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「それでは決勝戦! ファイナリストはテーブルについてください」
ついに来た。
真白は正面を見すえた。
まさかまさか、だね。
決勝戦までたどりついた相手は、紅こと紅美だったのだ。
紅ちゃんと、決勝戦。
それが現実のものとなったいま、真白の胸は高鳴ってやまなかった。
緊張してるからじゃない。たぶんきっと私、最高に幸せだからだと思う。
だって、こんなにも近くで、こんなにも一生懸命な紅ちゃんと対戦できるから。
手の内を読み合い、心も読みあって、紅ちゃんの熱意に、私の想いごと全力でぶつけられるから。
──『好き』って気持ちさえ、まっすぐカードにのせて。
紅美のリボンを結び直す仕草が、戦闘態勢への変身のように真白には見えた。けれど紅美は視線を動かさない。まっすぐにこちらを見ている。ちょっと挑発的で、自信満々なまなざし。真白が愛してやまない、あの目つき。
「大会の開始前にも言ったけど、手加減しないからね」
「うん。私も言った通りだよ。こっちのセリフだっつーの」
対戦開始のコールが響いた。
「決勝アークデュエル、オープン・セレス!」
牽制のような軽い攻防の後、最初に動いたのは真白だ。
「んー、置物通る? 通るなら出してターンエンドかな」
「いいよ。オッケ」
紅美は肩をすくめる。攻守交代、今度は紅美の番だ。
「じゃあ今度はうちな、これと……」
「それは通しで」
「あと、こいつ」
「あ、でもそっちはダメ、絶対通せない。止めるよ」
真白が手札を切る。紅美のカードを、鋭く妨害する一手だった。
「けどまだターンオーバーじゃないよ。これでどう?」
紅美が呼び出したのは重量級のカードだった。『大黒ミオ』、紅美が攻防の要にすえるキャラクターである。
「だと思った。じゃあ、攻撃はもらって……ん、ターンもらうね」
会話はすべて、カードの応酬とともに進んでいく。激しい口調は使わない。このゲームについて知らない者には、のんびりした雑談にすら聞こえるだろう。だがその実、これは刃と刃を交えるような言葉の駆け引きだ。
観戦席には、最初よりずっと多くの人が詰めかけていた。決勝戦がはじまるころにはすでに空席はなく、立ち見客も数多くなっている。
中央には洋二の姿もあった。腕組みして、真剣なまなざしで試合を見守っている。
「まさか本当に、あのふたりで決勝戦になるなんてね……」
いつしか場内を、張りつめたような静けさが支配していた。
カードを置く音、スリーブが擦れるかすかな気配さえ、観客の耳に届くほどに。
真白と紅美のやりとりが穏やかであればあるほど、それを取り巻く空気は緊迫していく。
「でも」
洋二の口元が、ほんのわずかに動いた。
「いい顔してるよ。ふたりとも」
その一言すら、周囲の静寂に吸い込まれていった。
「ドロー、除去は通る? ん、通るならそれに除去で」
「うぐ……通すよ」
紅美の手がわずかに止まった。ほんの一瞬のためらいが見えた。
真白には、その小さな間がたまらなく愛しく思える。
「そういえばさ、今までにも大会で当たることって結構あったけど、こうして決勝で当たるのって、すごい久しぶりじゃない? あ、これ通る?」
「ちょっと待って。通さねーよ」
「やっぱ駄目かー、ならエンドだなぁ」
「へへー、サーセン」
会話しているだけなのに、胸の奥が熱をもっていく。
まるで裸になって抱きあって、おたがいの気持ちいいところを、優しく探りあってるみたいで。
こんなふうにしていられる時間が、ずっとつづけばいいのに──。
「で、さっき真白、なんの話してたっけ?」
「あ、うん、紅ちゃんと決勝戦でやるのなんて久しぶりだなって。というか初めて大会で対戦したとき……
あの夏
以来だよね」
紅美のまなざしが、ふっとやわらいだ。
「あー、そういやあんときは、真白のコンボに完封されて涙目になったっけな」
「涙目は言いすぎでしょー。あのころの紅ちゃんって、いまよりずっと無口だったよね?」
「だったかなあ。んで真白、これ通る?」
「む、悩ましいけどそれは除去する……かな」
「ちぇ」紅美は舌打ちした。「真白はあのころから、いまとあんま変わらなかったような」
「うんそうかも。私、構造が単純なんでね」
「単純なもんか。こんないやらしい二択しかけてきといて」
ふふふと笑いあう。だがいよいよ戦いは、確実にクライマックスへと向かっていた。ジェットコースターが、最大の山へとさしかかるあの感覚だ。じわじわ、じわじわと、しかし、着実に。
「もう猶予はないかぁ」
真白がうめいた。声色が高くなる。手札のとっておきに手を伸ばした。
指先に挟んだのは『ガーナックΔ(デルタ)』のカード、それも限定デザインでウルトラレア級の一枚だ。こういったカードは通常、観賞用になることが多いが、このカードに限っては別格だ。非常にコストがかかりしかもリスキーながら、高い攻撃力をもつ一発逆転級の一枚だった。かつて真白がこのカードを入手する
夢
を見て、その後本当に手に入れてしまったカードである。真白がこのカードを実際の試合に使うのはこれが初だ。昨夜、悩みに悩んでデッキに加えた一枚だった。
「できれば使い切らせてからにしたかったけれど……行くしかないよね!」
「勝負に出たな! 真白の切り札ってやつか」
「そういうこと!」
真白は、叩きつけるようにガーナックΔを切った。即時効果が効けばこの瞬間に真白の勝利が決まる。紅美がブロックできたとしても形勢は逆転、ほぼ六分の五の確率で真白の削り勝ちに持ち込めるだろう。
強いて言えばこの状況で勝てるカードはたった一枚……! でも紅ちゃんの性格ならきっとデッキにすら入れていない。使いにくいカードだから。
「さて、対応札が無ければあのときみたいに私の勝ち、なければ紅ちゃんの勝ちだけれど、どう!?」
真白は自分の言葉に酔うように腰を浮かしていた。
だが紅美は腰を浮かすどころではなかった。立ち上がっていたのだ。
「これだろ!」
紅美が場に出したカードを見て、観客席が沸騰した。「おおー!」の声、「来た!」の声、そして、「なんと!」と洋二の声も聞こえた。真白が、まさに言いたかった言葉だ。
「……~~っ!! あったかぁ!!」
カードは『ガーナックϜ(ディガンマ)』! 幻と言われるギリシャ文字をもつ男性型ガーナックだ。レア度が高いばかりか、非常に使いどころが難しいカードである。しかしディガンマの効果で、真白のデルタはあえなく効果消滅となった。
「ターンエンド、さぁ、とどめを刺してよ」
「じゃあ遠慮なく」
かくして歓声と拍手が嵐のごとく巻き起こるなか、ホビーショップ『クラン=G』代表の栄冠は、紅美の上に輝いたのだ。
真白はこれまで、紅美がディガンマのカードを使っているところを見たことがない。所有しているのは知っていたが、紅美の得意な戦法にはまったくマッチしないカードなので、紅美自身「コレクション用だね」と言いきっていた。
この大会では試合と試合の間で、デッキの再構築は認められていない。つまり、紅美は不得手なディガンマのカードを抱えたままここまで勝ち上がってきたということになる。こんな状況を予測していたからか、それとも、新しい戦いかたを身につけたのか。
いずれにせよ、紅美が腕をあげたのはまちがいなさそうだ。素直に勝利を称えよう。
「グッドゲーム。……次は負けないんだから」
そう口では言ってみたけれど。
真白は思う。
勝ち負けなんてどうでもよくなるくらい、紅ちゃんの笑顔は可愛すぎる。
ずって見ていたいくらい。
……でも、だからこそ、私はまた、紅ちゃんと戦いたくなるんだよ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月20日
参加申し込みの期限
2025年07月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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