戦うの? あなたは!?」
ファンツァの放つ裂帛の気合の根元を、戦いのさなか、思わず秀蓮は問う。国へ騒乱を呼び込み、動乱の時代を打ち立てようと企む男だ、無法に見えても胸には矜持があるのだろう。
しかし男は、どこか無垢なまでの純粋な笑みを浮かべて述べた。
「男児たるもの、夢を見よ! 目指すべき天上がそこにあることを感謝し、腕を伸ばすのだ。ただそれだけでいい。それだけのことよ、なあ、胸踊るだろう? 燃えるだろうが!」
「…………それだけ?」
瞬間、秀蓮の下肢を拍動するようなエネルギーが駆け抜けた。彼女の意思に呼応し、巡り巡る生命エネルギーはその武技を加速度的に高めてゆく。
銃弾のように飛び出し、大刀を振り抜く。
「ぬうっ!?」
「存外小さい男だったわね。あたしの心の空虚を埋めるには、とても足りない……」
「なっ、貴様、どこにこのような力を……!?」
幼き頃から、秀蓮の胸を満たしたのは旅だった。険しき冒険であり立ちはだかる好敵手だった。父の言いつけで手伝う家業などその対極にあるもので、決して秀蓮を鼓舞させることはなかったし、やさしい母は好きだがやさしい言葉は秀蓮の奥底を突くには強度に欠けた。
旅と冒険、まつわる危険こそが秀蓮をいざない、昂揚させた。
「ぐっ、ぬ、おおおおおっ……こ、こんな、この俺が……こうも追い込まれて……!?」
怒涛の連撃がファンツァを追い込み、追いつめてゆく。とうに狩る者と狩られる者の立場は逆転し、あとは逃げまどう獲物を仕留めるのみ。
「ぬあっ」
鋭迅な一閃がファンツァの手から兵器を弾き飛ばす。秀蓮は流れるように淀みなく、ごく当たり前のように大刀を振り上げ、
「ま、待て!! 貴様の強さは十二分に分かった、これよりは話をしよう、なあ!? 俺の部下としてその腕を存分に振るうのだ、玉楼をお前のものとするのもいい、認めよう、だから……ま、待て、やめろ、やめっ」
「つまらない男」
横一閃、振り抜いた。
──ファンツァ王子によるクーデターが瓦解し、玉璽と主無き兵器たちがふたたび封じられてから、数日が経った頃。秀蓮とカーリーは、西方のワインツへおもむく街道を歩いていた。
「ねえ、秀蓮……アイツ、まだついてくるよ~」
「ほうっときなさい、大した害はないから」
「でもさあ……」
一定の距離を保ちつかず離れず、ぴたりと追ってくるのは眼帯の女。ファンツァの右腕を自称した、マイシャという女だ。スイレン港で相対して以来だったが、惚れこんだファンツァが秀蓮によって倒されたことを知り、激昂して敵討ちにと挑んできたものを、返り討ちにしてやったのだ。以後、隙あらば秀蓮の命を狩ろうと尾行してくるようになった。
「…………」
「秀蓮? 大丈夫?」
のぞきこむカーリーに曖昧な笑みを返して、前を向く。
少しだけ、惑っていた。己の中にひそんでいた渦巻く激情を自覚し、その結果がどう転ぶのかを目の当たりにして、いくばくかの恐れを抱かずにいられない。秀蓮が家柄や束縛からの解放を願い飛び出そうとしたことが、ある意味でファンツァ一味を崩壊させるにいたったと言えなくもないのだ。その衝動たるやはかり知れない。
それでもなお、秀蓮の胸の内には風が吹く。決してひと所に留まることのない、自由で奔放な風が。
「ねえ、カーリー……」
「ん?」
「あなたは、それでも、あたしについてきてくれる……?」
きょとんとして、カーリーは目を丸くした。
なにを今さら、と言わんばかりに。
「あったりまえでしょ、イヤだって言ったって、最後までついていくんだからね!」
清い風がひとつ吹いて、ふたりの背を後押しした。まるでそのそよめきは、真なる自由をその手につかんだ、秀蓮の旅立ちへのあたたかなはなむけであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年08月15日
参加申し込みの期限
2025年08月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年08月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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