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寝子島高校
きみと春のはじまりを
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大学の入学式まであと数日。
同じ年頃が前祝いにはしゃいでいようとも、
朝鳥 さゆる
のすることは大きく変わらない。
家事のできない
姫木 じゅん
に代わって部屋を整え、彼女の突拍子もない発案に付き合っては、呆れたり笑ったり。ささやかだけど、数年前には考えられなかった日常が、2人の中で『あたりまえ』になってきていた。
だから、今日も少し遅く起きたじゅんが録画のアニメを見返して、ゴロゴロしている横で献立を考えて……そんな1日になると思っていたのだけれど。
――なぜか、2人は九夜山にいる。
「へぇ~。桜が終わっても、結構キレイじゃない」
寝子島ロープウェイで砂掛谷駅から千年杉の方面へ山道を歩けば、緑ばかりかと思われた中にも白やピンクと様々な花が顔を覗かせていた。スマートフォンを掲げたじゅんは、ご満悦にいくつか写真を撮りながら、特段興味もなさそうにさゆるへ問いかける。
「これ、なんて花?」
「……さすがに、野草を全部は知らないわよ」
サクラソウの仲間じゃないかとか、葉っぱがシソみたいだとか。そんな話をしながら歩けば、じきに目的地へつく。
透明だけど冷たくは感じず、でも風で飛びそうなほど儚くも見えない、不思議な半球体。
遠目にいくつかあるのはわかるけれど、周囲が気にならないくらいには開放的な個室を目の前にして、じゅんは一目散に走り出した。
「すっご! 見てみてさゆる。中もさ、けっこー可愛くない? これはネタになるかも。さゆるも撮れば?」
ドームの周囲をはしゃいで撮影するじゅんに対して、さゆるはどこか緊張を隠せずにいる。
ここへ出かけたことは、『ネタ』になる――つまりは、デートとしてではなく他人に面白おかしく話されてしまう、ということ。
(……そういうことが、必要なときもあるわよね)
この先、大学へ行って最低限人の輪に馴染もうと思えば、ずっと聞き役でいることもできない。まして、入学をするかしないかの頃には、じゅんと同じ店でキャバ嬢として働き始めている。
いくら『プロムナード』が珍しくしっかりした店で、客層も酷くないとはいえ、客商売だ。話を聞いてほしい人、楽しげな話題に触れたい人、それぞれいることを考えると、黙って座っていることはできない。
でも……本当に、自分に勤まるだろうか。
あの人の代わりになろうだなんて考えていなくとも、今までまともに人生を歩んでこなかった自分が、正面から誰かの相手をするなんて。
「さゆる」
気づけばじゅんに手を掴まれ、ドームの中へと誘われローテーブルの前に座っていた。
意外と明るいのに眩しくなくて、空調も整っている環境に、思わずさゆるはホッと息を吐く。もしかしたら、ひなたぼっこの特等席を見つけた猫のような気分かもしれない。
「これ、絶対に今年の秋アニメとかで出てくるよね!」
真っ先に出てきた感想が、実にじゅんらしくて苦笑してしまう。
2人でも十分な広さがあって、可愛い調度品に囲まれて……バスケットには、軽食でも入っているのだろう。ちょうどおやつ時からゆったり過ごすには、良い場所だ。
「漫画とかアニメで出てきそうだから、さゆると見たかったんだよね~」
けれど、なぜか悪戯な笑みを浮かべるじゅんに小首を傾げるのが先で、さゆるはドームの中を見回すのを止めて隣を見る。聖地巡礼、というものには付き合わされたこともあるが、出てくる前に見たいだなんて、どういうことだろうか。
「だってさ、透明だよ? こういう状況下って燃え上がるけど……作品のイメージが付いちゃったら、やりにくくなっちゃうじゃん」
つまり――こんな場所に来てまで、じゅんの脳内は『そういうこと』で埋め尽くされている、と。深いため息を吐いて牽制するような目線を向ければ、慌てたように誤魔化すけれど、彼女には
前科
があるので油断はならない。
「……あたしは、もっとじゅんとのんびり過ごしたいけれど」
今日はプロムナードも休みだから、このまま泊まることだってできる。野草には答えられなかったけど、星空ならいくつか説明できるはずだ。
「なになに、気に入った? 感謝の気持ちは、可愛いオネダリでも大歓迎――」
「たまご」
またじゅんの頭がピンク色に染まる前に、さゆるは言葉を被せる。
「ここが……ガラスのたまごの中にいるみたいだから。たまには、いいんじゃないかって」
過去は消えないし、この先にも多くの人には受け入れがたい関係を貫くとしても。
それでも、2人の未来はまだ育ちきってなくて、柔らかな温もりに守られてる……そんな場所に思えたから。
「たまごねぇ……うん、そうね」
殻の内側では、まだ希望と不安がぐるぐるとうごめいているけれど。
ようやく普通の人のように、人生の始まりに立つことが出来たのだから――きっと、外の世界に羽ばたくときは素敵な景色が見られるだろう。
「ねぇ、じゅん」
始まってもいないことで不安がっても仕方がない。
「なぁに?」
どんなときでも、隣に立つと決めた。
だからもう少しだけ。
「……今夜、晴れるといいわね」
この殻を破るそのときを楽しみにしていてと、さゆるは未来を思って微笑んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月22日
参加申し込みの期限
2025年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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