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九龍 シーサイド・アンダーグラウンド
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【天上の夢】
あらゆるモノが売買され、手に入るという。シーサイド九龍、その一画に煌々とぎらつくネオンを掲げた、とあるクラブの話だ。
金。女。酒に薬。ギャンブルのスリル。銃。『洗浄』業務はことに好評だ。一度店の中へと取り込まれれば盗品も、黒服たちの持ち込んだ後ろ暗い金も、人間の肩書きさえも真新しく漂白される。戸籍は人気商品のひとつなのだ……とは周辺にたむろする者たちの間でまことしやかに語られる噂である。
「おっ! 今日はアリサが踊ってるじゃん」
「ラッキー。へへへ、かぶりつきだぜ~」
真境名 アリサ
もまた店の扱う品物といっていい。芸を売り、女を売るのが仕事だ。それだけではないところが、彼女がオーナーにとっては有益である理由なのだが。
「あら、また来てくれたの? おふたりさん。最近はぶりがいいみたいじゃない?」
「いやあ、まあ、ちょっと臨時収入がな……」
「それよりアリサ、今日こそお前をひと晩買うぞ! もう予約済みなんだ、へへへ」
「へえ、そう? ま、そう慌てずに。もうしばらくは、美味しいお酒とあたしのダンスを楽しんでいて。ね? 夜は長いんだから」
ポールに足を絡め、アリサは時にゆるやかに、時に激しく舞う。アリサが踊るステージは常に盛況だ。トップモデルもかくやと素晴らしく整った肢体や美貌を、もはやなにも身につけていないも同然の煽情的な衣装でさらけ出し、振りたくり、汗をまとわせ艶めく肌を朱く上気させる彼女はクラブの淫靡な舞姫。男も女も、ひとたび踊れば見惚れずにはいられない、凄絶な美はまぎれもなく、アリサの持つ最大の武器と言えた。
「いいぞ、アリサ!」
「もっと腰をくねらせろよ、なあ!」
「くそっ、たまらねえ。俺もいつかはアリサを買ってやる……ああ、ちくしょう」
下卑た男たちの声にアリサも紅潮する。
アリサが店へ流れついたのはいつのことだったか。在るべくしてここに在る、そう自負している。ここでの仕事は天職と信じる。男たちはアリサを求め、アリサもまた男たちを求めずにいられない。血走った目で食い入るように見つめられるたび、野卑な声で煽られるたび、アリサの内にくすぶる熱が炎となり、燃え盛るのだ。足を振り上げ胸を揺らし、髪を振り乱し腰を回し、そのたび信じられないほどにたかぶるのだ。
ああ、今日もまた。
「これで……フィニッシュよ!」
絶頂とともに最後のひねりを決め、アリサのステージは幕を下ろした。
「ふふ。さ、いらっしゃい」
アリサの指がベッドへいざなうと、男たちはシャツを脱ぐのも億劫そうに飛びついた。ふたりまとめてというのは稀だが、アリサの仕事が狂うことはない。
「ははは。待ってたぜ、この時を……」
「アリサが抱けるなんてよ。俺らにも運が回ってきたってもんだ」
まさぐる手に遠慮はなく、作法もない。アリサの芯を熱くさせることもないが、それでも全てを受け入れてやるのがアリサのやり方だ。よがる様さえ演じてやった。
「はあ、はあ……ああ、たまらねえ」
「アリサ。アリサ……」
「こーら、がっつかないの。ゆっくり楽しみましょ、ね?」
果てゆくものに最上の快楽を。アリサなりの、いわばそれが手向けなのだ。
スマホを手慣れた指さばきでなぞり、番号を呼び出しタップする。
「……もしもし? ええ、終わったわ。いつもの部屋、数は2。ええ、そう。後片づけをよろしくね」
通話を切ると窓を開け放ち、裸身を夜気にさらしながら煙草に火を点ける。ひとつ大きく息を吐いた。いつものことだ。この瞬間ばかりは胸中に複雑な思いが駆けめぐる。
誇るものもない男ふたり、彼らなりの一念発起というやつだったのだろう。夜の街の天上に瞬くきらめきを己が手につかむべく、彼らは分不相応な翼を背負い果敢にも飛び立った。手管はずさんもいいところだし、そもそも下っ端ヤクザごときが組の金に手を付けようなどと、正気の沙汰ではない。本当に逃げられるとでも思ったのだろうか?
ともかく彼らは、夢を見た。
「がむしゃらなのは、嫌いじゃないけどね」
幸せそうに事切れている彼らを振り返り、煙をふかした。鉛玉を腹に撃ち込まれる苦悶と比べれば幸福というものか。たしかに組の手のとどかぬここ、シーサイド九龍へ逃げ込んだのは、彼らの下した数々の愚かな決断の中でもマシな選択だったと言えるだろう。
「でもさ。死んじゃったら終わりだよねー」
煙とともに冷たい息を吐く。窓から階下の喧噪と歌声が届く。今日はなんとかいうシャンソン歌手が歌っていたはずだ。特段の美声というわけではないが、死者への鎮魂歌と思えば上等だろう。
アリサは街の明かりを、魅入られたように眺める。
この街を支配するルールは単純にして明快だが、冷酷で残忍でもある。アリサはそれに迎合することで生きのびてきた。それが当然と思い日々を過ごしてきた……夢見ることもなく、平坦に。砂のように味気なく……いや、思えばポールにつかまり踊っているあの瞬間、全身に帯びる熱だけは悪くなかったかもしれない。
男たちを振り返る。
「……夢を見るのも悪くない、かもね?」
ちょうどやってきた掃除係の仕事を横目にシャツとジーンズに着替え、部屋を出てシーサイド九龍を後にする。
どこへ行こうか。しばし考え、ゆっくりと歩き出す。どこでもいい。街は広いのだから……アリサは肩を揺らして笑うと、夜の帳の向こうへ消えていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
ホラー
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年04月20日
参加申し込みの期限
2025年04月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年04月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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