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幸運?の青いバラ
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目にした光景には誰もが息を呑んだ事だろう。
まず、見渡す限り広い空間が広がっている。天井にいくつもある照明の光が辺りを照らし、やや薄暗い雰囲気は否めないが、思いのほか倉庫の中は鮮明であった。そして、遥か昔から置き放されていたであろう機材や、シートと埃を被ったままになっている巨大な何かなど、倉庫として機能していたときの名残があちらこちらにもの寂しく残されている。
そんな外観からして、ある程度の植物の侵入は予想出来たかもしれない。だが、だからといって、ここまで異常なまでの変化を想像出来ていた者などは少ないはず。
それはまるで、ここだけ時が過剰に進んだかのようだった。倉庫の全てを青々と覆い尽くしているのは、多種多様の色や形をした可憐な花の数々、そして遠慮なしに繁茂している蔦や葉の緑であった。様々な花をつけた蔓や樹木が倉庫の壁に沿って絡み合い、床や壁、天井までの全てを包み込んでいる。草は膝下までせり上がって茂っており、歩きづらさにたまらず息を吐けば、その代わりに、色とりどりの花が咲き乱れる光景とは裏腹の、湿気のたっぷりこもった空気が胸の中に入り込んできた。
「なかなか、面白いものを見つけたな」
夜の散歩の最中、偶然に第3倉庫に立ち寄った
霧島 有祈
が感嘆を胸に、花の咲き誇る天井を見上げて呟いた。スーツにかかる落ち葉を払い、革靴で草を踏みしめて歩く。既に先陣を切って奥へと進んでいった者たちが何人かいた為、草をかき分けずに進めるような轍(わだち)道は申し訳程度ながらできていた。
雰囲気を楽しみ、あてもなく歩を進める。周りに目を這わせる度、百花繚乱と咲き誇る物珍しい植物たちを見つけることができる。そして、自分の他にも存在した、ここを訪れてきた者達もまた興味深い。男女高校生、絵かきや外国人、中には見るからに極道連中らしい姿もちらほら見かけたっけか。
植物屋敷と化した倉庫に対して各々の思惑は様々だろうが、殆どのものは、この倉庫を元に戻そうと躍起になっているようだった。
(だが、これをなくしてしまうのは、少し惜しい気もするがな)
目をやってみれば、すぐそこにも何人かの姿がある。この異変の解決のため、まずは草を刈ったり道を作ったりしているようだ。忘れ去られていた倉庫に溢れかえる植物を見て、ふと、そんな考えが有祈の頭をよぎった。
それでも、この状態を放置すると、『あの猫』曰くまずいことになるらしいから止める気持ちはないのだが。
こんな機会もそうはないだろう。どうせ元に戻ってしまうならもう少し見物させてもらおうと、有祈は倉庫内の景観に目を配りつつ立ち止まった。
「……ん?」
その直後、有祈はおもむろに目を丸めた。
(あれは……)
やはり、何度刮目しようが見紛えようがない。壁際に咲いていた花が、ほんのわずか、揺れたように見えた。やがて気のせいとも思えないほどにその花は動きを大きくし、壁を這うように歩き始める。
花が動いた? 当然ながら有祈は目を疑った。周囲の空気を読んでも、どうやら気づいているのは自分だけらしい。よくよく見れば動いているその花は、何本かを束ねたような乱れ咲きのバラであった。世間では非常に珍しいはずの、気品のある青をしている。
「あれは……。あぁ、あれがそうか」
その花が自由自在に歩みを進め、植物の群れる壁から飛び降りて来たその時、その全身を見つけることができて、有祈はようやく合点がいった。
それは植物そのものではない。決して足が生えて歩き回れるようになった植物などではなく、バラの花を飾りのように首にまとっている、愛らしい容姿をした猫だった。
そして、有祈は神妙に目を細める。まさしく、話に聞いていた通りだ。植物に覆い尽くされた第3倉庫、その現況の影には、青いバラをその身に纏った猫の影がいると。
有祈の眼差しを受けているとは知らず、その小さな影は壁から降り立った後、細かな四肢で床を歩き回る。やがて、樹木の幹に腰を下ろしてスケッチブックに絵を描いている少女のすぐ近くの茂みへと飛び込んでいった。
鉛筆の先がスケッチブックの上を走り、瞬く間に絵が浮かび上がってくる。
「うん、やっぱりいい。退廃的な景観がとても良い」
鉛筆を立てて距離感を確認し、目立つ修正点も見つからずに絵は完成。
旅鴉 月詠
がマスク越しに呟いた。一面に咲き乱れる花の種類は数えればきりがない。美しい花たちが競い合うように古びた倉庫を埋め尽くしている様は、まさに一種の芸術であった。
テオから話を聞き、植物にまみれて豹変したこの倉庫を見ても、月詠はさほど動じることはなかった。確かに普通ではないだろうが、今更思い知るまでもなく世の中には不可思議が満ちている。特に、この寝子島では尚更だ。
が、倉庫を普段からより場にしている者たちの気持ちは無論、これをこのまま放置することはできないらしいので、月詠は一もれいびとして、テオからの情報を元に準備をした後、この倉庫までやってきた。
だから、ここで絵を描いているのは、ほんの気まぐれであった。描き終わったらすぐに「ハナネコ」とやらを探さなくては。だが、全てが解決しこの景色をもう見れなくなると思えば、ここには来たばかりとはいえ、名残惜しい気持ちも生まれるというもの。
(さて、そろそろ……)
探しに回らなければ。月詠はそっと息を吐き、マスクの位置を整えつつ立ち上がろうとした。
トン。トン。
「?」
その矢先、背後から肩を叩かれた。月詠は顔を上げ、そっと首だけで振り向く。
倉庫には、自分の他にも人が何人もいることは分かっていた。寝子島高の級友かと察したが、目をやってみれば、そこにいたのはスーツを着込んだ見慣れぬ男性だった。切れ長の目に端正な顔をして、背は高く、年は大学生のように思える。
「……もれいびだろ? そこの茂みに『ハナネコ』らしいのがいる」
「え?」
ぼそりと呟くその低い声に、月詠は自然とスケッチブックを畳み、すくと立ち上がった。
その言葉ですぐに察しがついた。この人ももれいびなのだ。そして、テオから話を聞いて、協力しているに違いない。
月詠が自身の名を名乗り、上向いて目を向けると、男性は気づいたように
霧島 有祈
と答えた。
「そこの……茂みに?」
「あぁ」
有祈がすぐそこにあった茂みを顎で示して頷く。なるほど、確かに茂みはかすかに揺れているようだった。それほど大きくない椿の茂みであったが、猫ぐらいの大きさの何かなら隠れているかもしれない。
もし、噂に聞いた、「ハナネコ」であるなら……月詠は冷静な眼差しで観察しつつ、いつでもスケッチブックを開けるように手を宛てがっておく。有祈も また、距離を置きつつスーツに吊るしてあった鎖を握った。鬼が出ようと蛇が出ようと、何がかかってきても避けて「ろっこん」を使用できる距離感だ。
二人が熱烈に見守る中、茂みは揺れ、その度に椿の花や古い葉が額ごと床に舞い散る。確かに何かが潜んでいる。向こう側に逃げるつもりか、それとも、こちらの出方を探ろうとしているのか。
焦らすような空気の中、茂みを揺らしているその正体が、いよいよにして姿を見せた。
散った椿の花や葉を頭に乗せて、現れ出たのは……。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
tsuyosi
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月25日
参加申し込みの期限
2014年01月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年01月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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