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【無為のはて】
「なんで、こんなことを……教えてくれ、きみのことを! 俺が話を聞く、だから話してほしい。なぜこんなことをするんだ? なにか理由があってのことだろう? これからどうすべきか、俺もいっしょに考えるよ、だから」
手首足首に食い込む拘束具で椅子に縛り付けられながらも、
志波 武道
は語りかけるのをあきらめませんでした。意思の疎通、その可能性を、最後まで。
「話したいことがあるだろう? あるはずだ、きみの主張を俺がかならず、然るべきひとに伝えるよ。約束する! まずは話そう、それからでも遅くは……」
「なんであんたを捕まえたかって?」
容疑者は17歳。その先入観がゆえに足元をすくわれたのでしょう。少年の狡猾が浮かべた笑みは邪悪そのものであり、武道の誠意も真摯に向き合う意思もすべて裏切る、純粋な悪意の塊がそこにはありました。
「ケーサツなら誰でも良かったんだよ。別にあんたじゃなくても」
じりじりと容赦ない日の光が頭上から降りそそぎ焼き焦がすかのような、ひどく暑い、ある夏のことでした。
「おう志波、例の事件、その後どうだ?」
「あ、笹尾警部補、おはようございマッス! イヤーっそれがなかなか……犯人は尻尾を出しません。今は清澄巡査といっしょに、別のアプローチから捜査を、と」
「ふむ、なるほど」
笹尾 徹警部補は武道の直属の上司であり、まだ刑事課に配属されていくらも経たない新人には頭が上がらない人物であると同時に、叩き上げの現場主義で優秀な警官であり部下の信頼も厚く、武道も尊敬する人物です。
それだけに彼の言葉には説得力があり、また抗いがたくもありました。
「よし志波、おれからの命令を伝える! あるいは助言と思えばいい」
「は、はい?」
「あまり頑張るな! お前は優秀だが犯人にのめり込みすぎる。いつか足元をすくわれるぜ」
さすがの観察眼。痛いところを突かれて武道が二の句を告げずにいる間に、彼は武道の肩をぽんとひとつ叩き、行ってしまいました。
「先輩。どうしたんですか、ずっと待ってるんですが」
「え、ああ。ごめんよー香菜ちゃん! そろそろ行こうか」
「はい。それと何度も言いますけど、ちゃんはやめてください」
「あ、はい……ごめんなさい」
いつも仏頂面の後輩、清澄 香菜巡査と車に乗り込み、今日も捜査へ。同僚と打ち解けたくて、武道はなるべくフレンドリーに接しているつもりですけれど、つれない彼女はむっすりとして調子を合わせてはくれません。犯人逮捕への意気込みや心構え、その質の違いだと武道は認識しているのですけれど。
「はは。もう少し懐いてくれると嬉しいんだけどネ~」
「わたしは猫じゃないんですけど」
「あ、聞こえてた? ごめんなさい……」
苦笑いしつつ窓を開け、吹き込む風に目を細めます。
「へーそうなんだ、大変だね。で? なんで突然身の上話を始めるかな、このおまわりさんは」
「だから……きみを知るためにはまず、俺を知ってもらおうと。そうすることできみも話しやすくなるし、相互理解の第一歩として」
「キョーミないって言ってるのに。さ!」
ばちんとひときわに大きな音がプレハブ小屋に響いて、弾け飛んだのは武道の、右の中指の爪でした。
「っ……!!」
「ほらほら、もうすぐ両手の爪が無くなっちゃうよ~」
「やめ、待っ」
ばちん。ばちん。段階的に短くなってゆく爪、そのたび食い込む刃の苦悶に武道は身をよじり、声なき絶叫を上げました。意地でも声は出すまいと決めながら、折れてしまいそうな己の心との戦いに武道は歯を食いしばります。決して眼前の少年へ憎悪を向けようとはしませんでした。
ばちん。
「ど……どうしてなんだ。警察官に恨みがあるのか? お願いだ、理由があるなら話して、待てまてまってくれ止めっ」
ばち、ばちん。
「ケーサツって、バカだろ? みんなさ」
ばちん、少年はさもつまらなさそうに、感情こもらぬ声色で述べました。
「万引きのひとつやふたつで、善良な市民を犯罪者扱いしやがって。んなことみんなやってるっつーの。タカシもヤマモトも、コンノだってオダっちだって。大体俺だってさ、シマダ先輩にテク教わっただけなんだぜ? 別に俺のせいじゃないだろ」
「……それは……きみ自身の」
ばちん。
「冗談じゃねーよ。つまんねえことで捕まえやがって。顔真っ赤にして必死こいて追いかけてきやがって、どんだけ暇なんだよ。おかげでさあ、おれ、ハブだよ。漫画一冊も盗ってこれねえやつは仲間じゃねえってさ。お前らが余計なことしなきゃあ、全部上手くいってたんだ」
ばちん。ばちん。ばちん。
「っ!! っ……!!」
「責任とれよ。俺のストレス解消の手伝いでもしてくれよな、そのくらいできるだろ? あんたもきっとクソ上司とか無能な部下とかにヤラれてるんだろ。分かるよな、俺の気持ち? ケーサツなら市民に寄りそった誠意ある対応をだな……」
「手を上げなさい!!」
武道の残しておいたヒントをたどってきたのでしょう。飛びこんできた清澄巡査が銃を突きつけると、少年は爪切りを放り出し、両手を頭の上に掲げ、そして……武道へと笑いました。ひとつのゲームステージが終わり、さあ次はどう攻める? どう攻略する? そんな顔をして。
「捕まったのが、俺で良かったよ……」
そうぽつりともらした武道の肩を、清澄巡査は強めにパンチ。その目尻ににじむ涙の意味をぼんやりと考えながら、笹尾警部補からもしこたまお説教を食らいながらに、武道は語りかけます。
(なあ、未来の俺。俺はうまくやれているか? 過去の俺。夢はかなったけど、まだまだ駆け出しだよ。それでも前に進んでく……俺にはそれしかできないから)
人の想いも悪意も等しく受け止めて、武道は前へ。力強く、前へと。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年02月04日
参加申し込みの期限
2025年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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