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九龍 シーサイド・アンダーグラウンド
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【矜持】
拳が頬へと食い込む。熱さをともなう衝撃が口内へ弾け、火花は
京極 花音
の脳髄へと駆けあがり後頭部へ抜けほとばしった。
「いい加減、くたばれっての!」
「ぐ……」
やみくもに、しかし鋭く反攻の拳を突き入れると暴漢はのけぞり吹き飛ぶも、焼石に水というものか。連中は徒党を組み、暇を持て余していた。同様の輩がここらには多数群がっているらしい。
無造作な蹴りをひとつ避けるも続くボディブローを防ぐことはかなわず、みぞおちへ苦悶が重く鋭く広がってゆく。すえた液体を口から吐き捨て、もう再度の反撃を試みるも空を切る。かわりに数倍の拳が降りそそぎ、花音は地へ沈む。
それでもなお意識ははっきりとしている。思考はめぐる。意識を手放してはならない、決して。その瞬間がすなわち、
暁月 静
の命運をも決定づけることとなるからだ。
「ちっ、頑丈な野郎だな」
「面倒くせえ。おい、もう行こうぜ。財布でももらっとけ、それで十分だろ」
「うるせえ! こいつ、この目つきが……むかつくんだよ。女連れてよ。あ? ニラんでたろ、俺のこと。馬鹿にしてたんだろ? その女と笑ってよ、なあ、おい」
「もう、やめてください! 京極さんが……京極さんが死んじゃう!」
もう数発の殴打を浴びながらも蹴りを一発返してやる。なんと無様か。あの清楚で朗らかで、花が似合って、いささか抜けていて、いつだって笑みを崩さなかった彼女にこんな顔をさせてしまうとは。情けなさに、真っすぐにこちらを見据える彼女の瞳にたまらず、花音は目を伏せた。しかし告げた。
「……だい、じょうぶ……ッスよ。こんくらい、なんてことねえッスから……」
「こいつまだ元気じゃねえか。おい、コラ、来いよ。やり返してみろよ、オラア!!」
「おい、いい加減にしろよ。この前もひとりパクられたとこだろ。そのへんで切り上げて……」
「うるせえ!!」
側頭。レバー。肩口、腿、背に叩きつけられたのはなにか棒のようなものか。
「京極さん!!」
ああ。そんな顔をしねえでくれ。花音はうめく。衝撃が肺から呼気を絞り出す。視界がぶれ、強引に身を起こされてはふたたびコンクリートを舐める。口内には鉄錆の味が広がった。
機を待っている。花音や静とてこんな場所に用はないのだ。少しばかり迷い込んでしまっただけだ。そこで後ろ暗い者たちに目をつけられたのは不運としか言いようがないが、であれば付け入る隙もあろう。
いざとなれば。いざとなれば、だ。己の正体をさらし、巨狼の牙と膂力をもって蹴散らしてもいい。今日はこのあと雨の予報だし、曇天は厚く垂れこめつつある。傘を構えることもなく降りだした瞬間、静との今の関係性は終わりを告げてしまうのかもしれないが、背に腹は変えられない。彼女にくだらない輩の手がおよぶよりはよほどにいい……彼女自身に怯えられ、疎まれようともだ。
「京極さん……」
ひとりに肩をおさえられ身動きを封じられた静は眉根を寄せているが、震えたり臆する様子はない。実に気丈な……いやあるいは、荒事にも彼女は天然を貫きとおすのだろうか。いや。
「京極さん。わたしのことは気にしないで。あなただけでも逃げてください」
花音を案ずるがゆえ。それ以外には目に入らぬとばかり、純粋にして無垢な思いを抱くのみ。それだけのこと。自身が眼前の男たちにいかなる暴虐を受けるかなどと、想像もしていないのだろう。
「気にしないで、ってか……? んなわけに、いかねえッスよ……自分はっ」
「うおっ、なんだコイツ!? きゅ、急に力、強っ……」
内に隠していた余力を解放する。
ぎろりと視線をめぐらせる。相手の人数は十余名だが、彼らがふたりを呼び止めて暴行を初めてからとうに、十数分が経っている。目の前の、軽薄な金色に髪を染めた男はやけに花音を殴打することに執着しているが、場はすでに白けていて、囲む者たちは退屈を持て余している。それにシーサイド九龍の暗がりに身を寄せるとて、誰しも荒事を好むわけではない。態度の大きい金髪男に引きずられるままこの場に居合わせただけだろう。時おりイベントごとのように展開する暴力は彼らの興味をひと時惹くが、熱狂がそう長く続くこともない。その程度の薄いつながりをもって集まった面々なのだろう。
花音はそう読んだ。
「……おい」
「あ?」
花音が声をかけたのは金髪ではなく、この男の相棒らしきメッシュ髪の男だ。金髪よりいくらか年は上か。暴走しがちな相棒のブレーキ役といったところだろう。
「こいつぶっ飛ばしたら、俺らは帰るぜ。いいよな?」
「あー? ああ……そうだな。いい加減飽きてきたしな。それでいいぜ、好きにしろよ。」
「おいてめ、なに勝手なこと……!」
勝負、というほどのものでもない。鋭いボディ一発、金髪男は胃液を吐いて倒れ伏し、メッシュ髪がつまらなさそうに手を振ると、解放された静は花音の胸へ飛び込んだ。
「京極さんが無事でよかったです」
「あんまり無事ではねーッスけど……」
病院で手当てを受け、包帯をぐるぐる巻きに巻かれたが骨折などは幸いなかったようだ。
静は今さらながらに少し肩を震わせながら、花音の胸へこつんと額をあずけ、ぽつりとつぶやいた。
「……ありがとう。京極さん。私のために、ごめんなさい……ありがとう、ございます……」
その小さな肩へと手を添えるべきか否か、花音は大いに惑った。惑った末に、両手ははかなげで華奢な背中へとおっかなびっくり回されたのだが、気の利いた声をかけるにはいたらなかった。あの窮地を脱するほうがいくらか楽であったと、花音の顔は赤く茹で上がった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年04月20日
参加申し込みの期限
2025年04月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年04月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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