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寝子島高校
No Matter What
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無言で、長身の彼女は戸口をくぐった。
「……」
ぬうっ、と表現するのは失礼かもしれないが、そう擬音をつけるのがピッタリだった。
背が高すぎる! なにせ錘左衛門より高いのだ。彼女が小柄なオルガと並ぶと、まるで大人と子どもだ。引き締まった体は精悍で、手足も抜群に長い。きつく編んだコーンロウが、女王のような迫力をたたえている。
タルトはゴクリと唾を飲んだ。
う、うわ……カッコいい……! 怖いけど!
妖精オルガがスルリと近づいてきた。左右の手でタルトの手をガシッとつかみ、ぶんぶん振る。
「オホー、キミ、よく見たらさっき会ったネ。来てくれた、うれしいヨ! 自己紹介、邪魔してゴメンナサイネ。つづき、ドゾ」
「はい、えっと」
背中がぞわぞわする。見られてる見られてる──煌牙、錘左衛門、オルガと謎の長身少女の視線を痛いほど感じながらタルトは述べた。
「文学部一年、響タルトです。寝子島高校出身です。異世界探検って言葉に興味があって来ました!」
「おー、寝子高な、いわば地元やん? えーなあ。わいの学科にも寝子高出身がぎょーさんおるで」
煌牙が言う。美少年に反応されるのは嬉しかった。たとえそれがズブズブの河内弁であっても。
つづいて長身の少女が名乗る。彼女はタルトの視線に気づき、ニコッとほほえんだ。
「わたし、
シュリー・リン
って言います」
驚いたのは、シュリーの声が丸みを帯びていて優しいイメージだったことだ。笑顔もキュートだし、雰囲気もふわっとやわらかい。
「体育学部一年生。カメルーン生まれパリ育ち、高校は兵庫県のアデリア女学院っていうとこです。ヨロシクです」
「アデリアなん!?」今度も煌牙はさっと反応した。これが大阪ノリというやつだろうか。「うはー! 関西、いや日本屈指のお嬢学校やんか! たまげるわ!」
「オジョー様、なんてのじゃないです」照れくさいのか、シュリーはバタバタと手を振る。意外にも可愛いリアクションだねとタルトは思った。「バスケ部の推薦で入ったです。大学も、そんな感じで」
よく聞けば、シュリーはなんと学費全額免除の特待生だという。昨年インターハイでは全国優勝、ウィンターカップでも準優勝というめざましい成績を挙げたそうだから、さもありなんといった感じか。
「アデリア出身でバスケの特待生!? スゴい!」
タルトだってアデリアの名前は知っている。中高一貫のお嬢様女子校、ジョークでもなんでもなく在校生は「ごきげんよう」とあいさつしあうという。白百合のような美しい制服が名高く、制服を含めてよく漫画やアニメのインスパイア元にされる。学業優秀にしてスポーツにも強くて、文武両道と称される関西の華だ。
でも、シュリーさんってカッコいいのに、なんか……親しみわく感じなんだよなあ。
「シュリーさん、少女漫画のヒーローすぎる!」
タルトは口走った。お嬢様学校出身、スポーツ推薦特待生とくれば、もうこういう表現をするしかないではないか! 最初感じた怖さなんてもう溶けている。
しかしこの言葉が、思わぬ鍵となったのである。シュリーの目に灯火がやどった。
「……『少女漫画のヒーロー』……『俺ヒロ』のヒイロくん、とか?」
意外すぎる名前が飛び出したので、「ええっ!?」とタルトの口から大きな声が飛び出してしまった。正統派少女漫画をうたってはいるが、実際は思いっきりBLしている漫画のタイトルではないか。この作品が大手出版社から出ている現代日本はすばらしいと、タルトは割と真剣に思う。実際、『少女漫画のヒーロー』という言葉は本作からの引用だ。
「シュリーさん『俺ヒロ』好きなの!?」
息せき切ってタルトが問うと、
「はいです。全巻持ってるし今月からやるアニメも楽しみにしてるです」
打てば響くようなアンサーがシュリーから返ってきた。
「カプは?」
「ソラ×ヒイロです~」
無性に嬉しそうなシュリーなのだ。
「同志! 僕もだよ!」
思わずタルトはシュリーの手を握っていた。まさかこんなところに同好の士がいようとは!
野暮を承知で解説すると、BLとは男性同士の恋愛模様を題材とした作品のジャンルを指し、カプとはカップリングの略で恋愛の組み合わせを意味する。『×』の両端は恋愛関係とみなすキャラクター名、これが右か左かで色々ややこしくなったりするがここでは触れまい。なお、×は発音しない。
しかし同好の士はシュリーにとどまらなかった。
「えー? 私、ユズ×ヒイロだヨー」
ぷーと頬を膨らませているのは、なんとオルガ部長だった。彼女もこの作品のファンらしい。ていうかBL好き女子、別名腐女子確定だ。
「ヒイロはね、ユズみたいな包容力のある相手じゃないと幸せにナレナイノヨー!」
羅針盤ペンダントがゆれるくらい強硬に主張するオルガであるが、このテーマであればタルトとて後には引けない。
「いや無自覚浮気者のヒイロを引き留められるのはソラだけでしてね」
「そーです!」
とかなんとか女性三人、口角泡を飛ばすなか、
「ちょー、じぶんらそれ何の話やねんな~? わいらにはさっぱりですわ」
煌牙が割って入った。困惑気味の口調だ。だが、
「……僕、わかるよ。『俺ヒロ』読んでるし」
と錘左衛門が恥ずかしそうに言うと、今度は彼以外の全員が驚嘆する番となった。
「いやあれ少女漫画の話やろ? すいじゃえもん、なんでわかるん?」
「妹が単行本持ってるから……けっこう面白いんだよね」
「くおー! この場でカヤの外なんはわいだけやったかー!」
「ちなみに重さんは、『俺ヒロ』だと誰が好きですか?」
勢いを駆ってタルトは聞くわけだが、
「え……? 結子さん、だけど……」
話の展開上用意されている形ばかりのヒロインの名前を彼が挙げたので「うぐぐ……」となった。
少なくとも重さんにはBL成分はないみたい──。
でも『俺ヒロ』の熱で、みんなと一気に距離が縮まった気がする!
「オホー、ではみんな座って座って! サークルの説明、するデスヨ」
オルガの声に、みんな椅子取りゲームみたいに手近なパイプ椅子に飛びついた。
「私たちのサークル、新米なのヨ! 去年の夏、ポンっと生まれた!」
いわゆる非公認サークルで、大学から正式な認可は受けていないそうだ。そのため活動費の恩恵を受けることはない。クラブハウスのこの一室とて、たまたま空いていたから間借りしているだけで、いつなんどき大学の公認を受けたサークルに奪われるかわからないという。
「でも非公認のおかげで、学校への定期カツドー報告しなくていいのヨ」
平日の活動はあまりなく、せいぜいここをたまり場にしている程度らしい。メイン活動は主として週末や長期休暇で、目下のところ『異世界へのゲート』を探して探検を繰り返しているそうだ。
「週末と長期休暇だけでいいんですか? それは助かります」
原稿描く時間が確保できるし、とタルトは思う。
「ねー、バスケとバッチリ両立できるです」
シュリーが手をあげた。特待生ゆえシュリーは女子バスケ部の活動がメインとなるが、このペースであれば参加できるという。というか、この話でオルガは彼女を口説いたらしい。
「最近では寝子島北部に行くこと、多いノヨ」
「せや」と煌牙が引き継いだ。「あの島、けったいな事件多すぎやさかい、こらなんかあるでぇとわいら思てんねん。部長の言うてはる異世界へのゲート、見つかる思うで。多分やけど」
錘左衛門が身を小さくして言う。
「怖いけど……気にはなるよね。これまで三人しかいなかったから、毎回不安だったんだ。メンバーが増えたら、きっと安心だよ」
「すいじゃえもんはビビりやのう~」
煌牙は腕組みする。荒っぽいことを言いながらも、表情は錘左衛門に好意的だった。
「まぁでも、メンバー増えたほうがえぇのんは確かや。頼りにしてまっせ」
「実は~、フフフ」とオルガは小声になって言う。「島の北部に三カ所ほどアタリをつけてるとこ、ありましてネ。いよいよ、異世界にたどり着ける日は近いのデス!」
さっそくメンバーの予定を合わせて、探検に行きたいとのことだった。
異世界って、きっと星幽塔だよね。
タルトは直感していた。一部の寝子島住人にとってはなかば公然の秘密であるかの地だが、木天蓼大学生には未踏の地だろう。
星幽塔なら慣れてるから、僕のお店も紹介したいところだけど。
でも探検だから、城下町じゃなくもっと奥地へ行くんだろうな。
「あ、ソーダ。で、入部の話、どうスル?」
いまさらながらオルガが言った。
「はいです!」
シュリーは即答だ。もちろんタルトも迷わない。
「入部します! よろしくお願いします☆」
そうだ、とタルトは言った。
「よかったら探検のしおりのイラストとか描けますよ♪」
探検部活動の第一歩だ。さっそくオルガの目が光った!
「ウワー、イラスト得意なんだ、うらやまシーです。ユズくん描いてほしいヨ!」
「私、ヒイロくん描いてほしい!」シュリーも応じる!
「僕は……結子さんがいいな!」錘左衛門もタイミングよく言った! ……が、女子三名の『そうじゃない!』な視線に「う、変かな……?」と縮こまった。そこに、
「じぶんら描いてほしいイラスト、なんで漫画のキャラばっかやねーん!」
と、煌牙がきれいにまとめたのである!
妖精部長も河内弁美少年も、子猫な巨漢もバスケの星も、みんながタルトの心に色とりどりの新たな地図を描いていく。
この仲間と、どんな冒険が、どんな物語が、始まるんだろう?
──『No Matter What』了
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あとがき
担当マスター:
桂木京介
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございました! 桂木京介です!
今回、木天蓼大学限定シナリオなんで縛りがきつかったかなぁ……と思いながらガイドを出したのですが、皆様大いに楽しく幅広い、のびのびとしたアクションを提出してくださり、感謝感激です!
いつものように大体の時間軸で各パートを並べ替えてもいいのですが、本作は新要素も多く、読んでいただくのに混乱を招くのもいけないと思い、ほぼPC様別で連続して描いています。なので時間軸が行ったり戻ったりしますがご容赦ください。
本作から登場のNPCもわんさといますが、その大半は書きながら考えたようなキャラなので、細かい設定はほとんどありません。再登場が叶えば、彼らも充実していくことでしょう!(言っておいてなんですが充実しない可能性もありますけども/汗)
メインストーリーが終了? ならこれから、あなただけのメインを作って行けばいいのです。それができるのが『らっかみ!』の魅力なのだと思います。及ばずながら私もお手伝いさせてもらいます。なのでこれからもどうか、よろしくお願い申し上げます。
そして、毎度毎度言ってますがご意見ご感想マジお待ち申し上げております! 最近全然来ないです……。
ではまた次回シナリオで!! 桂木京介でした!!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年03月24日
参加申し込みの期限
2025年03月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年03月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
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