this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
Mon seul Tresor
<< もどる
1
…
19
20
21
22
23
…
39
つぎへ >>
近くに音楽の道を志す人がいると、自然と音楽を始めるようになるものだと思う。姉とは別の楽器を始めたのは、姉の背中を追い続けなければならない事に、心の底で抵抗があったからかもしれない。征一郎は昔から、同年代の子供よりもプライドが高かった。けれど幼い頃のプライドなんて大したものではなくて、こうなってしまったのは、周りが征一郎の事を天才と称し、期待の眼差しを向けるようになってからだった。
ヴァイオリンを弾くのは、好きだった。もっと上手になりたいと、夢中で弾いていた。聴衆の前で弾けば反応が貰える事が嬉しくて、温かい拍手を聞くたびに胸がいっぱいになった。もっと聴く人の心を動かしたい、もっと反応が欲しい。そんな純粋な心を、周りも応援してくれていた。『神嶋は才能があるから』笑顔でそう言ってくれた仲間の優しい心が、歪んだ羨望や妬みへと変化したのはそれほど遅くはなかった。
征一郎が弾けば、どこからともなく歪んだ悪意が襲い掛かる。皆の前で弾くのが怖くなり、けれどヴァイオリンはやめられない。弾くうちにどんどん征一郎の腕は上がり、周囲の感情も濁っていく。弾けば人の心を捉え、誰かの心を掻き乱し、醜い嫉妬へと駆り立てる。征一郎の演奏は、悪魔と化した。
悪魔の演奏は激しい嫉妬を生み、征一郎の刺々しい態度は火に油を注いだ。激昂する相手を鼻で笑い、見下すような発言をする。その場に居たクラスメイトが征一郎のヴァイオリンを手に取り、力任せに床に叩きつけた。ヴァイオリンが跳ね、誰かが踏みつける。征一郎がきちんと覚えているのは、そこまでだった。後は断片的な記憶だけ。
怒声、罵声、骨が砕ける感触、肉の裂け目から滴る血、生温かい鮮血が頬に飛び、悲鳴が上がる。咽返る血液のにおいに、赤く染まっていく世界。机も、椅子も、床も、天井にまで赤く飛び散った血。
あの時の肉塊の感触は、忘れたくても忘れられない。でも一番忘れられないのは、一生物の傷を彼らに残し、彼らの人生を狂わせたという事実。他でもない、征一郎が……。
友人と呼べる存在は消え失せ、必要以上に人と関わるのはやめた。ヴァイオリンを破壊された時に能力が覚醒してから、本気で演奏する事も出来なくなった。純粋な笑顔が減り、破滅への階段をゆっくりと上っていく。進んだ先には闇しかないと分かっていながらも進む。それでも良いと思っていた。けれど心のどこかでは、それではダメだと気付いていた。
壊されたヴァイオリンは、今愛用しているヴァイオリンの一部となっている。ヴァイオリンの名前は“Orias”(オリアス)悪魔の名前。けれどこの悪魔は、人の心を変える事が出来る。友人や敵からの好意を受ける事ができる。……悪魔のせいで友人を失い、悪魔に友人を頼む、なんて馬鹿げた弱い発想。けれど、征一郎は見た目ほど強くない。
寝子島には良い連中ばかりで、だからこそ、思い出す。何が大切なのか、何を守らなければならないのか。そのためには、どうしなければならないのか。
繰り返したくない。
誰かを傷つけるのも、誰かに傷付けられるのも、もう嫌だ。
だから、遠ざける。
人を見下し、小馬鹿にし、刺々しい態度で拒絶する。
これ以上、踏み込んで来るな。
自分には、ヴァイオリンさえあればそれで良い。
誰にも心は見せない。
誰にも本音は言わない。
だから、知ろうとするな。
関わらないでくれ。
頼むから……。
もう誰も、傷付けたくない。
もう誰にも、傷付けられたくない ――。
涙が零れ落ち、征一郎は両手で顔を覆った。唇をきつく噛んで嗚咽を押し殺し、流れ出る涙を乱暴に拭う。
傷付けられたくない、傷付けたくない。だから、人と関わるのはやめようと思った。それなのに、ここにいる人達はみんな優しくて、何度遠ざけようとしても、歩み寄ってくれる。頑なに拒む事が出来ないのは、征一郎が本当は友達を欲しているから。
……僕の事を受け入れてくれる人は、居ると思う?
心の中にボンヤリと浮かんだ言葉に、征一郎は自嘲気味に笑った。そんな人、いるはずがない。こんな性格の自分を受け入れてくれる人なんて、居ない。
それでも、微かな希望を夢見ている自分は、弱くてズルイ……。
<< もどる
1
…
19
20
21
22
23
…
39
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
Mon seul Tresor
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
雨音響希
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月17日
参加申し込みの期限
2013年12月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!