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奇跡が起きた日
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詳しくはない者にもすごいと思わせるところがすごいのである。野球を知らない者も小谷 幸平の名前と顔は分かろうし、KOUHEI SYOTANIといえばもはや世界共通言語である。スポーツも突き詰めればショウビジネスであり、観客やスポンサーの存在あってこそ成り立つ。野球を、小谷を知らぬ者にも応援したいと思わせる普遍的奇跡の連発が、どれほど業界に貢献し、どれほど野球人口の増加をもたらしたことだろう。
どちらかといえばインドア派、な
稲積 柚春
にもその凄みは伝わった。
「投げられたボールを打ち返して、それを拾いに行ってる間にホームを一周したら点が入る……ってことくらいしか知らないけどね」
しかしそんな彼女の耳にも何かと小谷の話題は飛び込んでくるし、知らず知らずに知識を得ていたりするものなのだ。
「ワットは? 野球好き?」
「君と同じくらいなものかなぁ。でも小谷君がホームラン打ったとかロジャースが勝ったとか聞くと、何か嬉しくなっちゃうよねぇ」
ウォルター・B
も同様であるようだ。今日に乱れ飛んだ号外は寝子島を沸かせ、ウォルターをもほんのりと浮かれさせている。そんな彼の緩んだ笑顔を眺めるのは、この上なく楽しい。柚春にとっても小谷様々というものだ。
「さ、行こうワット! イチャイチャするぞー」
「おっと、今日はどこへ行くんだい?」
「どこでもOK! 楽しいことを見つけに行こうよ♪」
手を引き駆け出した。そうどこでもいいのだ、彼が隣に在るならば。
特に目的を定めず歩くうち、旧市街の参道商店街へやってきた。和の趣きが佇む通りを歩くなり目につくのは、やはり小谷のポスターや彼の名を冠した新商品などだ。商魂たくましい寝子島の人々はさっそく号外の頒布に乗っかり、いわば便乗商品を充実させたらしい。
「まぁ、お祝いしようって気持ちの表れなんだろうけど」
「それで寝子島が盛り上がって経済が回るんだから、良いことなんじゃない?」
和菓子店に並ぶ幸平まんじゅうに幸平だんご、幸平せんべいなどなど、菓子と彼の繋がりも定かではないがともかく飛ぶように、二人の見ている端から商品が売れてゆく。渋めのラインナップに購入するのは主にお年寄りばかりかと思いきやそんなこともなく、老若男女に大人気である。小谷の偉業と知名度がそうさせるのだろう。
「とにかくすごい、っていうのは分かるんだけど……」
「うん?」
「すごすぎて逆にピンと来ないっていうか。小谷選手がやり遂げたことって、例えば僕らに例えたら、どんなことだろう?」
柚春が首を傾げたのも無理はあるまい。それだけ彼の記録も彼の存在も、どこか現実離れして思えるのだ。
無理やりにでも自分自身に当てはめてみるなら、これをどう表すべきか。ウォルターもまた首を傾けた。
「ワットなら……蛇と触れ合えるようになる、とか?」
「あっはっは」
彼は乾いた笑いを頬へ張りつけた。
「それはそれは、金メダル級の偉業達成だねぇ」
「そんなに? 僕ならなんだろ。テストで学年一位を取っちゃうとか」
「小谷と並ぶなら、全国模試で一位を取ってもまだ軽い気がするねぇ」
「そうだよね。それじゃあ……」
と、柚春は背伸びして彼の耳へと唇を寄せ、囁いた。
「ワットが僕に、
思いを伝えてくれたこと
。とか?」
英文にぼかされながらも告げた言葉は確かに、柚春の胸へ染み入った。これを奇跡と呼ぶならその通りかもしれない。
彼は一瞬怪訝そうに呆けてから、悪戯っぽく笑んだ。
「それは確かに、奇跡かもねぇ」
「サヨナラ満塁場外ホームランだね」
「それっぽいこと言うなぁ」
柚春の頭をウォルターは苦笑いまじりに撫でつけた。
「でもね」
と、柚春は続ける。
「小谷選手の記録は奇跡的だけど、本当は奇跡じゃないって僕は思うな」
「ほほう。というと?」
「運命や奇跡っていうのは確かに、あると思う。でも小谷選手の大偉業はきっと、そうじゃない。だって誰よりも練習して、誰よりもひたむきに野球と向き合って、緊張にも負けずに試合に出場し続けて……運命を味方につけたわけじゃなくて、自分が運命を切り開いて勝ち取ったものだと思うから」
そんな小谷 幸平のような人物に、自分もいつかなれたらと柚春は思う。
たどり着くべき頂はもちろん、ウォルターの隣で恋人として胸を張れるようになることだ。そのための努力を惜しむつもりはないし、奇跡や運命を引き寄せるのを待つつもりもないのだ。
「……と言いつつ、今日はまだみんなの言う奇跡っていうのに乗っかっておこうかな」
「はは、そうだねぇ。メニャーリーグにいけない僕らには、そのくらいがちょうどいいかもしれないねぇ」
「あっ、ねぇワット! あそこのカフェの便乗メニュー『コウヘイパフェ』だって、美味しそう!」
「新メニューと言いなさいね、新メニューと。ま、奇跡の味ってやつを試してみようかぁ」
小谷とて頂点へ上り詰めたわけではなく、未だその途上であろう。ただ高みを目指し突き進む彼の姿勢を、柚春も見習いたいと思う。
とはいえひとまず、今日のところはこのお祭り騒ぎに満ちるエネルギッシュな奇跡のパワーを享受し、あやかるとしよう。ぐいと彼の腕を抱き込み引っ張って、きらびやかな輝きに満ちる商店街を駆けた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月22日
参加申し込みの期限
2024年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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