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夏の思い出、ください……ゲームショップで
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大会のテーブルに戻ったところで、あっと小さく白真白は声を上げた。
「
紅(くれない)
ちゃん!」
夏なのに長袖のTシャツを着た少女が、どうも、と右手を軽く持ち上げた。
紅というのは大会に登録する名前だ。本名は決して言わない。
中学生くらいだろう。赤みがかった髪をしている。解けば長いのだろうけど、頭の後ろでくくって、室内でもたいてい赤いキャップをかぶっていた。
やや吊り目で顔立ちは整っており、にっこり笑えばそれこそ美少女そのものだろうに、たいていいつも紅は、目を逆三角形にしてそっぽを向いている。いつ見かけても頬杖ついて退屈そうにしているし、声をかけられても無視するか「キモ」とか「あっち行って」みたいなコメントばかりだ。こんな調子だから対人関係はいいはずがなく、TOSの大会にはぽつぽつと来ているようだが、真白が目撃した限りではつねに孤立していた。
真白が最初、話しかけたときも紅はつっけんどんだった。けれど真白は根気強く話しかけ、いつしか話ができる程度には彼女と親しくなったのだった。
隣の席に腰を下ろして話しかける。
「前の大会来なかったよね? 元気してた?」
「うん……まあ」
「今日はも私『未来技術』系のデッキ組んで来たんだけど、紅ちゃんは前と同じ『魔法学校』系?」
「魔法系、使いやすいから」
こうやってときおり大会に来る以上、友達がほしいと思っているんじゃないかな――そんなお節介だったかもしれないが、話しかけるたびに紅は応じるし、話が途切れると、「あれ?」と言うようにこちらを向く。だから真白は自分の予想が間違っていたとは思わないのだ。
「今日はどこまで行けるかなぁ……みんな強いからなかなか優勝できないんだよね。回れば私のデッキも勝てるんだけどなぁ」
今日対戦になったらよろしくね、と真白は笑った。
「うん、ええと、そのときはお手やわらかに」
真白の最高記録はベスト4だった。紅のほうはベスト8が最高だという。
ここで、大会トーナメント表が背後の壁に掲示された。大きな白い模造紙だ。
大至急作ったものらしく線はガタガタだし手書きの字も判別できるかどうかというほどに雑だが、それが逆に手作り大会らしい『味』とも言える。
あっ、と小さく真白は声を上げた。紅もだ。
二人が対戦するとしたら、決勝戦しかないということがわかったのだ。
決勝戦。
真白はここまで進んだのははじめてだった。対する紅も同じだ。
まさかまさかの快進撃、デッキは鮮やかなまでに転回し、真白はここまで悠々と上り詰めた。
一方で紅のほうは何度も危うい状況に陥りながらも、奇跡的な逆転を繰り返してこのテーブルにいる。
練習で遊んだことはあるものの、大会という真剣勝負では、これまで真白は紅と対戦したことはない。
初の顔合わせ。互いに初の決勝進出。どちらが優勝しても初優勝という初づくしの闘いではないか。
その決勝戦ももう、終盤にさしかかっている。
ほぼ互角、削りあいながらここまで来た。強い一発が出ればいきなり終了もありえる状況だ。
「なかなか悩ましい盤面だね……」
真白は緊張と興奮で、燃える石炭でも呑み込んだような心地だった。
――コンボをかませば勝てる状況ではあるんだけど、止められたら負けは免れない。
決勝卓を全参加者が見守っている。そればかりではない。店内にいた客が、何事かと集まってきたようですごいギャラリー数だ。それでも水を打ったように静かなのは、『クラン=G』TOG大会初の女性プレイヤーがファイナリストになったこと、両者がそうであることはもちろん、展開が予断を許さぬ緊張に満ちたものとなったためだろう。
決勝戦のここまでの流れを、必死で真白は回想していた。
相手の戦略を読む。裏をかくのではない。裏の裏まで。
コンボならいつでも出せる。しかも2パターンだ。
しかしマジックユーザーのデッキは、未来技術を使った攻撃に優位な対応札を多く含むのがTOSのセオリーでもある。
紅ちゃんの残ってるリソース的には……対応札を握ってる可能性が高いんだよね――。
額に汗がにじんできた。真白が視線を送ると、かすかに紅が口元を歪めたのがわかった。
お見通し、ってこと?
ただ、そう思わせるブラフの可能性もあるし……。
まさに好敵手、いい対戦相手に巡り会えたものだと思いたい。ふたりで演じているものは、間違いなく今日の大会で最高のデュエルだろう。いや、この店で繰り広げられた歴代の決戦でも、屈指のものであるに違いない。
負けたら残念だと思う。
でも、この最高の瞬間を分かち合えたのだから悔いはない。
――よし、覚悟を決めよう!
真白は手札に指を這わせた。おおっ、と小さな声が観客から漏れる。
このままだとジリ貧だし今行くしかない!
真白が選んだのは一番オーソドックスな、それこそ、全力で直球を投じるような王道のカードだった。
「さぁ、コンボを始めるよ! 対応するカードはあるかな?」
叩きつけるようにカードを場に出す。
間違いない。テーブル周辺の温度が跳ね上がった。
一発! 紅は防ごうとした。
二発! 紅は回避に成功するがふらついている。
三発! 四発! もう防げない。
五、六、七! どよめきが上がった。
立ち上がる観客がいる。どよめきは歓声に変わっている。
「……参った!」
紅が手札を伏せて置いたとき、爆発のような拍手が巻き起こった!
しかも立ち上がった紅は、真白に自分から手を差し出したではないか。
「おめでとう」
紅が真白に対し、こんなに積極的になるのはおそらく初めてだろう。
「ありがとう!」
真白は迷わずその手を握った。
小さく柔らかいけれど、熱い手だった。
――『夏の思い出、ください……ゲームショップで』 了
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あとがき
担当マスター:
桂木京介
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございました! マスターの桂木京介です!
テーマがテーマなのであまり多くの参加者さんは見込めないかなあ……と出す前はいささか消極的な気分でいました。ゲーム内でゲームをするというのは妙なものですし、カードゲームやボードゲーム、プラモデルに興味があるキャラクターばかりではないでしょうし。
ところが、フタをあけてみれば沢山のお客様にご参加いただきまして、感謝感激の至りです。
いつものことですがご意見ご感想を楽しみにお待ち申し上げております!
桂木京介でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月20日
参加申し込みの期限
2019年03月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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