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深更。
雨音に混じるすすり泣きの声が、
梓 智依子
の目を醒ました。
楓──?
娘の夜泣きで飛び起きていた日々は、すでに思い出のページに変わりつつある。だからこそ、驚きよりも懐かしさが先行した。
赤ん坊だった
梓 楓
が夜中に泣き、何度もミルクを作り、背中をトントンして寝かしつけた日々。その疲れと、あの瞬間だけのいとおしさ。
智依子は布団から身を起こし、隣で寝ていた楓の顔をのぞきこんだ。
楓は来年、小学一年生になる。ついこの間まで「おねしょしない」が目標だった子が、もうランドセルを気にする年頃になっている。
けれどいま、楓の頬は濡れ、肩が小さく震えていた。
「どうしたの……?」
楓は、かすれた声で言った。
「こわい夢みた」
「どんな夢?」
「ママが、わるいやつにころされる夢……緑の髪した、白い服の……」
楓の手が、ぎゅっと智依子のパジャマの裾を握った。
「こわかった……ママいなくなっちゃうの……」
「大丈夫だよ、楓。ママは、簡単に殺されたりなんかしないよ」少し冗談めかして、でも真剣に言葉を返した。「楓が大きくなって、ダンサーになるの、見届けるんだから」
楓は鼻をすすりながら、うん……と小さくうなずいた。智依子に背をさすられながら、だんだんと眠りの世界へと戻っていく。
子どもは現実と夢の境界がまだ曖昧だ。だからこそ、見た夢がまるで真実であったかのように感じてしまう。智依子はそのことをよく知っている。そして同時に、自分もまた、いくつもの夢と現実の狭間で揺れてきたのだと思う。
母親になるなんて、夢にも思わなかった──あの頃。
十四歳だった。
同級生はまだアイドルグループの話に夢中で、放課後のコンビニのソフトクリームが最大の関心事だった時代に、智依子はひとつの命を抱えてしまった。そのままダンサーとしての夢も挫折した。
でも後悔はしていない。その後のあわただしい日々の連続のなかで、楓は智依子のすべてだったから。
ところがまた、現実から夢にスイングするような出来事があった。
ユカ・オオツキ
、世界的に有名なモデルであり、ラジオDJや作家、ジャズシンガーとしても名高い。
そのユカから、舞踊劇出演のスカウトを受けたのは
二か月前のこと
だ。
「あなたのようなダンサーが、アマチュアにとどまっているなんてもったいないですよ」
約五年のブランクを経て、子育てと学業に追われながら細々と、智依子はあくまで趣味の範囲でダンスを再開していた。そんなある日、楓と一緒に踊っていたところをユカが目にし、「この母子は舞台に立つべき」と強く思ったのだという。
ユカの考えでは、舞台の主役として智依子に出演してほしいということだった。物語の終盤にはヒロインが娘と共に歌い踊るシーンがあるため、子役として楓にもオファーをかけたい、とユカは語った。
本物の親子だからこそ生まれる息の合った動きに魅了され、「私が探していたふたり!」とユカは確信したらしい。
けれど、智依子はすぐに返事はできなかった。
母である自分、生活を支える責任、そして何より、自分を信じきれない心……それが足かせになっていた。加えて寝子高生として、子どもを育てながら学び、働くという日々がようやく整いつつあった矢先だったということもある。
私がダンサー? いまさら?
端的に表現すれば、そういうことになるだろうか。
その間にも楓は日々練習にはげみ、「ママみたいになりたい」と素直に言ってくれる。学校やバイトで疲れていても、智依子は毎日、一時間程度は楓のトレーニングに付き合うようにしてきた。
自分の影響で、この子が夢を見るようになったのなら。
私は、その夢の可能性を、奪うわけにはいかない。
自分が教えるだけでは限界がある。正直、技術的にも表現的にも、楓の成長は、同じ年齢だったころの智依子の域に迫りつつあった。かといって、レッスンスタジオに通わせるようとすればお金がかかる。ちゃんとプロのもとで習わせるとなれば、月謝も交通費も、衣装代も馬鹿にならない。地主の祖父母は可愛い曽孫のためなら払ってくれるだろうが、これ以上甘えるわけにもいかないだろう。
智依子は思い返す。
昨日、いやまだ今日の話になるか。
ユカからDMが届いたのだ。
『近いうちに、お目にかかれませんか?』
簡潔な一文だった。
智依子は迷った末に、会うことにした。
お話だけでも、と自分に言い聞かせてはいたが、実はこの時点ですでに、心が決まっていたのかもしれない。
とんとん拍子で話は進み、智依子はスカウトに応じることになった。楓にもちろん否やはない。「本当にダンサーになれるの! しかもママと一緒に!」と興奮して、ユカに会いに行く前の晩はなかなな寝付かなかったものだ。
出資者や舞台監督を納得させるため、簡単なオーディションこそあったものの、数組の候補者と比較しても智依子と楓のペアは抜群だった。もちろん競い合う相手はプロないしセミプロのダンサーである。個々人の技量には光るものがあったが、やはり親子共演のダンスにおいて、智依子と楓を上回るものはなかった。
私が、脚光の当たる場所に戻るなんて。
それは母として、そしてかつて夢を追った一人の少女としての、再出発だった。
出演が決まった舞台は、ユカが新たに立ち上げた実験的なダンス演劇のプロジェクトだった。小規模ながら内容は野心的で、一人の少女の半生記である。天才ダンサーとして世に出た少女が、思わぬスキャンダルで地に落ちるも、やがて立ち直り栄光の舞台に舞い戻る。智依子のために書かれた台本ではなかったのに、まるで当て書きのように感じられたものだ。母親との関係、そして自分が母親になってからの娘への愛が描かれており、『親子のきずな』が主題のひとつとされていた。
週に二回の稽古がはじまった。
稽古場は、古いビルの一角を改装したスタジオだ。床のリノリウムはところどころ擦り切れ、手すりも塗装が剥げきっているものの、壁に立てかけられた姿見はぴかぴかに磨かれている。この鏡は、何人ものダンサーの夢を映してきたのだろう。窓の向こうには高架を走る電車の音がかすかに響き、舞台とはほど遠い日常の気配もあった。
最初は戸惑いの連続だった。
脚を踏み出すたび、床がきしんだ。
軽い息切れが早くも忍び寄る。
柔軟性も、筋力も、表現も──思うようにいかない。
五年のブランクは、身体のすみずみに染みついていた。
「もう一度、ここから」
と、トレーナーが指先で空を描くように合図を出す。
音楽が再生される。
バラードのリズムにあわせ、智依子は舞う。目を閉じる。右腕を伸ばし、胸の前で優しく包むように折り曲げる。呼吸はリズムと重なり、身体が少しずつ『踊り』を取り戻していく感覚があった。
その隣では楓が軽やかに跳ぶ。楓の出番は限られているのだが、みずから希望して、智依子の練習の大半に付き合っていた。
やわらかな身体と無邪気な動き。手順を忘れて固まることもあったが、智依子がリードすればすぐ笑顔に戻った。
「ここは、足をもっと高く上げてごらん。つま先を……そう、伸ばして」
智依子は楓を受け止める。指導というより、寄り添いだ。
楓の小さな身体が、彼女なりの精一杯で表現しようとするのがわかる。鏡越しに視線が合い、ふたりは目で笑みを交した。
ときに、振り付けを間違えて、おでこをごつんとぶつけ合って笑い転げることもある。智依子が「よし、じゃあ五分だけ休憩」と言えば、楓は「じゃあ、お水タイムね」とタオルで汗を拭いながら返した。
稽古は楽ではない。けれど一週間のハイライトになり、日々の疲れを忘れさせてくれる。
鏡に映るのは、かつての自分ではない。だけどここにあるのは、かつてよりも確かな『現在(いま)』の姿。
ふたりの息が揃ったとき、ずっと黙って見ていたユカがぽつりとつぶやいた。
「そう、この空気よ……本当に、私は幸運だった。すばらしいふたりに出逢えて」
舞台はまだ先だ。照明も、観客も、拍手もまだない。
でも智依子は知っている。楓と一緒に踊るたび、着実にその未来は近づいてくるのだと。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年06月15日
参加申し込みの期限
2025年06月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年06月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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