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WONDERFUL OPPORTUNITY!
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「最後ひとつターン、決めるよっ!」
智依子の声に張りが宿っている。智依子というよりChiCoの声と言ったほうがいいかもしれない。はつらつと明るく強く、青い天にまで届きそうな声。「うんっ!」と応じる声もある。もちろん楓だ。
音楽の着地地点めざし拍を数える。
ここだ!
同時のタイミングでふたりはターンした。
キックターン、ストリートダンスでは基本中の基本だが、それゆえに技量が問われる決め技である。右足で地面をキックして回転、右、左の順で足を踏む。ただそれだけの動きといっても簡単ではない。体をひねる動きに腰の安定、さらには顔の位置が美醜をはっきりとわけてしまう。回っているはずのダンスが、下手をうつと回らされているように見えてしまうのだ。
完璧なターンだった。一回転きれいにきまればそれだけでいい。だが申し合わせたかのように智依子と楓は二回転三回転、さらに四回転目でキッと停止した。それまで背を向けていた方向、つまり観衆を正面に見すえる位置に。しかも同時、呼吸までぴったりだった。
土埃が立ち芝が舞った。草いきれ、春の匂いだ。
待ち構えていたように喝采が起った。自然発生というべきだろう。歓声まで飛んでくる。
ええっ?
智依子はようやく状況を理解した。
単なる練習だったのだが、パフォーマンスと受け取られたのだろうか。自分と楓はいつの間にか、たくさんのオーディエンスを呼び込んでいたらしい。老若男女、ざっと数えても三十から四十人はいようか。空いている公園と思っていたのだが。
観衆の輪から、ひとりの女性が進み出た。
「見とれてしまいました」
サングラスをかけ大きな帽子をかぶっている。年齢はわからないが、智依子には親くらいの世代に見えた。
彼女がサングラスを取った。はっとするくらいの美女ではないか。くり返すが年齢は智依子よりずっと上だが、細面で知的なムードもある。なにより姿勢があまりにもいい。智依子にはわかる。ダンサーでなくても、まちがいなく他人に見られる職業、それも一流の人間だろう。
「あ、ありがとうございます」
智依子は臆したように言うも、楓はもっとずっと自然体だ。満面の笑みで言ったのである。
「見たことあるっ、おばさんのことっ」
おばさん呼ばわり――!!
智依子は震え上がった。楓からすれば当然の反応かもしれない。といっても智依子の親世代であれば、まだ『おばあさん』と言わなかっただけマシかもしれないが。
「かっ、楓っ!」
智依子は楓を抱き止めてそれ以上の爆弾発言を封じようとした。怒ると思いきやその女性は、
「おばちゃんのこと、見たことあるの? 嬉しいな」
かがみ込んで楓の目の高さになったのである。にこにことして楽しげだ。
「うちの子が失礼しましたっ」
口走る智依子にも、女性は笑みを陰らせることがない。
「気にしないでください。だってもう五十五ですもの、おばちゃんでないほうがおかしいです」
五十五……!
智依子の魂は青空に飛んでいきそうだ。彼女を四十代、もしかしたらその前半くらいと思っていたから。
「失礼しました。私、こういう者です」
女性は立って、智依子に名刺を差し出した。
『オフィスYUKA代表
ユカ・オオツキ
』
名刺にはそうあった。
「ユカさんって! あの……!」
モデル界のレジェンドではないか。三十年以上前からミラノ、パリ、ニューヨークで活躍し、エッセイストやジャズシンガーとしても大きな成果を残してきた女性だ。一時は、世界各国の映画監督やデザイナーと浮名を流してきたスキャンダルの女王でもあった。最近では大学講師やディスクジョッキーとしても活躍している。
見覚えがあるはずである。ストリートダンスの世界と地続きではないものの、飛行機の機内誌や広告あるいはテレビで、智依子は何度もユカを目にしてきた。
当然ユカを知っている者は少なくないようで、三人を囲む輪からはどよめきも起った。
「今日はプライベートで寝子島に来ていたんですが、偶然、おふたりのダンスを目撃してしまって」生ける伝説といっていいユカだが腰は低い。「魅了されました。プロの方ですか?」
「いえプロだなんて……アマチュアです」すでにダンスで汗をかいていた智依子だが、別種の汗をかきはじめていた。「今日はたまたま、娘に基礎を教えていただけで」
完全なアマというわけではないのだが、ChiCo時代も本業にしていたわけではないのでまちがいではないだろう。
しかしその言葉にユカはショックを受けたらしい。
「そんな。あなたのようなダンサーが、アマチュアにとどまっているなんてもったいないですよ」
そしてユカはふたたび膝を折り、楓に話しかけたのである。
「ね? お嬢さん、舞台に興味はない?」
「ぶたい?」「舞台って……?」
楓と智依子は同時に口を開いた。
「手前味噌で恥ずかしいんですけど」
ユカは明かしたのだ。
自身の楽曲をモチーフとしたミュージカルの準備をしているのだと。
――『WONDERFUL OPPORTUNITY!』了
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あとがき
担当マスター:
桂木京介
ファンレターはマスターページから!
お読みくださりありがとうございました。桂木京介です!
みなさまのアクション、本当にいつも想いに満ち満ちていて圧倒されてしまいます。
今回もアクションの数々を読んでいるだけで勝手に充実していたものです。
ホワイトシナリオ後編との整合性を取るためにも、時期を少し調整している部分、調整はせずともぼかしている部分があることをご了承ください。なので本作の時間軸の流れも一直線ではありません。
ご意見ご感想お待ち申し上げております。新しいシナリオのアイデア、あるいは展開に詰まったときのエネルギー源として毎回噛みしめるように読ませていただております。
それでは次回も、あなたのご参加をお待ち申し上げております。
桂木京介でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年07月25日
参加申し込みの期限
2024年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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