this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム /
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
桜の余韻。もう一度だけ、ありがとうを。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
そうして盛り上がる会場を、
朝鳥 さゆる
は遠目に眺めていた。
元々、少し顔見せ程度に来たのだ。時間を惜しんで積極的に挨拶するつもりもなければ、誰かのように端から料理を食べようなどとも思わない。
(……これって、体よく口実に使われただけじゃない?)
さゆるが1人だと行かないだろうから、なんて理由までつけて同行を買って出た
姫木 じゅん
は、何を食べようか吟味しながら料理の並ぶテーブル前を歩いている。だからこうして、壁の花でいることを咎められないのだが――まあ、代わりに楽しんでくれているなら何よりだ。
(後悔、か)
明確にそう言ったわけではないけれど、じゅんは「こういうのは行っといた方がいいよ」と勧めてくれた。それが桜栄家という豪邸見たさや、料理に釣られてな気持ちが少なからずあったとしても、声のトーンから本心を察することはできる。
たださゆるの気持ちはといえば……本当は、顔見せすら出席するつもりもなかった。
深く親交のある友人やOGが来るでもないし、教師だって……詳しくさゆるを知る者はいないはず。
出席日数の都合で留年して、校外の素行は知られないようにしてきた。心を閉ざしていたのは自分なのだから仕方ないけれど、改めて挨拶をしたいかと言われると、それもない。
(あたしなんかに言われたってね)
大学にはきちんと進学するけれど、この春からはキャバクラ勤めも始める。いくら『プロムナード』がしっかりした店だからといって、お金に困ってもいないのに「キャバ嬢になります」と言って笑顔になる大人は少ないはずだ。
それでも、『いない』と断言をしないのは……こんな自分にも関わろうとしてくれた人を知っているから。
(……来てる、だろうけど)
探そうかと思って、諦める。慕われたあの人は、きっとたくさんの人に囲まれて忙しいはずだ。
つい俯けば、もう着ることはないと思っていた寝子高の制服が目に入る。服装も自由な会だったけど、やっぱり大きな会だから正装した方がいいのではと、これもじゅんの勧めがあって袖を通した。
留年していることを差し引いても、さゆるは元々実年齢よりも大人びた顔立ちをしている。その上、硬質な美貌の持ち主ともなれば、制服の似合う清楚可憐な年代からはかけ離れているように思えてならない。
(最後の最後まで……似合わないんだから)
制服も、こんなところに足を運んでしまったことも。
それでも、今は『昔』とは違う。逃げて、誰かの言いなりに流されて、傷を負っていたあの日とは……違う。
だから、さゆるは顔を上げる。
壁の花でも花であることには変わりなく、目をとめてくれる人はいるかもしれない。
今はまだ、自分から声をかけることは難しくても――今日を、後悔で終わらせないために。
黙々と仕事をこなす愛は、先ほどすれ違った柚乃の様子が頭から離れなかった。
口先だけはいつものように冷静だったし、会場全体を見渡した的確な指示だったと思う。けど。
(……具合でも悪いとか?)
手伝いに駆り出されている人員には、自分のように見知った後輩もいる。そんな中で弱さを見せるのは、柚乃には少し難しいかもしれない。
それなら――と、柚乃を探しかけ、愛はハッと踏みとどまる。
(別に、浅見先輩は……私じゃなくても)
新キャプテンにも選ばれた人だ。慕っている後輩もいるし、彼女の異変に気づく人だっているだろう。
わざわざ嫌っているような相手から心配されるだなんて、御免被りたいのはわかっている。
(私だって、浅見先輩のことは……苦手だし)
嫌われているからなのか、元々だったのか。
今では苦手どころか、いよいよ限界に達しつつあるほど交流を避けたくて、正直に言えば、バスケ部の練習以外ではできれば顔を合わせたくない。……けど、さすがにこの場で無視を続けるのは、ひどく子供じみている。
(……そう。後輩で、同じ寮で同じバスケ部のよしみなだけで、別に)
特別な理由なんてあるわけがない。
そう言い聞かせて柚乃を探そうと会場に目を向けると、桜の花びらが舞っているように見えた。
このホールから続く庭園のものが入ってきたのかと思うには不自然で、愛は諦めたように目を伏せる。
(まだ、私を苦しめるの?)
卒業式の日
に見た、奇妙な映像。否定するごとに鮮明に迫り来るそれは、まるで未来を告げているといわんばかり。
ありえるはずがない。
愛を心底嫌っている柚乃と、柚乃に苦手意識を持つ愛が、どうして愛し合うことになるのだろうか。
(互いに嫌い合いながらも、否、それが故に互いを求めあう、なんて)
そんなもの、現実にはあり得ない。それはフィクションの世界でしか、ありえない……はずなのに。
だったらどうして、この映像を気にしてしまうのだろう。遠い世界のひとつとして、切り捨てられないのだろう。まさか、かけらでも意識し期待する心が自分のうちにあるとでも?
そのまま沼に引き込まれそうになる思考を、愛は振り払った。
すぐに桜の幻は消えて、パーティの喧騒も明確に感じられ安堵する。けれど、先ほどの自分と同じように目を伏せ考え込む柚乃の姿が見えたとき、自然と足は歩み進めていた。
「気分が悪そうだけど、大丈夫?」
ハッとしたように顔を上げた柚乃は、忌々しいものを見るような顔で愛を一瞥すると、何事もなかったように姿勢を正して表情を繕う。
「いえ、なんでもありません、大丈夫です」
しかし、そこには普段ほどの棘がなかった。勢いというか、拒絶というか……そういうものより、感じるのは動揺と恐れ。
嫌いな相手に弱みを見せたくないのはわかるが、こんなときまで無理をしたって仕方がないだろう。
「大丈夫そうに見えない」
愛は短くそういって、柚乃を強引にバックヤードに連れて行く。
付き添う必要はない。ただ少し、おとなしく座ってくれるのを見届けさえすればと、腕を掴んで。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
桜の余韻。もう一度だけ、ありがとうを。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年05月16日
参加申し込みの期限
2025年05月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年05月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!