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ほのぼの、サイバー、幻のラーメン屋台ふたたび・2
幻を幻のままにしたくない!
シオは走った。角を曲がろうとするリヤカー屋台を追いかけて。
近づくほどに鮮明になる。この醤油の香り。赤い暖簾。『ラーメン』と書かれた提灯。
間違いない!
角を曲がり、薄暗く細い路地に入ったところでシオは屋台に追いついた。
「ようやく見つけましたー! ラーメンくださ……あれ? お三夜さま?!」
シオは目を丸くする。
ラーメン屋台の店主がじつは、寝子島神社のご祭神である黒猫・
お三夜さま
……というのは知っていたが、その日はなんと、おかっぱ髪の少女バージョンだったのである。
「かわいい! 格子の着物にメイドさん風エプロンドレス!
ヘッドドレスについたお鈴もなんてなんて似合ってるんでしょう! 良い!」
シオは狂喜乱舞した。
幻のラーメン屋台に出会えただけでなく、こんなに愛らしいお三夜さまのコスチュームを拝見できるなんて、眼福すぎるではないか!
「いらっしゃいにゃー、二度目ましてにゃ」
「私のこと覚えててくださったんですか?」
「貴重なお客は忘れないにゃ。二度もこの屋台を見つけるなんて、さてはラッキーガールさんにゃ?」
「ええ、きっとそうなんですっ」
目を輝かせ、シオは出された丸椅子に腰を掛ける。
ご注文は、なんて聞かれるまでもない。ここで頼むべきメニューはただひとつ!
「ラーメン一つください!」
「はいにゃ!」
お三夜さまは、縁にうずまく雷紋が描かれた赤い器を取り出すと、茹でた麺をジャッジャッと手際よく湯切りして器の中に滑り込ませた。その上からトパーズ色に輝くスープを注ぎ、ナルトにメンマ、チャーシュー、ネギ、半熟煮卵に海苔も一枚添えて。
「お待ちにゃっ。ラーメン一丁!」
とんっとシオの前におく。
「はわわわっ。これこれ、これです! もう一度味わいたいと恋焦がれてやまなかったラーメン!」
立ち上る湯気。
シオは目を閉じ、鼻腔いっぱいにその香りを吸い込んで、まずは嗅覚で味わった。
それから文献で見たとおり、和から伝わるラーメンを食べるときの作法を行う。
割り箸をとり、それを両の親指で挟み持って、手を合わせる。
「いただきます!」
頭を下げて割り箸を割る。
まず味わうのはスープ。
「あああっ、これです。どうやったらこの複雑で上品な味が出るのでしょう!」
そんな感嘆が口をついて出る。
次に啜るは黄金色にちぢれた麺。
「ずずずーっ。こ、これは……モチモチな麺にスープが絡んで……一言でいえば、至高!」
一口ごとに感動を伝えてくれるシオに、お三夜さまのほっぺたも赤らんで輝いてくる。
「お客さん、さては、ものが分かるお人ですにゃ!?」
「うふふふっ。美味しいものには目がないんです。ああ~この半熟卵も、とろりとした黄身を麺に絡めていっしょに口の中に入れると……たまりませんー」
「放し飼いの鶏が産んだ天然の卵を使ってるにゃ」
「まあ! なんて高級品。美味しいわけですねー」
ラーメンの器は食の宝石箱だ。
どのピースにも合成食材では味わえない天然のおいしさが詰まっている。
「お三夜さまのラーメン、なんだかホッとする味ですね」
「昔から、人々をあったかくしてきた味にゃ。寒い夜、人々はラーメンを食べて身体を温めたにゃ。辛いときも哀しいときも、人々はラーメンを食べて心を和ませたにゃ」
「ラーメンとは、人々を癒す薬でもあったのですね」
お三夜さまと同じように……人々の支えであり続けたであろうラーメンを啜る。
お三夜さまはふと、シオが持ってきてまだ手付かずだった謎肉の串焼きと薬草茶を物珍しそうに見た。
「これは……この時代の食べ物かにゃ?」
「そうです。良かったら食べてみます?」
「にゃあ……でも、それはお客さんのものにゃ」
「いいんです。ラーメンを食べたらお腹が膨れてきましたし、私はいつでも買えますから」
どうぞ、と押しやると、お三夜さまはおずおず受け取り、動物がはじめてのエサを目にしたときみたいに注意深く匂いを嗅いだ。
「合成ですけど、毒ではないですよ。むしろ成分的にはクリアで、添加物などもありません」
「……わ、わかってるにゃ」
そうはいってもはじめてのものは、ちょっと警戒。
おっかなびっくり、口に運んでちびりと謎肉を噛みちぎる。
「ふ~む……もぐもぐ……」
「どうです?」
「悪くはない……が、うちのチャーシューの方がおいしいにゃ」
「ふふふ、それはそうですね」
「こっちのお茶は……ぶはっ! なんにゃこれ! 苦いにゃ!」
お三夜さまは薬草茶を吐き出した。
「あらあら、そうでした。そちらは私の体調に合わせてブレンドされていて大人な味なのでした。血をサラサラにして胃腸の調子も整えてくれる成分が入っているのですが」
「私には必要ないにゃ!」
「そのようですね。薬草茶が美味しくないのは健康な証です」
というわけで、薬草茶の方はシオが引き取る。ラーメン後の胃袋には丁度いいだろう。謎肉の方は、チャーシューより劣ると言いながらもそれなりに気に入ったようで、お三夜さまがぺろりと食べた。
「ふー、ご馳走様でした」
スープを最後の一滴まで飲み干して、シオは赤い器を置いた。
昭和のラーメン屋はいわゆるファストフード。食べたらすぐ立ち去るような慌ただしさがあったというが、いまはお客はシオひとりだし、なかなか出会えない幻の屋台をすぐに去る気にもなれなくて、シオはちびちびと薬草茶をのんでお三夜さまに話をする。
「お三夜さま、こんな話を知っていますか? 資料によると『ラーメンと餃子』『焼き芋とアイス』が危険な……魅惑と至福の組み合わせだそうで」
「そうにゃそうにゃ! かつて人々は、その組み合わせを楽しんでいたにゃ。超カロリーオーバーにゃ。オヤジの腹は出まくりにゃ」
「そうだったんですね。でも……味わってみたいですね」
シオは目を瞑って、資料で見た、輝かんばかりの餃子に思いを馳せる。
それは、半円型の白い皮に包まれた一口大の料理で、ひき肉や野菜などを包み込んで焼いたり蒸したりしたものだという。五つか六つをセットにして皿に乗せ、ラー油という辛みのあるエキスと醤油を混ぜたものにつけて食べるのが一般的だったそうだ。
餃子もこの時代には残っていない。ラーメンと一緒に滅んでしまったのだろう。
チラ、と目をあけ、お三夜さまに視線をおくる。
お三夜さまはシオの視線の意味に気づくと、瞼をすうっと落として半眼になった。
「……もしや、餃子を所望かにゃ?」
「……材料、食材調達から大変ですね」
「そういいつつ、次に来たとき食べさせてね、というその圧……」
「うふふ」
「皮は小麦を練ったものにゃから、ラーメンの麺と同じ材料でいける……肉もチャーシューとおなじ豚肉にゃ……あとはニラ、ハクサイ、ショウガ、ニンニク……調味料は……」
「ふふ、ワクワクしてきますね」
シオはにこっと微笑む。お三夜さまはその微笑みに後に引けなくなったようだ。
「……仕方ない。善処するにゃ」
やったー、とシオは手を叩く。
「じゃあ、さっそく。冒険に出かけましょう! 食材探しの!」
「にゃっ? 冒険!?」
「そうです。食材探しの冒険です」
「ど、どこへにゃ?」
「違う世界へです。ここはいろんな世界に繋がってるって前にお三夜さま、言ってたじゃないですか。この世界に存在しなくなってしまった食材は、ほかの世界から調達していると」
「それはそうにゃが……まさか、一緒に……?」
「危険すぎたり、犯罪もどきは絶対ダメですが、『大変』や『挑戦』は冒険好きな探索稼業者にはモチベーションとして大事かと」
「にゃにゃっ? 私は冒険好きな探索稼業者というわけでは……」
「適度と計画性をもって! ですよ」
「ちょ、待つにゃ」
「過度と無計画はダメ! もー、大変なんですから」
腕組みをして、むーと唇を尖らせるシオ。
「そ、その通りにゃが……なにか、こう、お客さんのトラウマ……?」
よくわからないが……。
お三夜さまとシオは、禁断の『ラーメンと餃子』を実現するために、異世界に餃子の材料探しに出かけることになったらしい……。
――――……。
――……。
……。
という映像が、昼時の旧市街のラーメン屋さんの店頭ショーケースに映りこんだのを、シオは見た。
「はっ」
我に返ったシオの視界の端を、桜色の猫がぴょんと跳ねて駆けて抜けてゆく。
「不思議な色の猫……それにいま見た映像は何だったのでしょう?」
シオは首をかしげる。
ラーメンを食べに来たはずだったのに、なぜかもうお腹いっぱいだ。
シオは妙に納得して、くちくなっているお腹を擦った。
「私、幻の中で本当にラーメンを食べたのですね」
だったら、もうここに用はない。
腹ごなしに寝子島神社を参拝して帰ろうと参道商店街を歩き出す。
神社で手を合わせたら、ご祭神であるお三夜さまに伝えよう。
――美味しかったです、ご馳走様でした。
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ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月04日
参加申し込みの期限
2024年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月11日 11時00分
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