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霧の想い出・2
手は窓ガラスに当たるだけのはずだった。
しかし、七瀬はつんのめって、柔らかいその人の胸に身体を預けるように倒れ込んでいた。
「おっと……奇遇だねぇ?」
窓に映った霧の景色の中にいたはずのその人――
ウォルター・B
は、手を伸ばしてつんのめった七瀬の身体をいつもの言葉とともに受け止めてくれた。七瀬はウォルターの身体に顔を埋め、実体を伴った温かさを感じてまた困惑する。
「ウォルターさん? 本当に? 身体……ありますね?」
「ちょ、そんなにペタペタ触られたらくすぐったいったら」
「す、すみません。幽霊かと思ったもんですから……念のため、心臓の鼓動もきかせてもらえます?」
真剣な顔でウォルターの左胸に耳を押し当てようとする七瀬を、英国生まれの元恩師は困ったように笑いながら押し返す。
「そこまでしなくたって生きてるってば。それにしても」
「はい。ここは……」
どこなんだろう。
口にせずとも同じ疑問を胸に、二人はあたりを見回した。
肌寒い。立ち込めているのはしっとりと流れる霧だ。足元の道は石畳で、ガス灯が霧のなかで等間隔にまあるく灯っている。遠く霧の切れ間に英国にあるビックベンによく似た時計塔が一瞬だけ見えた。
「びっくりするほど見覚えがあるものが見えたんだけどねぇ。まさか知らないうちにイギリスに帰国してた、なんてことはないよねぇ?」
あっという間に霧に消えたビックベンに目を擦ったウォルターは、おもむろに七瀬の頬をぺちぺち叩く。
「なんでうちのほっぺたを叩くとです?」
「いやぁ、君がここにいるなら、無自覚な帰国の線は消えるなぁと思って」
「はぁ」
いずれ神魂のせいとかなのだろうが、ひとであるウォルターにそんな推測を話しても面倒なだけだ。
七瀬は頬に当てられていたウォルターの腕を取って、彼を安心させようと微笑んだ。
「すこし歩いてみましょうか。帰り道が見つかるかも」
霧の中をしばらく歩く。
ここが現実ではないのなら、はぐれてしまうと二度と会えなくなる可能性もある。
警戒するに越したことはないと、七瀬はウォルターの腕をしっかりと掴んでいた。
(神魂トラブルについては僕の方が玄人ですし)
……けっこうな回数、ウォルターとも異変を経験した気もするが、もれいびの自覚があるぶん自分の方が対処に秀でているはずだ、という七瀬が考えるのももっともだろう。年上のウォルターをリードするように半歩だけ先を歩けば、怖さよりも勇気のほうが沸いてくる。
そうして歩いてゆくうちに、二人の目の前に一軒の建物が現れた。
「あれ……?」
「どうしたのぉ?」
「この桜色の煉瓦壁のお店は……」
あの店だ。桜色の猫が窓を覗き込んでいた時計と写真の店……看板の店名は霞んで読めない。
と。
きぃぃ……。
木のきしむ音を響かせて。
まるで二人を招くかのように、店のドアが薄く開いた。
「……」
「……」
ウォルターと七瀬は顔を見合わせる。
「……罠、でしょうか」
「僕らを罠にかける理由がわからないけどねぇ。ま、他にどこに行けばいいかもわからないわけだし」
ごくり、喉を鳴らして頷く。
入ってみるよりほかに道はない。
「あの~、こんにちは~……」
七瀬は恐る恐るドアを押し開け、薄暗い店内に足を踏み入れた。後ろからはウォルターもついてきている。
物音はない。
さらに奥に進んでみると、おびただしい数の写真と時計が、互い違いに壁に飾ってあるのが目に入った。
「……ようこそ、時光館へ」
ふいに背後から声がして振り返る。
暗闇の中に浮かび上がっていたは、手元の蝋燭の灯りに照らされた皺だらけの老人の顔で、七瀬は思わず悲鳴を上げた。
「びゃあああ!」
「そんなに驚かんでもよかろう」
「すっ、すみません、いらっしゃるのを知らなかったもんで」
七瀬はぺこぺこと頭をさげ、勝手に店に入ったことも謝った。
一方のウォルターは、物思わし気に顎に手を当て、じっと老人を見つめていた。
「店主さん……でいいのかなぁ? さっき『ようこそ、時光館へ』って言ってたねぇ。時光館というのは?」
老人は、喉の奥でカカカ、と笑う。
「読んで字の如し。ここには時と光が蓄えてある。客の思い出を売る店だよ」
「客の思い出?」
「そうさ。ご覧」
老店主は、枯れ枝のような指先を壁の方へ向けた。
「君たち向けの品が揃っている」
自分たち向けの品?
その言葉に釣られて、七瀬は壁にかかった時計と写真に目を凝らす。
0時15分を指した時計の隣に掛かっている額の中には、母親に抱かれた1歳くらいの黒髪の子どもが映っている。子どもはとろんとした目で親指を咥えて、ちょっと甘えん坊な男の子という感じだ。
「これって……うそです……」
「どうしたの七瀬」
「この写真に映ってるの、母です……」
「ということはこの子は七瀬かい? 可愛いねぇ」
「いやいや、おかしいとですよ! こっちも……これも……子どものころの僕です。どうしてここにあるんですか。しかもこんな写真、撮った覚えがないです……」
老店主は押し殺したような笑い声をあげて、驚く七瀬を見ていた。
「いっただろう、ここは思い出を売る店だと。思い出は光となって時の中に残るのさ。ここの写真は、そういった思い出を客に合わせて映し出す」
その言葉を聞き、七瀬ははっと時計をみた。写真の隣に掛かっている時計の針はばらばらで、0時に近い時刻を指しているものほど、時計のそばの写真は幼いものになっている。
「もしかしてこの時計、人生の時を示しているんじゃ……」
ご明察、というように、老店主はにこりとする。
「へぇ、じゃあ僕のもあるのかなぁ……?」
ウォルターの声に七瀬ははっとする。
ウォルターは壁からすこし離れたところで動かずにいる。
声こそ穏やかであったけれど、自分は何も見たくない、そんな意思も感じられた。
七瀬はウォルターが過去に辛い出来事を経験したことをうっすらと知ってはいた。知ってはいたが好奇心を抑えきれない。ウォルターの気持ちを理解しつつも、自分が出会う前の英国にいたころの彼がいったいどんな子どもだったのか、見てみたくてたまらない。
(ごめんなさいウォルターさん。うちは猫です。好奇心を押さえられない猫なんです……!)
七瀬は壁に沿って歩き、図書館で目当ての本を探すときみたいな熱心さで、写真の数々に目を凝らしてゆく。
「あっ、――」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
桂木京介
阿瀬春
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年11月04日
参加申し込みの期限
2024年11月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年11月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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