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No Matter What
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シャケおにぎりとペットボトルのお茶というわびしい食事を終え、陣は学内の書店に入っていた。
文系学部付近の書店なので専門書も多い。足は自然、商学部関連の一角へと向かっていた。
自分の背より高い本棚を前に圧倒される。ラインナップの数々に打ちのめされそうだ。
ざっとタイトルを読んでいくだけでクラクラしてくる。『取引循環概論』、『企業間決済の理論と実務』、『財務諸表分析の基礎構造』、『国際貿易法の体系的アプローチ』、『マクロ経済下での市場取引戦略』……どんな内容なのか想像すらつかない。『商取引法への招待──初心者向け』と書いてある本ですら、めくってみると序文あたりで専門用語が大量に押し寄せたちまちチンプンカンプンだ。どんな初心者を招待しようというのか。
いまさらながら、自分の専門知識ゼロっぷりを思い知った気分だ。
陣は気になる本を棚から引き抜きいちいちたしかめてみた。バイトの経験で一部なんとなくわかるものもあったものの、フィーリングで覚えたものが具体的な勉学知識に変換できるかというと怪しかった。
くぅぅ、寝子高に商業科があったらよかったのに……後悔先に立たずぅ……っ!
進学先を寝子高にしたのは、なんとなく楽しそうだったから。いやもっと正直に告白すれば、やりたいことや目標なんて皆無だったからだ。目的もなく普通科でのんべんだらりとすごしていた陣だが、高三でようやく、トレカメインのホビーショップをやりたいと思うようになった。目ざめのきっかけはおそらく、ホビーショップ『クラン=G』店長の
三佐倉 杏平
と知りあい、彼の店でアルバイトをするようになったことだろう。彼の娘、
三佐倉 千絵
と知り合ったのもその頃だ。
夢を実現すべく商学部の学生となった陣だが、今後のことを考えると暗い気持ちにもなる。
僕の商学部スタートは他の人、主に商業科卒より何周も周回遅れなんだなぁ。
でも、やるしかない! 陣はこれからの四年間を、勉強にガッツリ捧げる覚悟だ。経営者が変わったとはいえ『クラン=G』のバイトだってつづけている。これからは大学と自宅、バイト先の三カ所をグルグル回って、理論も実店舗の経験もガンガン積み上げていく日々になるだろう。さっそく今日、午前中の教養科目『経済行動の心理学』の講師が商学部の准教授だと知ったから、講義の質問ついでに研究室へ突撃するつもりだ。
講義終わりに准教授を直撃してアポ取っちゃったし、遠慮なんていらないはず……なんだけど。
商学部の薄暗い廊下で、陣はゴホンと空咳した。
いざ研究室のドアを前にしたら、なんか喉カラカラになってきたぞ。
そういえば僕……初対面の人間とはよく話せない性分なのにいきなり教授、いや准教授か……にいきなり話しかけてたな。我ながらすげえ勇気だったかも。『クラン=G』での接客経験がちょっと効いたってことかな?
手は震えているけれど、ここでビビって帰れやしない。よし、行こう!
ためらいがちに三度ノックする。ノックしてしまってから気づいた。
入室のノックって二回が常識だっけ!? 三回ってトイレ用とかじゃなかった!? なんかMewTubeで、ウサン臭いマナー講師がそんな講釈たれてた気がする。目線の高さで叩けとか、インチキっぽいルール押し付けてくるやつ! ああもう、やっちゃった後に思い出しても遅いって!
「どうぞ」
内側から声がした。陣は背筋をしゃんと伸ばして「し、失礼しますっ」とドアを引く。声が裏返ってしまった。
陣を迎えたのはコーヒーと紙の匂いだった。ゲーミングチェアに似た大きな椅子に准教授が座っている。
だがその様相は想像とは全然ちがっていた。
研究室は整然どころか混沌そのものだった。床には書類が雪崩みたいにうず高く積もり、デスクには印刷物や本、メモにバインダーがひしめき合っていて仕事に使えるスペースなんてゼロ、しかも端きわきわの位置には汚れたコーヒーカップが複数重なって、バランスゲームの塔みたいにそびえ立っている。本棚もぎちぎちに本が詰めこまれており、一冊抜いたら数冊まとめて落ちてきそうに見えた。壁のホワイトボードは半分消えたマーカーと付箋で埋め尽くされ、重みで斜めに傾いている始末。部屋の隅には謎の段ボールが山になってて、ホコリで白くデコレートされていた。
そんなゴチャゴチャのど真ん中で、水をかぶったみたいに艶っぽい女性がデスクに腰かけていた。
「ん? ああ、一限目のあと話しかけて来たキミね」
それが
円山 真彩
(まるやま・まあや)、商学部の准教授で、たぶん三十代だ。肩まで伸びた黒髪は少し乱れ、前髪がサラリと右目を隠している。シャツの胸元は大胆に開いていて、ボタンがひとつ外れているせいで、鎖骨どころか谷間までチラリとのぞいていた。足を組んだ太ももはタイトなスカートから無防備に飛び出し、だらしないのに妙に目を奪う色気をはなっていて仕方がない。
「入って入って、座るとこないけどねー」
左手のコーヒーカップに口をつけ彼女は笑う。声は低めで、気だるいのに妙に耳に残った。
陣は目をどこにやればいいか分からず、床の書類に視線を落とした。
……さっきの講師ってこんな人だったっけ!?
焦るほかない。明るい場所で見たせいか、もっと地味な印象があったのだが。
期せずして彼女と密室(荷物が多いので必然的にスペースも狭い)でふたりきりになってしまったわけで、部屋に入る前より陣の緊張は高まった。
「そ、それでさっきの授業内容ですがっ」
「あー、はいはい。テキスト持ってきてる? うんそれ、見せてみ」
「えっと、講義の質問で……」
「だったよねぇ。何が知りたいの?」
隠れた彼女の右目越しに、ゾクッとする視線を陣は感じた。
一通り質疑応答が終わると、「それにしても」と真彩は言うのである。「キミ真面目だねぇ。一年のしかも四月じゃない? ほら、他の子たちはサークルとかで遊んでるのも多いのに、初回の授業からわざわざこんなとこまで来ちゃってさ。どうしたの?」
フーッと気だるげに真彩は息を吐いた。しかしなんとなく楽しそうである。
「いやぁ……僕、高校の頃って無軌道に過ごしちゃってたんで、そのツケ払ってるようなもんなんですよね……」
「へえ、ツケかぁ。えらいじゃん、追いつこうってさ」
彼女はコーヒーカップを置いて身を乗り出す。胸元がさらに開いて、陣は目をそらすのに必死だ。
「追いつくために勉強とバイトで手一杯ッス。そもそもサークルとか、ハードル高すぎなんで……」
最後はボソッとつぶやいた。真彩はクスクス笑って言う。
「サークルがハードル高い? なんでー?」
「そういうのは、もっと熱血というか、陽キャの世界であって……あ、陽キャというのはですね」
「陽キャの意味ならわかるよ。じゃあ何? キミ、陰キャってやつ?」
真彩が前髪をかき上げると、今度は左目がサラリと隠れた。
「そうです。陰キャです」
否定はしない。即答した。
ところが真彩は右目だけでニヤリとしたのである。
「でも熱血ではあるよね?」
「いや、陰キャで熱血っておかしくないですか……?」
「ないない」
真彩はクスクス笑いながら足を組み替えた。スカートの裾がさらに上がって、陣の心臓がバクバクする。
僕、歳上とか好みじゃないって。歳下、ほら、紅みたいな小生意気でサバサバした感じのほうがずっと好みなんだって! 紅みたいな、ていうか
芋煮 紅美
の、あのニヤッとした笑顔のほうが……って、うわ!
陣は心の中で自身に必死に言い聞かせるが、真彩のフェロモンにやられたのか動悸が全然止まらない。
「だって勉強熱心じゃない? しかも、ただ勉強が好きだからって感じじゃないね。将来の目標とかあるんでしょ? そこが『熱血』ってこと。ほれ、その夢センセイに明かしてごらん?」
ほぼ初対面だというのに、陣はつりこまれるようにして自身の夢──ホビーショップ経営について真彩に話していた。
「ということなので、別のことやってられないんスよ。あぁだからカードショップとか経営するのに役立ちそうな資格とかあれば教えてほしいです。それにオール・インするつもりですけど、それ以外でもツブしの効くようなのがあれば是非」
「まじめー。いいよ、ちょっと考えてみるね。あ、そうだ。コーヒー淹れよっか?」
と、だらっとしたまま立ち上がった真彩だが、陣は「うわっ」と声を上げそうになった。
彼女はカップを手に取った。が、そのカップは明らかに使いっぱなしのものだ。内側に茶色い染みがこびりついてて、洗ってないのが一目で分かる。
「え、それ、そのまま使うんですか!?」
陣が思わず叫ぶと、真彩は肩をすくめて、
「ん? まあ、別にいいじゃん。味に変わりないし」
「いやいやいや、ダメですよ! 洗います! 洗いますからっ!」
陣は勢いよく立ち上がり、カップを奪おうと手を伸ばした。だが真彩が「えー、いいよー」と笑いながらカップを引っ込めた瞬間、バランスを崩して前のめりに突っ込むハメになった。
「うわっ!」
どさっ、と音がした。
陣は真彩と一緒に床に倒れ込んでいた。顔が真彩の胸元にきれいに埋まり、やわらかい感触とコーヒーの匂いが混ざって頭が真っ白になる。そこに書類の雪崩がザザーッと崩れてきて、ふたりの上に降り注いだのである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年03月24日
参加申し込みの期限
2025年03月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年03月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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