this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
授業風景 ~3年普通科の場合~
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
●授業中/作文の発表②
そんな発表を聞きつつ、うつらうつらと瞼を重くさせているのは
アガサ・プレラチ
だった。
(う……危ないですね。うっかりしてるとそのまま眠ってしまいそうです)
そのままぱたりと意識を手放してしまいたい誘惑に必死に抗いつつ、彼女は珍しい色を宿した瞳を小さくこすった。
発表は無情にも進んでいるようだ。眠気を紛らわそうと教室を眺めていると、隣に座る
神無月 ひふみ
が真剣な面持ちで何かを書いているのが見えた。
慌てて宿題でも書いているのかと思えば、どうやら違ったようだ。
なんでしょう? とちょっとの好奇心を抱いたとき、アガサさん、と彼女は誰かが自分の名前を呼ぶ声を聞いた。
ぎく、と身をすくませて前を見ると、にこにこ笑う早川と目が合った。
よろしくお願いします。そんな早川の笑顔に、アガサは観念したように立ち上がる。
私の名前は
アガサ・プレラチ
です。
アガサの綴りは「Agatha」となり、これは「アガタ」と発音することもできます。
そんな「Agatha」ですが、ギリシア語で「良い、尊敬すべき」という意味を持っていまして、誰からでもそのような感情を持たれるようにという気持ちか込められているそうです。
……正直なところ、今回の話を聞くまで私はてっきりかの有名な「アガサ・クリスティ」に肖って、同名の名前をつけられたのだとばかり思っていました。推理小説好きの母の事ですから、そんな理由で名づけられていてもおかしなことではなかったでしょう。
しかし、きちんと意味まで考えて名づけられていたことに、少しだけ感動しました。
アガサの読む作文に、早川はうんうんと感心するように頷いた。
彼女は理系科目――とりわけ化学に関して高校生離れした知識を持っているということは、現国担当の早川も耳にしたことがある。その名に違わず優秀な娘に育ち、親御さんも嬉しいに違いないだろう。
そんな率直な感想を胸の中でまとめつつ、早川がコメントしようと口を開きかけたときだった。
「……まあ、感動したので、それを聞いて『あ、ばれた?』と笑った母の顔は忘れることにします」
アガサの淡々とした声が、作文の最後の一文を読み上げた。
その予想外のオチにクラスからは笑い声まじりの拍手が起こる中、アガサはすっと着席した。
早川も思わず笑いながら、それでもアガサの母をフォローするように言葉をかける。
「まさか本当にアガサ・クリスティからだったとはね。でも彼女も非常に優秀な小説家じゃないですか」
それこそミステリ界では「誰からでも尊敬されるような」存在といって過言ではない。
「お母さんの話はあながち本当かもしれませんよ?」
そう言う早川の言葉に、そうだったらいいんですけどね、とアガサは小さく肩をすくめて溜息まじりの返事をするのだった。
隣の席のアガサが指名されたのを見て、
神無月 ひふみ
は文字を綴っていたノートをぱたりと閉じた。
(やば。当たっちゃうじゃないの)
早川の指名パターンは分かりやすい。ランダムに一人指名し、更にその両隣の人も指名したあと、また別の生徒をランダムに選ぶ。ほぼ毎回そのパターンであった。
このパターンでいけば次に当たるのは、自分か、あるいは反対の隣に座る別の生徒か。
宿題自体はきちんとこなしているので問題はない。……ただ、名前の由来を発表するとなると話は別だ。
ひふみという彼女の名前をつけたのは父である。現在高校三年生、反抗期をこじらせ続けている彼女にとって、父絡みの話題は極力避けたいのだ。
やがてアガサの発表が終わると、早川は神無月ではない方の生徒を指名した。
ほっと一息着く。次に当てられることに変わりはないのだが、それでも安堵してしまう。
(もうちょっと時間あるわね……最後まで書いてしまおうかしら)
早川の目がもう一人の生徒の方に向いたのを確認すると、神無月は先ほど閉じたノートを開いた。
そこに書いてあるのは詩であった。ただの詩ではない。リズムを取るように軽くシャーペンを揺らしつつ、神無月は聞こえないほど小さな声で、そっとメロディを口ずさみながら言葉を綴っていった。
曲に合わせてペンを走らせつつ、頭に思い浮かぶのはバイト先のとある大学生の顔。バンドマンをしているらしいその人に向けて、神無月はその想いをペンに込める。
「ここ、うーん……直接的すぎるかな?」
もう少し捻った方が、と消しゴムに手を伸ばしたとき、教室にぱちぱちとまばらな拍手が響く。はたと顔を上げると、どうやらもう発表は終わったようだった。
大切な書きかけのポエムを人の目に触れさせるわけにはいかない。神無月はそこでペンを止めて慎重にノートを閉じると、机の中から書いてきた原稿用紙を引っ張り出した。
「それでは……じゃあ次は、神無月さんお願いします」
そうしていつものパターンに則って指名された神無月は、何食わぬ顔で起立する。
私の名前は神無月ひふみ。
字は「一二三」って書くの――漢字だと可愛くないから、いつもは平仮名で書くけど。
名前を付けたのは父親。由来はなんでも「三つ子の魂百まで。物事の最初のいろはを疎かにしないよう、慢心増長して基本を蔑ろにしないように」という願いから来てるんですって。
……なんて、カッコつけたところでバレバレなんだけどね。
私の名前の「ふみ」は親父の名前の一部からつけられたのよ。あのバカはこともあろうに可愛い娘に自分の名前をもじった名前を付けたのよ?! 名前と一緒に極道の心意気も継がせようとしたのか知らないけど、ホントいい迷惑なんだから! だいたい私は組を継ぐ気なんてさらさらないわ!
「私の将来の夢は保育士なの!ひまわり幼稚園で働くのが夢なんです!」
何やら思うところがあったのか、神無月の語調は作文を読み上げながら次第にヒートアップしていく。
高らかに将来の夢を宣言したところで、はたと我に返る。
(やだ……作文の授業なのになんで私ったら将来の夢について語ってるの……!)
思わず頬を赤く染めた神無月は、一拍遅れて巻き起こった拍手の中さっさと席に座った。
「はは、お父さんはよっぽど神無月さんのことが好きなんですね」
そんな早川の言葉は、父に対する反抗期を拗らせ続けている神無月にとっては素直にはいと言えないものだった。
「め、迷惑してるんです! 私もう高校生だっていうのにいつまでも……!」
照れ隠しにそうは言うものの、神無月とて父のことを本気で嫌っている訳ではない。
この名前も内心では気に入っているのだ。もちろん親子のつながりを感じられるその由来も含めて。
しかし素直になれない態度をとってしまうのは、思春期特有の攻撃性に加えて彼女の生い立ちが深く影響していた。作文でも述べていたように、きっと苦労をしたこともあったのだろう。
「でも、お父さんからとった字も由来も、神無月さんにぴったりな名前だと思いますよ」
早川がそう言うと、神無月は顔を赤らめたままそっぽを向いて小さく頷いた。
そんなの、私が一番分かっています、と。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
授業風景 ~3年普通科の場合~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月07日
参加申し込みの期限
2013年12月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!