【七夕】飛べ、天の川！　ラブラブ♪ランデブー！｜リアクション

【七夕】飛べ、天の川！　ラブラブ♪ランデブー！

【友人が一堂に会せば】

「遅くなってごめーんっ！」
　桃原空音は遅刻寸前で仲間と合流することができた。
「空音っち、心配したんだよぉ？」
　夢宮瑠奈は林檎飴片手に眉尻を下げていた。
「この人出だ。はぐれないようにしないといけないよ」
　旅鴉月詠は今日もスケッチブックを脇に抱えながらフランクフルトをモグモグ。
「特に他意はない」
　そういうことらしい。
「真央ちゃん待ちきれなくてオヤツ補給してたのだ食キングは１日してならずなのだ♪」
　後木真央は既に両手に抱えきれないほどの出店の戦利品を貪っている。
　いや、両手の指の間に綿飴、イカの串焼き、団子、クレープなどを器用に挟み、腕にはたこ焼きをぶら下げているではないか！
「やっとエンジン温まってきたところなのだ今からが本番なのだ！」
　後木の食欲は今日も底なしのようだ。
「偶然出会えて驚いているでござる」
　どっからどう見ても色っぽい女性の容姿の夏神零。
　れっきとした彼女持ちのリア充（♂）である。
「拙者の彼女を見掛けなかったかな？　拙者の不注意ではぐれてしまったのだ……」
「おっと、それは大変だな！　俺たちも探そう、な、みんな！」
　今回の（外見上）黒一点である冴木竜司は、夏神の彼女を探すことを提案。
　天の川も雲に隠れてしまった以上、晴れるまで夏神に協力することに。
　そこへ浮舟久雨、邪衣士、浮舟にプレゼントを渡そうと執念で探していた畑生言嗣まで合流する。
　更に夢宮と待ち合わせをしていたという天満七星もやってきた。
「随分と賑やかでございますね」
「そうだな、祭りのせいか今夜は大所帯だな」
　浮舟、クールさを保とうとするが、親しい桃原たちの前では口元がどうしても緩んでしまう。
「久雨君、嬉しそうだね？」
　畑生の言葉に「悪いか？」とクールさを取り戻す浮舟である。
「……なるほどな、夏神の彼女を探せばいいのか」
　邪衣はすぐさま行動を開始。
　……しようとしたが、その場にいる全員に止められた。
　理由は「これ以上迷子を増やすわけにはいかない」という……。
「なんで俺が迷子になること前提で話が進んでるんだ……？」
　解せぬ、という顔付きの邪衣。
　周りは「だって特技が迷子だし」と同意見を出していた。
「皆、かじけない。手分けをして探すでござるよ。見つかったら連絡してほしいのじゃ。連絡先を交換するでござる」
「一気にお友達が増えたねぇ」
　夢宮はスマホのアドレスを眺めて嬉しそうだ。
　浮舟も口角がピクピク動いているが、クールであろうと必死に取り繕っている。
　そう言って彼らは互いの連絡先を教え合ったあと、散り散りに分かれていく。
　……慌てる夏神の後ろ姿を、青龍の浴衣を来た少女がじーっと見詰めていた。