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禍語<マガタリ>
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【遺児の母】
「ねえちょっと待って? まみ子ちゃん。もしかしてだけどあなた、私が女物の下着つけてるだなんて、とんでもないカン違いしてたりしない?」
「えっ、じゃあどんなパンツはいてんの?」
「ナチュラルにセクハラするのはやめてちょうだい、しょっ引くわよ? まったくもう」
……ひどい会話だがともかく、打ち解けたようだ。
朝鳥 さゆる
はくすりと笑む。
源氏名さゆみことさゆる、それにまみ子(
姫木 じゅん
)を同時に指名した青年はおそらく、悪い人間ではないように思う。長く他者の抱く感情の表裏や、時として逸脱しがちな善悪の揺らぐ概念を夜ごとに見据えてきた。さゆるの人を見る目はある程度正しいだろうと自負している。
青年はグラスの中身をちびりと舐めるようにひと口、さゆるへ目をやると、困ったものね? と可笑しそうに笑った。
じゅんは肩をすくめて、
「まあ別にあたしもね、あんたのパンツに興味はないわけよ。それであたしたちになにを聞きたいって? おまわりサン」
タバコいい? と火を点け、いささかぶっきらぼうにたずねた。近ごろは禁煙を頑張っており一日当たりの本数は徐々に減ってきてはいるが、時にこうして無意識があらわれる。彼女なりの不安、気にいらないことに対する反骨の表出であろうとさゆるは考えている。
さゆるも気持ちは分かる。突然、ふたりの勤めるキャバクラへ客としてふらりおとずれたかと思えば、彼は大っぴらでないにしろ警察手帳をチラつかせ、なにやら話があるから聞かせてほしいと上がり込んできたのだから。それも売り出し中のさゆみとまみ子、ふたりを同時指名だ。悪い人間ではなかろうと判断したものの、彼の切り出す言葉に対して警戒感は解けなかった。
彼はたなびく煙を嫌がることもなく、ふたりをひとつ眺めては目を細め、切り出した。
「あなたたちなら、いいのを仕入れられそうだって思ってね。コワイ話、聞かせてちょうだい? とびきりのやつをね」
ほらね、妙なことになりそうよ、とじゅんはさゆるを見返し眉をひん曲げた。
旧市街の……どのあたりだっただろうか。参道商店街ほどの粋や風流が息づくでもなく、シーサイドタウンほど近代的でもない、特段ふれることもないような路地をさゆるとじゅんは歩いていた。このあたりの地名をなんというのかも知らず、ただとおり抜けるだけのつもりだった。
「子どもを知りませんか」
女の声とかろうじて分かるくらいの、かすれて耳障りの悪い声だった。
「子どもを探しているんです。子ども、知りませんか」
道の脇に立ち、女がぶつぶつと声を発していた。ひとりごとのようにも思えたし、さゆるとじゅんへ向かって語りかけているようにも思えた。
「子ども。見ませんでしたか。ご存じでないですか」
「……じゅん。あれって」
じゅんは眉をひそめてそれを見つめた。見たくもないものを見せられているような、どこかうんざりとした顔だった。
女だ。道路標識をかかげるポールの脇で、直立不動を保っていた。なにしろ女は身じろぎさえもせず、ただただ淡々として言葉を吐き続けるのみなのだ。子ども。子ども。子どもを知りませんか。
「見ないで、さゆる。見ないほうがいいよ」
「でも」
さゆるも自然と眉をひそめた。奇妙な女だった。奇怪と言ってもいい。
まずもって目を引くのは背の高さで、2メートル以上はあるだろう。長い手足は針金めいて細く、くすんだ赤い服を着て、糸のほつれたマフラーみたいなバサバサの黒髪は微塵の光沢もなく、顔は見えなかった。標識の後ろに女は立っており、顔だけが車両通行止めに隠れているのだ。
「あの……どうかしましたか」
「さゆる!」
人を見る目はあるつもりだ。さゆるにとっても女は奇妙で奇怪だが、困っているようにも見えた。純粋になにかを探しているだけのように思えた。
長く暗がりをさまよってきたさゆるは、差しのべられる手のぬくもりや力強さ、抱かれる安堵を知っている。さゆる自身もまた無垢であり傷つきやすく、それを救ったのが他ならぬじゅんだった。彼女のように振る舞いたかったのかもしれない。手を差し伸べることをおそれず歩むのだと、この数か月で胸に湧いた思いを大切にしたいがためだったかもしれない。
「子ども。ご存じですか」
それが良くなかった。
女は天上の雲の向こうから見下ろすよう、こちらを向いた。ゆっくりと、まるで関節が錆びついたロボットのように、小刻みに震えながら顔をふたりへと向けた。それでもやはり女の顔は標識の向こうから現れず、ちらとも覗くことはできない。
「子ども。見かけましたか。ご存じですか」
「さゆる……いこう。もう行こう」
「子ども。わたしの子ども。どこにいますか? どんな子ですか? どんな子でもいいんです。案内、していただけますか? 子ども、抱かせてもらえますか? わたしの……わたしの子ども……」
「さゆる!!」
じゅんがさゆるの手をつかみ、脇目もふらず駆け出していなかったら……どうしていただろうか。どうなっていただろうか?
女が求める子をともに探したのだろうか。それとも。
「それ、一本もらえる?」
話し終えたところで、青年はそう言った。くわえたタバコにじゅんが火をつけてやると、彼は満足そうに深く吸い、煙を吐いた。
「さゆみちゃん、あなたの恋人は正しい判断をしたわ。見も知らない誰かに手を差し伸べようってね、あなたのそんな精神はそりゃあ美しいけれど、相手は見なくっちゃ」
ぱちりと片目をつむって見せる。やはり、悪い人間ではないように思う。彼は穏やかでとっつきやすく、ウィットに富んで話し上手の聞き上手で、茶目っ気もありどこか憎めない。
さゆるは頬をゆるめて彼を眺めた。
「その女が言う『子ども』が、文字どおりの意味とは限らないものね。子どもはもしかしたら、あなたたちのどちらかだったのかも……」
「ね? ほら、言ったじゃん。さゆる。この島ってば時どき、ああいうのが現れるんだから」
どうやら命拾いをしたらしいものの、さゆるとしては間違ったことをしたとは思わない。たまたま相手が胡乱ななにかであったというだけで、己が心に従ったまでだ。
少し唇をとがらせたさゆるへ、青年は苦笑い。胸元から取り出したペンで、テーブルの紙ナプキンへなにやら走り書きすると、さゆるへ手渡した。
「お話、アリガト。ま、次にそーいうのを見かけて困ったり、判断に迷ったり、こりゃヤバイって思ったときは、そこに連絡ちょうだい。私が飛んでいくから。私でなんとかできなけりゃ、月村さんを呼べばいいし」
「月……誰? なに?」
電話番号とメールアドレス、その下になんだか可愛らしい丸文字で、九頭見 修司、と書かれていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月02日
参加申し込みの期限
2025年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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