this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
幸運?の青いバラ
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
11
つぎへ >>
やがて、声は止み、静かな足音が聞こえてくる。
「誰かと思えば……ったく、冴来。こんなところで何してる?」
随分と見慣れた少女が、内気な瞳を手で覆って俯いている。
花風 冴来
。暖簾の孫娘だ。文貴は先のナイフの件もあり戸惑いながらも、警戒の糸を少しだけ解いて、その傍らまで歩み寄った。
「おい、俺のことを覚えてるな? 俺は……」
こんな荒くれた場所に一体どうしたというのか、文貴は謎めいたが、ふと、語りかけの言葉を止めた。
気づいたのだ。暖簾の足先に突き刺さっているナイフ。そして、目の前の冴来が握りしめているナイフ。それらをちらとやった横目で見比べて、文貴はまさかと目を疑った。
二つのナイフ。よく見れば、全く同じ形をしていた。
「嫌い、嫌い……。私の邪魔をする人は……」
冴来が、意識を感じさせない虚ろな目でじとりと見つめてくる。あなたのことが不愉快で仕方ないと告げんばかりの、幼くも純粋な殺意。
悩ましげに指同士を絡ませて手遊びする仕草を見て、文貴の首筋に冷や汗がしたる。
「皆、死んでしまえばいい……!」
「!!?」
空気を引き裂く音が、文貴の耳元をかすめた。
勢いよく振り抜かれたナイフの一閃が文貴の目と鼻の先にて描かれる。反射的にたじろいでいなければ、間違いなく喉元を引き裂かれていただろう。
不特定多数の他人や組織から敵視されるなど日常茶飯事だが、まさか、この少女に刃物を向けられる日が訪れようとは思いもしなかった。
「組長っ!!」
暖簾が信じられないものを見る目で冴来を、そして彼女と相対する文貴を見た。文貴は訳が分からないながらも身構えつつ、だらりとナイフを握る腕を垂らしている冴来を目の当たりにしている。
「冴来? ……お前、そのナイフはどうしたぃ?」
「お爺様……」
暖簾が冷静を装って質問を投げかける。冴来はわずかに口を開けるだけして答えた。その顔は人形のように冷たく淡白であり、ただ口元だけで、心の壁を培うような拒絶の言葉ばかり紡ぎ続ける。
普段から、感情の起伏の激しい子ではあった。が、今の行動、そして、その全身から隠しようもなく放っている殺意は、それだけでは説明のしようがない。まるで、そういう殺戮の人形にでもなってしまったかのようであった。
「そう。お爺様と組長さんも私の邪魔をするの」
「冴来っ!」
冴来がゆらりと体を揺らし、ナイフを再び持ち上げる。暖簾が珍しく声を張ろうとも、冴来はナイフの刃の煌きに、自分の顔を写してぼんやりと眺めているだけだった。
「それなら、貴方達にも死んでもらう。大好きだけれど、ここでさようならね」
その表情は、何か考え事でもしている最中のように覇気が感じられなかった。そんな表情のままで、突拍子な言葉と同時に、なんの前触れもなく冴来が地面を蹴った。
両手でナイフを握り締め、まるで何かに取り憑かれたかのように文貴に躍りかかる。何度も、何度も。粘着質な殺意と鋭い刃は幾度となく襲いかかり、文貴は理解がままならないながら後退し、時に身を振ってそれを躱し続ける。
「おい、一体どうしたってんだっ!」
「…………」
ナイフを避けつつ、文貴が暖簾に横目をやって叫ぶ、暖簾は脳裏の隅で、微かな心当たりを思い出していた。この第3倉庫に訪れた異変の中。青いバラを纏う猫。それが放つ花粉を吸うと、性格が豹変してしまう。噂に聞いたに過ぎない話と捨て置いていた情報であったが……。
「冴来は、そいつの粉をまんまと吸っちまったってことかい……」
なんにしろ、冴来の殺意は本物である。ナイフの切っ先は文貴の鼻先までに迫っている。今は文貴にナイフを握っている手首を捕まれ、腕力の差で押し返されつつあるが、果たしてどうか。
冴来の抱く、あてのない苛立ちや憤りは本物だ。それが暖簾を焦燥させていた。
「……っ。冴来、いい加減にしねぇと、俺もキレるぜ?」
口元だけで笑みを浮かべ、必死の形相でナイフを押し返す文貴もまた、おそらくそれに気づいている筈。無理に押し返せばナイフの刃が冴来の素肌をえぐってしまうことだってありうる。かといって、このまま硬直状態が続けば、不意なことが起こってしまう可能性は否めない。
一刻も早く、ナイフを奪ってしまわなければ。暖簾は文貴ともみ合いになっている冴来の背後に回るべく、一目散に駆け出した。
「……畜生が、どいつもこいつも、ムカつきやがるぜ……」
声がした。こちらもまた、随分と聞きなれている声だ。低い声色の呟きに、暖簾ははっとして振り返った。
「……あの猫、このオレ様に粉なんざ飛ばしやがって……くっそ!! ムカつくぜコラァ!!」
そうであった。花粉を吸ってしまった者なら、もう一人いた。
暖簾は即座に、怒涛を吐き散らかしている声の方へと振り返った。
その瞬間には、拳を振り上げ、殴りかかってくる雅也がすぐ傍にまで肉薄していた。
「オラっ! オラっ! 逃げてんじゃねぇぞっ!」
「っ、旦那! 旦那もご機嫌斜めなの、かい……っ?」
目の色がつい先ほどとは全く違っている。いつもよりさらに輪をかけた凶暴さで殴りかかってくる雅也。あまりの怒り心頭ぶりは突き出す拳の勢いに表れ、暖簾は軽口を叩きつつ、少しづつ後退しながらその拳を避け続けた。
「おい雅也っ! こんな時に何を遊んでやがる!」
冴来を抑えつつ、文貴が顔だけを向けて雅也を怒鳴りつけた。
そうすれば、すぐに怯んで平謝りしてくるだろうと信じて疑わなかった。が、そうはならない。寧ろ、熾烈な目つきで睨み返してくる。
「うっせぇアニキ! 今からムカつくジジィをボコってやんだから、黙ってろっ!」
「んだコラァ!! テメェ誰に向かってそんな口叩いてんのか分かってんのかオラっ!!」
思わぬ反目だ。そんなことを平然と吠え猛る雅也に、文貴はこれ以上ないほどの荒ぶる剣幕で怒鳴りつける。
先ほど黄色い粉を浴びてしまったのだ。しっかりとその瞬間を目の当たりにしたし、そのせいで様子がおかしいのは分かっていた。だが、だからといって、か弱くしおらしい少女ならばともかく、そんな言葉を吐き捨ててきた部下の男に遠慮を覚える道理はなかった。
「組長さん。私の邪魔をする人は、いらない」
「あん?」
文貴の眼前にいる冴来が、口元だけで微笑んだ。その宣告には背すじに冷たい衝撃が走る。
「どうぞ。このまま……」
冴来が、まるで冥福を祈るかのように言葉を投げかけようとした。
その途中。文貴は奥歯を噛み締め、掴んでいた冴来の腕を、急に突き飛ばした。
「っ……」
衝撃のままに冴来は仰け反り、しかしすぐにまた、肩を小刻みに震わせながら体勢を取り戻し、ナイフをその身に突き立てようと迫ってくる。
幼い残酷さの表情で、ナイフが振り下ろされる、その寸前。文貴は一瞬だけ遠慮を捨て、ぎらつく刃を狙い、勢い鋭く蹴りを放った。このままでは埒があかない。またもみ合いの体制になってしまうその前に、ナイフを冴来の手から弾き飛ばし、それは宙を舞った後、逆さまになって地面へ突き刺さる。
「くっ……」
「させっか!」
まだ、替えのナイフを隠し持っているだろうと予想はしていた。案の定、冴来は服の影から新たに取り出したナイフを握る。
「!……。あぁ……」
しかし、それが再び文貴に猛威を振るうことはなかった。冴来が追撃を構えようとした頃には、既に文貴の手加減された拳が、冴来の腹部を打ち据えていた。少女の意識を奪うには十分な衝撃。冴来はナイフを手の中から滑らせるようにして落とすと、淡い声と共に、目蓋を落として、地面を覆う草花の上にぐったりとくたびれた。
「ふぅ……、ヒヤヒヤさせやがる……。さて」
意識を手放した冴来の横顔から鬼気迫るような表情が消えたのを見つめて、文貴は拳を握り直し、体ごと向き直った。
冷たくも、真っ赤な怒りに染まった瞳をしていた。その眼光の先にいるのは、未だに暖簾に殴りかかっている愚かな部下。
「雅也ぁぁ!!」
「……! ああっ!」
耳をつんざくような怒声には、我を忘れている雅也も流石に身を跳ねさせた様子だった。雅也はままに暖簾から振り返り、拳を構えて喧嘩の姿勢で、憤りのままに一直線に駆け抜けてくる文貴を迎え撃とうとする。
「うらぁぁっ!!」
「ぐへぇっ!!」
だが、文貴はそんな抵抗は無意味だと突っぱねんばかりに、そんな雅也の頬に、渾身の拳による一撃をねじ込んだ。
冴来に繰り出したものとはまるで違う、見ている側が身をすくめてしまうような、無慈悲で無遠慮な一撃だった。
雅也の体がまるでゴム人形のように吹き飛んでいく光景から、その凄まじさが痛感できるというもの。吹き飛んだ雅也は床を転がったあと、呆気ない声を小さく漏らした後に、まるで悪夢に犯されているかのように呻きながら、意識を手放した。
「はっ、リベンジなんざ、百年はえぇ」
文貴は未だ振り抜いた拳に熱を感じながら、吐き捨てるように呟いた。
見下ろしてみれば、雅也もまた、強ばった表情がすっかりほどけていた。目が覚めれば、また何も知らぬ様子で懐いてくるだろうと予感させるような顔つきだ。
「早くもけが人続出たァ、これは、一旦帰るしかねぇかねぇ……」
気を失っている冴来、そして、頬を腫らして倒れ込んでいる雅也を見て、本当の意味で負傷者がでなくてよかったと安堵すべきものの、暖簾は諦観の嘆息を吐いた。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
11
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
幸運?の青いバラ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月25日
参加申し込みの期限
2014年01月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年01月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!