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どうにかこうにか要塞を陥落させて、用水溝のゴミも片付け終えた。これで、ののこに入浴の権利が戻ったのだ。
「すごーい! めっちゃきれいになったよね、お風呂! 英二くん、浴室ってふたりで入ってもまだ余裕あるんだね~」
「えっ……あ、ああ、そうだね……」
英二は思わずドギマギし、言葉に詰まった。ののこの無邪気な笑顔を見ていると、つい「お風呂、一緒に入ろ?」と誘われたのかなんてありえない妄想が頭をよぎる。慌てて首を振って、よからぬ思いを追い払った。
だめだだめだ、そんなこと考えちゃ! 野々さんは、僕を信用してくれているのに──。
案の定、ののこはさっきの発言なんてすっかり忘れた様子で、バスタブの奥を指さしながら「このスペース、洗濯物干せそうだよね~」などとのんきなことを言っていた。
英二は小さく息をつき、そんな彼女にだけ聞こえないように、ほんの少しだけ笑った。
畳間に戻ってくると、外はもう薄闇に包まれはじめていた。
「おー、そろそろ晩ごはんの時間だね」
ぐう、と小さな音がののこの腹から鳴った。
「……なんか食べに行こっか」
恥ずかしげもなく笑いながら、ののこはそう言った。
「今日は自炊しない?」英二はそっと提案した。
「ジスイ?」
ののこは首をかしげる。
「それって、どっかの国の首都?」
「いやいや、炊くほうの『自炊』だよ。炊飯器も発掘できたしさ」
「あー、そっちか。てっきり『自炊砲』のジスイかと。遠距離攻撃ユニットだよね。ドカーン! みたいな」
「それは『自走砲』だよー」
「へへー。私の無理筋ボケにちゃんと反応してくれる英二くん、好きだぞ♪」
「ははは……どうも」
英二はののこと目を合わせられない。
深い意味はないんだろうけど、と理解はしつつ、ののこの何気ない言葉に、英二の心はふわふわする。
浮かれてはいけないとわかっていても、ののこの飾らない笑顔を見ると、つい甘い勘ちがいをしてしまいそうになるのだ。
それに、自走もとい自炊は、大事だって思う。
外食ばかりだと、出費も栄養バランスも心配だよ。こうして少しずつでも、野々さんが自炊を覚えてくれたら、それだけでいい。
ただの元同級生の僕がそんなこと思うのは、おせっかいかもしれないけど。
でも、好きな人に健康でいてほしいって、自然な気持ちだよね。
自分のなかでその想いを認めたとたん、ちょっとだけ胸を張れる気がした。
「んー、そういや白米がどっかにあった気がする」ののこはあごに手をかけた。「でもうち、食材ないよ」
「僕が取ってくるよ。ご近所さんだし」
「えー、いいのー?」
「遠慮しなくていいって。ちょうど買い置きあるし、キュウリとニンジン、大根に卵でどう?」
「肉はー?」
ちゃっかりしているののこであった。
炊飯器のスイッチを入れると、ピッと軽快な電子音が鳴った。部屋の隅に埋もれていた炊飯器は、見た目こそくたびれていたものの、文句ひとつ言わずに早炊きモードへ突入してくれている。
「炊けるのかなこれ……爆発しない?」と不安げなののこに、「大丈夫、レンジよりは信用できるよ」と英二は笑った。
ボウルに卵を割り入れて、卵液に砂糖とみりんをちょこっと混ぜる。英二が菜箸でシャカシャカかき混ぜていると、ののこが「わたしもやるー」と言いだして、横から器用に奪っていった。
「ふふふ……炒り卵職人・野々ののこの腕前をご覧あれ!」
ところが手元に集中しすぎて、油断した拍子にボウルをひっくり返しそうになる。あわてて支えた英二が、「混ぜすぎないようにね」とやさしく声をかけると、「はいはーい」とののこの返事はあくまで威勢がいい。ののこは小さなフライパンに油をひいて火にかけて、とりあえず職人(?)作業をはじめていた。
その間に英二は大根をきざみ、水を張った鍋にかける。豆腐をてのひらにのせて切って鍋に加え、沸騰したあたりで冷凍しておいたほうれん草と乾燥ワカメを追加、あとは出汁入り味噌を溶くタイミングを見るばかりだ。
味噌の香りが立ったところで、小皿にとって味見する。
「うん。いい感じ」
「うちのキッチンから出たとは思えないレベルの味噌汁だ……」
同じく味見してののこは恍惚としていた。どうやら即席味噌汁しか作ったことがなかったらしい。
キュウリは英二が薄切りにして塩もみし、軽く水気を絞った。そこへ、ののこが炒り卵をよそったボウルを持って戻ってくる。
「完成! ほら、ちゃんと黄色いそぼろになったよ~。すごくない?」
「うん、いい感じ。次、鶏ひき肉ね」
「まかせて。私、肉は得意だよ」
「どう得意なの」
「食べるほう!」
そぼろの味付けは醤油と砂糖、ここにチューブの生姜と、ちょこっといりごまを混ぜるのが英二の好みだ。フライパンでののこが鶏そぼろを炒めていると、炊飯器の炊き上がり音が鳴った。ふたりで「きた!」と声をそろえ、炊きたてのご飯に歓声をあげる。ふわっと広がる湯気に、甘辛いそぼろの香りが重なって、なんとも言えない幸福感が立ちのぼる。
白いごはんをよそい、炒り卵、そぼろ、塩もみキュウリをそれぞれ三色に分けてのせる。そぼろの茶色、キュウリの緑、アクセントは炒り卵の黄色、これぞシンプルにして華やかなトリコロール、三色丼の完成だ。
「うわー、おいしそう! カフェで出てきそうなんだけど?」
大根の味噌汁を添えて、グラスにお茶を注いで卓上にならべた。漬物の小皿も追加しておく。簡単かもしれないが、れっきとした献立となったわけだ。椅子に腰かけたののこが、いただきますと両手を合わせてから、ひとくち頬張った。
「ん~っ! なにこれすごい、はじめて食べたかも! 英二くん天才!」
「ありがとう。でもそれはちょっと褒めすぎだと思うよ」英二ははにかんでしまう。
「でもほんとにおいしいよ……。なんか、ちゃんと、ごはんって感じがする」
その『ちゃんと』の言葉が、英二の胸にじんわりしみた。
ときどきこうやって、野々さんと一緒に自炊する機会ができたらいいな。
掃除は大変かもしれないけど、勝手ながら、これからもそばで支えられたらと思う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月20日
参加申し込みの期限
2025年07月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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