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禍語<マガタリ>
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【行ってはいけない病院】
「『寝子島署のほう』ってなに? ずいぶん曖昧ね。はっきり言えないってこと?」
「世の中白と黒ばっかりじゃないのよお、お姉さん。もう少しやわらかく、ファジーにいきましょうよ。ねえ?」
「おあいにくさま、物事を明朗に明確にするのが私たち弁護士の仕事なの。隙を突かれて、足もとすくわれたくないのよ」
「コワイわねえ。ふふふっ」
文梨 みちる
は妥協しない。職業柄、あるいは職業病と言ってもいいかもしれないが、法律の世界に身を置くというのはつまりそういうことだ。論拠の綻びを見い出して突き、曖昧に隠された闇と深淵に潜む真実を白日の下へさらけだす試みが、結果としてクライアントを守り勝利を呼び込むことにつながる。
それがみちるの使命であり、守るべき矜持でもある。
「で、なにかしら。事件がらみ? 悪いけどなにも言わないわよ」
決して隙は見せない。己の武器を信じ、120%の力を引き出してぶつけ、反撃の余地も与えず砕く。弱きを救い上げ、かすかな望みにも方策を導き出す。それがみちるの持つ力、背負う責任。法律の力なのだ。
みちるは身構え、いささか軽薄そうに見える青年の言葉を待ち受けた。
「あー違うちがう。ちょっとコワイ話を聞かせてほしいだけ。弁護士なんて人にはまだ聞いたことなかったのよね」
「怖い話……ってなに? どういうこと? 私が過去に請け負った仕事についてなら、事務所のほうに……」
「オカルト。怪談。ホラー体験、そんな話、持ってない? 私のカンだけどね、あなたなら面白い話、聞かせてくれそうって思ったから」
気が抜け、みちるは脱力した。なんらかの詐欺かと疑う頭はまだ残っていたものの、目の前の彼にどうにも、毒気を抜かれてしまったもので。
──行ってはいけない病院?
──そんなことを言ってたわ。聞こえてきたのよ、声が。
──興味深いわねえ。どんな声?
──女の子。たぶん、中学生か高校生。
切羽詰まってるような感じだった……電話をして、誰かに助けを求めてたわ。それで……
──待って、どこから聞こえてきたって?
──よく分からない。穴……? っていうか。
空中にぽっかり隙間が開いてる感じ。
ただの路地裏のはずが、隙間の向こうにまったく違う風景が見えてた。
なんて説明したらいいのかしらね。
ああ、そうだわ。そういうのに詳しい
友だち
の言葉を借りるなら、
空間の裂け目。別世界への入り口。並行世界の扉?
よく分からないけれど、そんな感じ。
あの日は初めから、なにかおかしかった気がする。背中がざわざわして落ち着かなかったの。
前夜に見た夢のせいかしら。昔の夢を見たのよ、子どもの頃の……。
おぼろげで曖昧で、起きたらあまり覚えていなかったけれど。
クライアントに会うために、路地を抜けたの。少し急いでいたけど、声が聞こえてきて足を止めたわ。
暗い路地に女の子の取り合わせなんて、経験上、良いものじゃないからね。
奇妙な空だったわ。あの色だけは覚えてる。声の主を探してビルを間を走り回って、ふと上を向いたの。
青くて、赤くて、緑がかって、オレンジがにじんで……あんまり奇妙で、背筋がぞっとしたわ。
ビルの間を抜けると、建物が見えた。声はそこから聞こえてくるようだった。
人の気配はひとつもないのに、声だけが聞こえるの。私はその中へ、
──ねえ。『行ってはいけない病院』の話をしていたのよね?
あなた、そこに行ったの? 行ってはいけない病院に?
──え? まさか、違うわよ。私は女の子を探してただけ。
声は建物の奥からか細く聞こえてきた。こう言っているように聞こえたわ。
「帰り道が分からない」「急がないと」「あれが来る」
──あれ? なにが来るのかしら?
──いいものじゃないのは確かね。
奥へ進むと、声の言っていた意味が分かってきたわ。今来た道が見つからない。
帰り道が分からなくなってしまったのよ。
妙なにおいがして、鼻が利かなくなってた。つんとする刺激臭というか、薬臭いっていうか。
それに、物音ひとつしないし、いつのまにかあの声もしなくなってた。
いいえ……奇妙な音がひとつだけ、断続的に鳴り響いてることに気が付いたわ。
こつん。こつん。こつん。こつん。こつん。こつん。こつん。足音がこちらに近づいてくる。
私は物陰に隠れて、そっと音のするほうを覗いてみた。
自分の心臓が早鐘を打って、いやな汗が背中ににじんでた。
こつん、こつん、こつんと、一定のリズムで近づいてきたそれを、私は見た。
見てしまった。見るべきではなかったのに。
看護師、だと思う。どちらかといえば昔風に、看護婦。ナースって感じね。
笑ってた。満面の……なんて、生易しい笑顔じゃない。
笑いすぎて口が引き裂けるんじゃないかってくらいの、ぎりぎりと張りつめた、おそろしい笑顔。
ぞっとした。
注射器を持っていて、すごく太い針が鋭く光ってて、あれを誰に突き刺すつもりなのか……。
しばらく考えて、はっとして、私は逃げ出した。
慌ててスマホを取り出して、電話をかけたの。誰にかけたんだったかしら……誰でも良かった。
必死に、なりふり構わず、叫んだわ。
帰り道が分からないの。急がないと。早くしないと。あれが来る、って。
……あら? これ……この記憶は、なに? わたしの? 女の子の……?
気が付くと公園のベンチにみちるは腰かけていた。
あの青年の姿はないが、名前と連絡先だけが記された一枚の簡素な名刺がみちるの手にはあった。
「…………わたし、は?」
青い空を呆けたように見上げて、みちるはつぶやいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月02日
参加申し込みの期限
2025年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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