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奇跡が起きた日
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世は実に大盛り上がりだが、だからこそマイペースに過ごす贅沢というものもあろう。
綾辻 綾花
は野球界のレジェンドが打ち立てた偉業にほうと感嘆の吐息をつきながらもいつもと変わらず、スマホの連絡先をタップした。
「あ、おはようございます、珪先生! 起こしてしまいましたか?」
『いや、大丈夫だよ。少し寝すぎたくらいだから』
昨夜は仕事で少し夜更かしであったらしい
早川 珪
の寝起き声に耳をくすぐられつつも要件を伝えようとしたら、ニュースを見たらしい彼の声が弾んだ。
『へぇ、遂に記録達成か。すごいものだね』
「あ、小谷選手ですか。私もびっくりしちゃいました」
『同じ日本人がこうして世界で活躍しているのを見ると、あまり野球に詳しくもないのに何だか、誇らしい気分になってしまうよね』
彼の少し浮かれた様子が綾花には楽しい。耳元から音の波として伝わる感情の揺れが背中をなぞり、ぞくりと肩が震えた。
『っと、それで、何か用だったかな』
「あ、はい。もしお暇だったらでいいんですけど……」
と言って綾花は部屋をぐるりと見回した。黒猫と目が合い、にゃあと鳴く。
春からの新生活に合わせて引っ越した新居は一通りの家具家電も揃い、暮らしに困ることもないのだが、引っ越し業者に運び込んでもらったままなので、できればもう少し位置にはこだわりたい。まだ組み立てていないものもあるし……つまり黒猫のクロワがどこか恨みがましく見つめる先に放置されている、キャットタワーとか。
「……なので、家具を動かしたり組み立てたりするのを手伝ってもらえませんか。私だけじゃ、ちょっと大変で」
『なるほど。お安い御用だよ。ちょうど今日の予定はどうしようかと考えていたところだったしね』
といった次第で、アパートへ珪が来てくれることになった。
身も蓋もないことを言ってしまえば、彼でなくてもいいことだ。ちょっとした物の移動などは友人に頼んだりしてもいい。それでも珪を選び、彼へと連絡した理由は……まぁ、言わずもがなであろうか。
「お邪魔します」
「はい、いらっしゃいませ。珪さん」
玄関で珪を出迎えると嬉しさがこみ上げ、すぐに気恥ずかしさが上回った。まだ慣れないのである。
「ええと。何から手伝おうか」
「それじゃ、まずは家具の移動を……クロワ、ちょっとどいててね」
ソファのふかふかを取り上げられ不満げな声を上げたクロワを、珪は目を細めて微笑ましく見つめた。
ソファを動かしテレビ台の位置を吟味しつつ移動すると、本命に取りかかる。
「このキャットタワーなんですけど」
なかなかに大型のタワーであるらしく、部品数も多くて組み立てには難儀しそうであるが、購入から未だ完成に至らないのはそればかりが原因ではなかった。
「私がこれを組み立てようとすると……ほら」
にゃあと鳴いた。組み立てにかかろうとするや否や黒猫はオモチャ箱からお気に入りを引っ張りだし、綾花へアピールを開始するのである。
「ははあ。大好きな綾辻さんが作業にかかりきりになると、構ってほしくなってしまうのかな」
「おかげで全然作業が進まなくて。そんなところも可愛いんですけど」
クロワ自身のためのものなのだが、猫の気まぐれに道理は通じず人類みな一様に抗うことは叶わないのである。
そこで一計を案じ、綾花がクロワをあやしている間に珪が組み立てを担当するという分業制を取ることとした。
「クロワ、私と遊んでいようね。今珪お兄さんが、キャットタワーを作ってくれるからね」
「ははは。君のために頑張るよ」
黒猫の首元を撫でてから作業にかかる珪に任せ、綾花はねこじゃらしをぱたぱたとやって気を引く。
そこでふと、自分の胸が弾んでいることに気づく。部屋に彼がいることに少しばかり緊張もしながら、こんな状況には心躍らせずにいられない。
「何だか、これって……」
「ええと、この部品がこっちで、これがこっちか。うん? 何か言ったかい」
「あ、い、いえ……!」
何だかこれってほとんどもう、恋人同士みたいではないか。
未だ褪せない気恥ずかしさと新鮮さの狭間に揺蕩いながら、綾花の振るうねこじゃらしは黒猫を惹きつけ続けた。
しばしの後完成したキャットタワーは大きく部屋の面積を広く占有したが、その価値はあった。
「可愛すぎます……」
ひとしきり様子を窺ってからタワーの上へ軽やかに飛び乗り、気にいったらしくリラックスして落ち着いた黒猫を、綾花は思わずスマホで撮影した。
家具類の配置もばっちりと決まり、もはや違和感もない。
「ありがとうございます、珪さん! おかげさまで快適に過ごせそうです」
「どういたしまして」
本当を言えばこの後には料理など作り彼を歓待したいところだが、そこまでいくと恋人どうしみたい、では済まなくなってしまいそうだ。綾花も分別を学んだし彼の立場を理解している。それに今後も長く待たねばならないわけでもない。時がくればと、綾花は未来へ想い馳せながらに彼への土産を手渡した。
「これ、作ったんです。今日のお礼です。ワインと一緒にどうぞ」
「いいのかい? ありがとう、嬉しいよ。綾辻さんは料理上手だからね」
タッパーを手にはにかんだ珪の笑顔は、綾花の描く明るい未来を予感させるに十分だ。いつかはきっと、そう思い彼を見送るとキャットタワーの上で黒猫が、また来てニャ。と鳴いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月22日
参加申し込みの期限
2024年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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