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寝子島育ちの
綾辻 綾花
にとって、九夜山は何度も登った馴染みの場所。
けれど、
恋人
となった
早川 珪
と手を繋ぎ登る登山道は、今までとは違う景色に見えていた。
「楽しみですね」
頬を緩ませる綾花とは違って珪が落ち着いて見えるのも、ただ年上だからというわけじゃない。大人として抑制しなければならない想いと葛藤し、『今』を大切にしてくれていることを、
先日のデート
で知ることができた。
恋人になってまだ数日だというのに、彼がとても誠実に向き合ってくれていることがわかって、今や2人は順風満帆。その上、今日の目的地であるクリアドームのキャッチコピーが、さらに綾花の胸を弾ませる。
(『春の終わりと、新しい季節のはじまりに』なんて、私と珪さんみたい)
卒業というひとつの春が終わって先生と生徒ではなくなり、新年度という新しい始まりに恋人へ。
2人に誂えたかのような言葉が添えられたドームは、少し視界が開けた先にあった。背の高い木々の間から、柔らかい日差しが洩れているのをくぐり抜ければ目前のそれは、写真で見ていたとおりに中の様子が窺える透明なテントのよう。
そっと扉を開けると、内側からはまた違った景色が広がっていた。透明ではあるのにハッキリ見えないのが不思議で、綾花はキョロキョロしながら腰を下ろす。
「自然はぼんやり見えるからか、開放感がありますね」
「うん……まあ、そうだね……」
歯切れの悪い返事をした珪が、躊躇うように隣へと腰を下ろす。一体、どうしたんだろうかと周囲を確認してみれば、2人が腰掛けているのはソファではなくベッドだった。
(えっ!? だってここにテーブルが……)
もしかして下に座るべきだったのかと思ったが、今更座り直すのもおかしい気がする。綾花は気づかなかったことにして、手早く2人分のお弁当を広げると、お茶の用意に入った。
「珪さんに食べてもらえると思ったら、早く起きて頑張っちゃいました」
ちょっぴり顔が赤いのも、美味しいって言ってもらえるか緊張しているということにして。彼がお花見弁当のようにカラフルなおかずたちを覗き込んでいる間に、お茶も手拭きも準備を終わらせる。
「いつもありがとう。今度はせめて、飲み物だけは僕が用意するよ」
「そんな、私がやりたくてやってるだけで」
「うん。僕も綾花さんを喜ばせることをやってみたいから……ね?」
家事は苦手だけれど、それくらいならと笑う姿を見て、綾花の脳裏に一種の共同作業かもという言葉が浮かんだ。
今は同じ部屋に暮らしているわけではないけれど、それでも同じ時間を思い、互いを思ったものを持ち寄り彩るのは、なんだか素敵かもしれない。
「それじゃあ……」
お互いの好みを少しずつ知って、お互いのためを思って準備する日を待ち遠しく思って。ドームにうっすらと映る桜を見ながら食べるお弁当は会話も弾み、美味しいと笑う珪はほんの少し可愛く見えた。
さて、弁当も食べ終わったが――何をしよう。
このままベッドに転がって風景を楽しむのもいいけれど、まだ明るいうちから寝転がるというのも恥ずかしいし、万一早起きをした影響で昼寝でもしてしまったら、彼と過ごしているのにもったいない気もする。
腹ごなしに散歩に出るのも悪くないけれど、せっかくこうして2人きりなのだから、もう少しだけ寄り添っていたい。
じっと期待するように眺めれば、彼は小さく咳払いをして目を逸らす。何かを言いかけては綴じられる口元からは、緊張と葛藤が見て取れた。
(……今なら届くのに)
恋人になった。でも、彼は自制して積極的に触れてこない。その寂しさに、綾花は去年のクリスマスを思い出した。
届きそうだったけど届かなかったあの距離は、今踏み込めばどうなるだろう?
まだ困らせるか、ここなら2人きりだから受け入れてくれるか……わからなくて、躊躇ってしまう。
卒業して、同じ場所に立てたと思っているのは自分ばかりなのかという焦りと、好きな人に好きと言いたいだけの止められない欲求。綾花は心の中で少し背伸びをするように、そっと珪へと唇を寄せた。
甘えるように肩口あたりに顔を寄せ、優しく鎖骨へと口づける。
まだ唇へは躊躇ってしまうけれど、『あなたを信じて、委ねたい』という想いを乗せたキスは珪へ届いただろうか。甘いようであのときとは違った覚悟を込めたキスは、どう感じただろう。
「……珪さん、大好きです」
照れるけれど、伝えられることの嬉しさが勝った。
伝えたい気持ちは、全て彼に受け取ってほしいから、ドキドキとうるさい鼓動も心地よい気がして。
(でも、やっぱり――少し、恥ずかしいかも)
膨らんでいく感情にどうしていいかわからなくなって、綾花は珪の腕に思い切り抱きついた。その衝撃で、固まっていた珪もろとも2人はベッドに倒れ込む。
「ご、ごめんなさ……っ」
慌てて起き上がろうとした綾花を抱きしめ、珪は無意識に彼女のうなじへ唇を寄せていた。
怪我がないよう庇ってくれただけかもしれないし、意図的に髪の間へそっと埋めるようにキスをしたのかもしれない。
どっちだろうかと考える綾花に苦笑して、珪は腕をほどき、代わりに手を握り返した。
「まるでさ、春が応援してくれているみたいだよね」
2人並んで見上げた天井は、キラキラと輝いて青空を透かしていて、雲の上で寝ているようだ。
ドームの中ではドキドキの音も、ふたりの笑い声も、やさしく反響する春の空気が満ちた場所。
「僕も好きだよ、綾花さん」
まだ大きな一歩は踏み出せないけど――これからも支えたい気持ちは、多くの言葉よりキスにこめて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月22日
参加申し込みの期限
2025年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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