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禍語<マガタリ>
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【ともに歩む】
とぼとぼとぼ。愛しい人を想えばいつだって軽やかな足音が、今日はなんだか沈みがちに思えた。
「はあ……」
とぼとぼ。てくてく。もたもた。とことこ。
「ふう」
「あらお嬢ちゃん。ねえあなた。ちょっと話を聞かせてくれないかしら?」
とぼとぼ、ぴたり。
稲積 柚春
が顔を上げたところに彼はいた。シーサイドタウンの道端の電信柱にもたれて、なにやらあたりを見回していたところ、通りがかった柚春へ声をかけてきたらしい。民家の並びを横切るなんの変哲もない、というかなにもない路地だ。こんなところでなにをしていたやら、青年は穏やかに微笑みながら柚春を見つめた。
「……? 話?」
「そう、コワーイお話をね。探していたのよ。あなたなら面白いのをいくつも持っていそうだから。ふふ、私のカンは当たるんだから」
柚春は首を傾げた。疑問は湧いて出たが、その時の柚春はいささか疲弊していた。臓腑の底のほうから湧き上がってくる黒い感情の処理方法を模索していた。青年に応えたのはひとえに、そんなところからくる気まぐれの働きによるものだ。
「怖い話かあ。じゃあ、ちょっと聞いてもらえますか?」
青年は、に、と口角を上げた。
自分と
ウォルター・B
はいつだってラブラブのイチャイチャなのだと柚春は力強く述べた。
確かに写真はそんな感じだ。いつも想い合っていて、休日は人目をはばかりつつもふたりきりのデートを重ね、絆を深めているのだという。もちろん今はまだプラトニックな交際だがいずれは正しく恋人となり、やがて結婚。ふたりの子どもにも恵まれ、素敵なマイホームに引っ越してペットを飼い、いつまでも幸せに暮らすのだと。
「……えっとアナタ、学生なのよね? でそのお相手は、寝子高の先生なのよね?」
「はい、そうですよ?」
「はー。禁断の恋ってやつかしら……学生のぐいぐいくるパワーったらすごいわねえ。まあ一度きりの青春だもの、それもアリよね、じゃあ続けて?」
そんな愛しの彼なのだが、
「ワット……浮気してたんです!」
思いつめたように小さく震えた後、意を決して柚春は口にした。
「確かにワットはカッコイイし、モテるだろうし、ある程度は仕方ないって思いますけど、でも……」
「ええと、怖い話よねこれ?」
「そうですよ。証拠だってあるんです」
たとえば、その日のデートに彼が着てきたジャケット。内ポケットに覗く名刺には、女性ものと思われる香水の残り香が染みていた。裏にはご丁寧に丸文字で電話番号まで記されていたという。
「……そりゃ彼氏さんもいいオトナなら、そういう機会のひとつやふたつもあるでしょうよ。付き合いで断れなかったとかさ」
「それだけじゃないんです!」
たとえば、彼のナンパの現場をおさえたこともあったとか。親しげな男女、弾む話に浮かぶ笑顔。なんだか距離も近いではないか。
「僕があの時、たまたまその場に居合わせなかったら、ふたりはきっと……!」
「あの、君。ねえ、いつになったら本題に入るのかしら……」
「だっていうのにワットったら、すずしい顔して、女のひとと話してたことなんてまったくなんでもないって感じで。そしらぬ顔で……ううっ」
涙ぐみ目尻をこすり始めた柚春に、青年はぎょっとした顔を浮かべ、あわてた様子で手を振った。
「い、いやいやいや。ほら! オトナって長く生きてるぶん会話の引き出しも増えるし、交友関係だって広がるし。たまたまそう、知り合いの知り合いだったとか! そんな感じじゃない? 別にあなたをないがしろにしてるわけじゃないわよ、きっと」
「でもお……僕はまだ、学生だし。大人と比べたらきっと、女性としての魅力だって足りてないしい……きっとかなわないもん……」
柚春は鼻をならして、指にはめたリングをしきりになぞる。彼との絆の証、そのひとつだという。それを撫でることで心落ち着かせようと、無意識の仕草だろう。
「ワットがこのまま、僕から離れていっちゃったら……ううう。怖いよお……」
なるほど、うら若き恋する少女にとっては実に、怖い話であるのだろう。確かにそうだ、これも怖い話だ。どのような意味合いで怖いのか、きっちり伝えるべきだった。
青年は深いため息をつき、柚春の肩へ手を添え言った。
「話を聞く限り、あなたの彼氏は浮気性ってより、ちょっと八方美人なだけの、きちんとしたオトナに思えるわ。ちょっとしたすれ違いよ、きっと。安心なさいな」
「そ、そうかなあ……? 本当に?」
「そうよ、きっとそう! 学生と教師の恋愛って大変よね、人目をはばかるし誰に祝福されるでもなし。けれどだからこそ、繋がりや絆も強固なものになるってわけ。障害や壁が高いほうが燃え上がるもんよ、そうじゃない? たぶんね、きっとそう。うん、きっとそうよ」
「そう……でしょうか」
「うんうん」
へにゃりと眉を曲げたまま、しかし柚春は力なくも微笑んだ。
青年はふたたび息をついたが、深いため息ではない。
「恋愛も自由にならないなんて、学生は大変ねえ。ちょっと思ってた話と違ったけど……まあ、いっか」
にやりと笑み、いくらか軽くなった足取りで去ってゆく少女らの背を見送った。
「次は面白いヤツが聞けそうだもの。ねえ?」
てくてく。ひたひた。とぼとぼ。ぺしゃ、ぱしゃり。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年07月02日
参加申し込みの期限
2025年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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