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幸運?の青いバラ
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「ぎゃん! いっ、いってぇ~~……!!」
「だ、大丈夫っ?」
落下音。それから、聞くに耐えない痛ましいうめき声。
「く~……あ、でも取れたぜ、ほらっ」
奥歯を噛み締め、強打した頭を必死に押さえこんでいた
納 十一
が、やっとのことでなんとか立ち直り、腕の中に隠していたものを差し出した。
太い幹をよじ登り、高い枝の上から落下してまで手に入れたのは、二つの真っ赤なリンゴであった。
不安そうな面持ちで見守っていた
椿 美咲紀
だが、それと十一の頑張りを目の当たりにして、嬉々としてそれを受け取った。
「ありがとう! これも間引いたお花とか種と一緒に、お土産にしよっと」
「あ、それいいなー。おれも珍しいのは貰って帰ろっと」
「うんうん。間引きで増やせるし、切花にもできるしね」
立ち上がった十一が目を輝かせるのに、美咲紀は微笑んで返した。
最初、天井近くにまで伸びた樹木に立派なリンゴが実っているのを見つけたのは美咲紀であった。せっかく訪れた花屋敷。お土産にいくつかもいでいこうと手を伸ばすも遥か届かず……偶然その場を通りがかった十一が、それなら自分が登ってとってくると名乗りを上げたのだ。
「う~ん、まさか、あの枝が折れちゃうのは予想外だったなぁ~」
「ホント、私の分までごめんね? ……でも、ここはホントにいろんなお花が咲いてるのね~」
傷がつかぬようリンゴをハンカチで包み、丁寧にカバンの中にしまって、美咲紀があたりを見渡しながら呟いた。
周囲の花の成長振りには勢いを感じられる。しかしどうだろう、統率なく伸びっぱなしており、人の培った庭園と呼ぶには程遠い。少なくとも、美咲紀にとって、これは完成された庭とは言えない。
「そういや、さっき通りがかった人に、『そんなの持ってんなら、道を作るの手伝ってくれ』、とか言われたんだよな。確かに、いろんなのが伸び放題だもんな~」
十一が手にしている鉈に目を落としながら呟く。その理由についてはいまいちピンとこないが、どうやらこの状態を放置すれば、寝子島がとんでもないことになるらしい。
「確かにそうよね。私も、ちょっと剪定してあげようかしら」
こんなこともあろうかと……こくりと決め込んだ美咲紀は愛用の剪定ばさみを取り出し、さっそく、近くのバラの低木の元へと駆け寄った。
細く変形した枝の根元にはさみの刃をあてがい、刈り込む。慣れた手つきで何度も枝を切り落としていく。
「その伸びすぎた枝とか小さい蕾ちゃんは、どんどん間引いちゃおうね~♪」
バラの低木の選定がひと段落しても、鼻歌交じりに美咲紀は次の植物へとハサミを向ける。十一もそれを見て、手元の鉈で周りの雑草を刈り取り始める。とりあえず、歩き回れるくらいには開いておこう。農具の扱いは日々の農作業で手慣れており、作業が進むのは早かった。
「……ん? あれ?」
雑草を一まとめに握り、根元から刈取る。その流れを続けているうち、十一はふと、鉈から伝わる感触に違和感を感じて首をかしげた。
なんだろう、葉が先ほどより硬い感じがする。まさか、刃こぼれした? 常日頃から農具の手入れを怠ったことなどないのだが……。
最初は鉈がどうにかなってしまったのかと疑ったが、ふと、十一は自分が刈って進んだ跡の、雑草の生えていた名残へと振り返ってみた。
刈ったはずの雑草の株から、もう新たな新芽がひょっこりと生えてきているではないか。植物は強くたくましくて然りだが、これはどう見たって成長が早すぎる。十一は不思議になってますます首を傾げた。
ま、まさか……ここには、信じられないほどよく効く天然の肥料が? 上を向き、羨望の瞳でぼんやりとそんなことを考えていた、その時。
「!」
突如にして、冷たい感触が、首筋にせり寄ってきた。
ぞくりと背筋を震わせ、十一は咄嗟に後頭部へと手を伸ばす。指が触れたその感触の正体は、産毛のようなものが生え揃っていてみずみずしい。恐る恐るそれを目の前まで手繰ってみれば、それは青々とした植物の葉……青紫の花をつけた朝顔の蔦であった。
身に降りかかってきた異変に気づいたとき、十一は慌ててそれを振り払おうとした。しかし、いくら引きちぎっても朝顔は細やかに絡みついていて解けない。花をつけた蔓やうねる巻きひげは、既に十一の首や指にまで絡みついている。いつの間に支柱にされてしまったのか……、きつく締め付けられる程ではないが、このままでは動き辛いことこの上ない。
「わわっ、なんだこれ!?」
「ん?」
そして驚くべきことに、なんと朝顔は今も尚、成長しているのだ。最初は気のせいかと思ったのも束の間、まるで動物のように蔓を伸ばして動かし、十一が引きちぎってしまった部分を青紫の花で埋めようと繁茂し続ける。一体何がどうなっているというのだろう。困惑を胸に、棒立ちになった十一がじたばたともがいているうち、美咲紀がその声に気づいて歩み寄ってきた。
「あら、蔦が絡んじゃったのね。ちょっと待って?」
いうと、美咲紀はさっそく、十一に絡みつく朝顔の蔓へとハサミを入れ始めた。成長し続けている朝顔だが、手馴れた剪定には追いつけないのか、美咲紀によってどんどんと切り落とされていく。
ふと、抵抗の現れか、朝顔の巻きひげが十一の服の上を這い、ハサミを握る美咲紀の手へとすくすく忍び寄っていった。
だが。
「あら、長すぎの蔦ちゃん♪ こんなに風になびいちゃって」
それは美咲紀まで届くことなく。動いた巻きひげを風の仕業と勘違いした美咲紀のハサミにより一瞬で刈り取られてしまった。そして、剪定は続く。あっという間に朝顔は背を低く抑えられ、美咲紀がおしまいと微笑んだ頃には、十一はとっくに蠢く蔦から解放されていた。
十一は礼を述べたあと、頭をかきながら息を吐き、体を振るって蔦や葉の刈り残りを払い落とした。
「一体なんなんだろ……、こんなに成長する草とか、まったくはた迷惑だなぁ~」
「ふふ、ここのお花はホント元気がいいわね、どんどん可愛くしてあげないと」
キュウリや朝顔の為に支柱をこしらえるのは得意だ。けれど、まさか自分が支柱そのものにされかけるとは。その原因が一体なんなのか……自身の宿すろっこんには無自覚である十一には、よほど素晴らしい肥料が眠っているのだろうとしか、見当がつかなかった。
美咲紀にも同様、特に気にした様子は一切見られない。十一は一度伸びをして、深くは考えずに、再び鉈を握り締めた。
ザッ。
「ん?」
今まさに、草刈りを再開しようとした、その矢先であった。
草を踏む音に気がついて、十一は顔を上げた。
音は、先ほどのリンゴの木の近くから。目をやれば、そこにいたのは、黒いスーツをまとった、細身の青年であった。
ここには来たばかりだろう青年はやや俯いており、表情はよくは覗けない。もしかして、この人もリンゴが欲しいのだろうか? もう木の上から落っこちるのはゴメンなのだが……。
青年がさらに一歩、草を踏みしめた。そこで美咲紀も気がついたようだ。手入れをしていた草花から顔を上げ、不思議そうな視線を送る。それでも青年はゆらゆらと、一歩、また一歩とこちらに近づいてきた。
青年が顔をあげ、やっとその表情の色を読みとることができた。
「フン……」
「え?」
どういうことだろう。その顔には、おもわず息を呑んでしまうほど、嗜虐的な笑みが張り付いていた。青年は鼻で嘲笑する。その長い指先には鎖が絡んであった。鈍く煌く鎖が指の中で遊ばれて、ジャラと無機質な音を鳴らした。
そんな顔をして、何か、自分たちに用があるのだろうか……? 美咲紀と十一は揃って首を傾げ、きょとんと目を丸めているばかりだった。
「えっ……!!?」
そんな二人の呑気な仕草を見て、青年が更に見下すような笑みを強めた、直後のこと。
二人の驚愕に満ちた悲鳴が、倉庫内を波紋のようにこだました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月25日
参加申し込みの期限
2014年01月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年01月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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