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幸運?の青いバラ
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何だろうか。やや遠くから、人の悲鳴が聞こえてきた、ような気がする
「?」
若い声色の悲鳴にはややひっかかりを覚えながらも、それ以上は気に止めずに、
花風 冴来
は声のした方から顔を背けた。
花だらけの第3倉庫。冴来は奥へと入り込んでいき、いつの間にか、周りにはたくさんの向日葵が生い茂っていた。そして、倉庫の中を歩き回った末に見つけたその存在。それはまるで、植物に囲まれて暮らしている花の妖精のように見えた。
冴来は確信していた。間違いなく、テオの言っていた「ハナネコ」だろう。
「待って」
気付かれずにに行ってしまう前にと、冴来は遠慮がちに声をかけた。
「私に、あなたを傷つける意思はないの」
あえてこちらから近づくことはせず、冴来が手を差し伸べ、そっと呟きを重ねる。
声が届いたのだろう。ハナネコはびくりと背を跳ねさせた後、首だけでこちらを振り向いている。
「こわがらないで。私は、あなたとお友達になりたいだけだから」
だが、それでも冴来は言葉を投げかけた。こうした奇跡を起こしたのは、人の手で緑が減って行くのが淋しいのかもしれない。逃げようとするのは、傷つけられるのが、否定されるのが怖いからかもしれない。
そうだと思うから、冴来にはあの存在を放ってはおけなかった。
「あっ……」
その思いがどんな形で届いたのか、ハナネコは一度表情を緩めた後、再び目を絞り、向日葵の影に飛び込んでいった。
その名残に、青いバラから黄色い花粉を微かに放ちながら。自身の周りの空気に煌びやかな黄色を漂わせ、ハナネコは何処かへと去ってしまおうとする。
「待って!」
初の対面にして逃げられるのは、心のどこかで覚悟はしていた。冴来は目を開いて手を伸ばしたが、ここで心のままに駆け寄れば、ますますあの子を怖がらせてしまうだろう。
ハナネコの後を歩く最中。息を吸う度に、甘い花粉の味を舌先で感じても、冴来は向日葵たちをかき分け、ハナネコについていくのをやめなかった。
「……っつーか、なんで鹿黒のジジイもいんだよ」
「組長も出るんじゃあー、御付きが一人ってのも淋しいじゃねぇか。な、藍原の旦那?」
ぼそりと呟く不満げな言葉を、なだめて茶化すようにして受け流す言葉。
そんなやりとりの会話とともに、倉庫の奥へと進んでいく足音がいくつも固まっていた。グループの先陣を切って進んでいるのは、時折背後に振り返っては苛立ちを吐き散らかしている
藍原 雅也
。涼しい顔でそのはけ口となっているのは、
鹿黒 暖簾
。
そして、その隣。二人のやりとりへの関心はそこそこに、周囲を見渡しては嘆息をついている、メガネをかけた背の高い男。
神無組、現組長。
神無月 文貴
が、自分の組の構成員である雅也と、組の雇っている庭師の暖簾を引き連れて、第3倉庫へとやってきていた。
「ったく、一暴れしに来たってのに、いつからここは植物園になったんだ?」
つかの間のストレス解消のため、この第3倉庫へとやってきた文貴だったが、どういうわけか、目の前に広がった光景はこんな有様であった。酒を煽るテーブルもない。誰かと殴り合うような空間もない。これでは、暴れることなど到底叶わないではないか。
だからといって、この様を目の当たりにしたままのこのこ帰るなど、旧市街の一帯を支配する神無組のプライドが許すはずはなく。結局、文貴は植物の混み合う倉庫の奥へと進むに至った。
「よし、お前ら。とにかくハナネコとやらを見つけるまではここらの掃除だ。今日は終わるまで帰さねぇぞ」
「はいっ! 俺は最後まで手伝いやすぜっ、アニキ!」
「はりきりすぎて、組長の髪まで引き抜いちまわないようになぁ~」
「うっせぇ! ジジィ!!」
多少荒くれたやりとりを交わしながら、三人は一帯の掃除を始めようとした。
ちょうど、その矢先だった。
図らずも視界に飛び込んできたものに、暖簾は目を細め、それから、今一度見間違えではないかと確認する為にまじまじと刮目した。
「……ちょいと、まちな」
「あぁ? んだよ、兄貴の前でサボってんじゃねぇぞ?」
「いんや。どうやら、これ以上は草抜きしないで済みそうだぜぃ?」
肩をすくめながら何処かを指で示し、笑みを深めている暖簾を見て、怪訝な顔のままの雅也が、そして、その様子に気づいた文貴が、示されているその方向へと揃って目を向けた。
ここから更に奥。黄色い花の……あれは向日葵か。向日葵の群生した一帯の手前を、暖簾は指で差し示している。
それを見て、雅也と文貴は予想しなかった光景に口を丸めてしまった。周りが黄色だから遠目でもよく分かる。嫌でも目に付く鮮やかな青。そしてそれは自在に動き回り、偶然にもこちらへと近づいてきているではないか。
確か。ハナネコは、この世には珍しい青いバラをその体に咲かせているとか。
「うわっ、あいつが……噂のハナネコ、ですかね? アニキ?」
「らしいな。見ろ。いっちょ前に青い花でめかしてやがる。話に聞いた通りだ」
目を細めてそれを観察している雅也に、文貴が冷静な顔色で頷いて答える。あれが、此度の奇怪の原因なのだ。
「こっちに来てるな……よっし、俺がちょちょいと捕まえてきますって! 任せて下せぇ!」
自分たちには気付いていないのか、ハナネコは迷うことなくこちらへ歩み寄ってくる。遠目から見れば、首に青いバラを咲かせた大人しそうな猫に相違ない。その接近を間近にして、文貴が指の骨を鳴らしつつ身構えた時、そうするまでもないと雅也が腕を掲げて、自信満々に声を張った。
雅也は少し前に出て、適当な茂みの影に身を隠す。ハナネコが限界まで接近してくるのを待つ為だろう。一歩、一歩。ハナネコが目と鼻の先に至るまで来るまで、今か今かと待ち続ける。ハナネコはまっすぐにこちらに向かうということはせず、あちらこちらに寄り道をしながら植物の影を練り歩いていた。
そして、若干の時間をかけて、ハナネコは茂みの間近にまで近づいてきた。あちらに緊張している様子は見られない。文貴と暖簾がやや離れたところから見守る中、雅也はいよいよ、茂みの中から勢いよく手を伸ばした。
「おいっ、いい子だから逃げんじゃねぇぞコラッ!」
突然に伸ばされた腕。唐突な衝撃にハナネコは目を見開き身を竦め、その場で固まってしまった。緊張が解けてその場から走り去ろうとする、その刹那の隙に、雅也はその前足を掴んで抱き込み、あっという間に、自身の腕の中にハナネコを固く閉じ込める。
「へへっ、どーだ鹿黒ぉ! 俺の方が、兄貴の役に立ったぜっ!」
したり顔で語気を強めて言い放つ。文貴と暖簾は胸を撫で下ろし、得意げな顔をしている雅也を見守った。
抱え込んだばかりの戦利品を手に、さっそく雅也は、自分の長の元へと歩み寄ろうとする。
「え?」
だが、雅也は足を止めた。どういうわけか、それを見守る文貴と暖簾が、明らかに表情を一変させたのだ。
「旦那! そいつ、何か……」
「あん?」
暖簾は咄嗟に言葉を濁したが、それが雅也に届いた時には、もう手遅れであった。
腕の中に収まるハナネコ。その顔に不服さが満ち満ちているのに、雅也は気づいていない。そして、その首元の青いバラが大きく膨らみ上がっており、そして……。
「ぶわっ!? な、なんだっ!! ゲホッ!?」
「! どうした!?」
かけられた声に雅也が首をかしげた瞬間には既に、沸き立つような濃厚な黄色が、雅也の顔面をもくもくと覆い尽くしていた。青いバラから黄色い粉末が炸裂したのだ。勢いよく炸裂した粉は宙で広がり、ハナネコはするりと脱出。猫らしいしなやかな動作で床へと着地した。
文貴と暖簾の目の前で広がっている黄色い煙幕。その中からは威勢のいい声ばかりが聞こえてくるので、とにかく雅也が無事であることは分かった。
「鹿黒! アイツが逃げる前に、雅也と挟み撃ちにしろ!」
「あいよっと」
文貴は咄嗟に声を張り上げ、暖簾は返事もそこそこに、黄色い煙幕の方へと駆け寄ろうとした。
シュッ……。
「っ!」
だが、暖簾は咄嗟のことで足を止めた。止めざるを得なかった。
目に広がる視界を斜めから両断するかのように、一筋の斬線が描かれたのだ。改めて自身の靴の先に目をやってみれば、鈍い光。反り立つ鋭利な刃。風を切る音と共に、何処からか投げられたナイフが地面に突き刺さっていた。
「……何者だァ? 随分といきなりのご挨拶じゃあねぇか?」
視界の隅で、焦ったハナネコがさっさと逃げ果せてしまうのが見える。だが、そんなことはもうどうでもよかった。暖簾はどこにともなく低い声を張り、文貴もまた、ほんの一瞬で眼光を強め、周囲に警戒を広げている。
ナイフには、明確な殺意がこもっていた。タイミングが悪ければ足を止めるだけでは済まなかっただろう。いつの間にやら、周りに敵が潜んでいる? 神無組と敵対するよその組の鉄砲玉か。はたまた、付け狙って送り込まれた雇われの暗殺者か。
「大っ嫌い……」
「えっ?」
組織の主だからこそ、身構えたのには無理がなかった。だからこそ、まるで駄々をこねるような、そんな幼い声が聞こえてきたのは完全に予想外であり、図らずも文貴と暖簾は目を丸めてしまう。
更に暖簾は、その声に深く確かな聞き覚えを感じ、何とも呆気ない顔で言葉を失ってしまった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月25日
参加申し込みの期限
2014年01月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年01月01日 11時00分
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