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きみと春のはじまりを
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クリアドームへとたどり着いた
ウォルター・B
は、隣で撮影に興じている
稲積 柚春
を見て、とても不安そうな顔をしていた。
「……本当に大丈夫? 具合、悪くなったりしてない?」
「心配しすぎだよ。ちゃんと負担のない道で来たじゃない」
この九夜山の中腹まで使ったロープウェイは、車で山道を走るよりスムーズだったし、そこからクリアドームまで土道だってなだらかで、何ひとつ負担はなかったと柚春は笑う。
それでも心配だという彼の顔は、致し方ないのかもしれない。――柚春は、妊娠しているのだから。
「こればっかりは、言ってもらわないとわからないんだから。異変があったらすぐ知らせるように」
「はぁい」
元気の良いお返事と共に、クスクス笑って彼の腕に抱きつく柚春は、彼の愛情深さに感謝しながらドームの扉を開けた。
透明のテントのような作りだからか、ガラスの温室のようにキラキラ輝く日差しを浴びて、調度品たちも輝いているように見える。だからこそ、何にでも好奇心旺盛なウォルターが、普段の忙しさを忘れて楽しんでくれるだろうと思っていたのだけれど。
(確かに、早く父親としての自覚を持ってくれたらなとは思ってたけど……)
いつもならはしゃぐ彼も、安全を確認するように設備点検し、柚春の身体を冷やさぬようブランケットやクッションを抱え、特等席を作ろうとしている。
その一生懸命さが嬉しくて、可愛くて……自然と笑みが零れてしまうと同時に、もう少し息抜きも楽しんでくれたらな、とも思うわけで。
「僕の特等席なら決まってるよ!」
胸元に抱きつけば、彼は驚いたような顔をするけれど。来年には取られているかもしれない特等席の心当たりを思い出してくれたのか、照れくさそうに笑った。
彼の膝の上にのって、感謝と幸せを伝えるキスをする。
景色も楽しまないうちからこんなこと、呆れられていないだろうか。
「お腹の中も、こんなドームみたいかな?」
まだ目立ちもしないお腹に、ウォルターの手を導いてみる。妊娠初期の今は、その手に伝わってくるものはまだないけれど……きっと、この2人の鼓動だけが聞こえる温かで静かなドームと同じようなゆりかごの中で、いちばん小さな目を輝かせている気がする。
「そこも、幸せな空気に満ちているといいねぇ」
確かにそこにいるとウォルターも感じて、優しく柚春のお腹を撫でる。
額に、瞼にとキスをして、この愛情が小さな命にまで届けと言わんばかりにウォルターが幸せそうな顔をするから、柚春も幸せそうに笑って、ちょんっと鼻先を合わせる。
「……ねぇ、パパ?」
それは、からかい半分、照れ隠し半分。
今からこんな調子では先が思いやられると呆れつつ、変わらず愛してくれることが、嬉しい。
「お昼にしよっか」
このまま空を眺めることなく過ごすのもいいけれど、お昼も心待ちにしていたから柚春はペコペコだ。
するとウォルターは、柚春を座っているように言い聞かせて、箸やお茶などの準備をしようと――不器用ながらも一生懸命に準備してくれた。
「そこまでされると、僕のすることなくなっちゃう」
「いいんだよ。柚春が動くのは、安定期になってからで」
当分先だなと笑いながら、柚春はおにぎりを指さして甘えるように口を開く。
今日の献立は、
メアリ・エヴァンズ
が妊婦に良いメニューを小分けにして持たせてくれた。だから、ちょっといびつなおにぎりは、家事の苦手なウォルター渾身の作であることが明白だ。
「えぇ、これからいくのぉ?」
それでも、妻のご所望とあれば腹をくくるしかない。ウォルターは塩加減、上手くいってますようにと願いながら、柚春の口へと運んだ。
「うん……、ふふっ。ワットの頑張りが詰まってて、美味しいよ?」
少し照れたようにはにかんだウォルターは、次は何を食べさせようかと弁当箱を見ている。その真剣なまなざしに、柚春はどこか言葉に出来ない不安を抱えて彼の袖を掴んだ。
「……今日はまだ、ワットでいてね?」
「え?」
「ほら、もう病院とかでは『パパ』って呼ばれてるし」
それが嫌なわけじゃない。
男性は身体の異変が起こらないため、親としての自覚を持ちにくいのもあって、そういう呼びかけをすることがあるらしいし、現に彼は不器用ながらに柚春を気遣ってくれる。
「1人じゃ、ママになれないんだからね?」
何気なく聞こえるように笑って言ってみたけれど、不安もたくさんあった。
彼に限ってとは思っているけど、早い妊娠を面倒に思っていないかとか、親になる覚悟はあるけれど、まだ恋人のような時間も過ごしたいと考えてしまうのはわがままだろうかとか。
きゅうっと袖を掴む力が強くなって、ウォルターは箸を置く。そのまま優しく柚春を抱きしめると、何かを誓うように額へ口づけた。
「柚春はね、いつになっても柚春だよ。ママを頑張ってるときも、疲れて甘えたいときも……どんな君も、僕の愛した柚春だ」
それにね、と区切って額を合わせると、ウォルターは真面目な顔をして柚春の瞳を覗き込む。
「パパだって、1人じゃなれないんだ。君や子供に教えられて、ようやく面目が保たれるようなさ、そんなところもあると思う。……だからね、柚春はどーんと僕にこうして乗っかればいい。子供ごと僕が抱えてあげる」
「……うんっ!」
年上だからと、彼は恋愛になれてるわけじゃない。子育てが初めてなのも同じだ。
それでもこうして包んでくれる――まるごと全部、大きなゆりかごのように。
キラキラと降り注ぐ陽光の中でするキスは、お日様のように暖かで、雲のように柔らかな、優しい春の味。
いつまでたっても2人は、恋人の心を忘れずに――爛漫の愛を、咲かせている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月22日
参加申し込みの期限
2025年05月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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