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奇跡が起きた日
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「この島って何かにつけて、お祭り騒ぎにする機会を逃さないですよね……」
羽生 碧南
の苦笑いに、
鷹取 洋二
は言ってのけたものだ。
「僕はこの島のそんなところをこそ愛おしく思うよ。それに」
「それに?」
「こうして君と街を歩く口実にもなるからね」
「えー、理由がないと誘ってくれないんですか?」
「おっと、これは一本取られたな」
碧南が彼と恋人となって、数か月が経った。ぎこちなかったやりとりも鳴りを潜め、素直な気持ちを言葉に表現する術を見い出し、会話にもいくらか利いてきた頃合いだ、ウィットというものが。
碧南の進学が決まってからは忙しい日々が続き、そうした蜜月も遠からじといった慌ただしさや焦燥がしばしの間胸をざわつかせていたが、今日という日はどうやら寝子島住民総員が浮かれがちのようである。そのおかげか久方ぶりのデートとなり、碧南もまた浮足立った。小谷 幸平様々といったところか。
「それにしてもすごい騒ぎですね……」
「その価値のある記録ということだね。僕は野球に明るくはないが、それでも彼と同じ時代に生まれたことをどこか誇りに感じてしまうよ」
言われてみれば碧南も同じ気持ちであるかもしれない。碧南とてアスリートであるから、世界中にこうも話題を振りまき記憶に残る偉業を打ち立てることがいかに奇跡的なことであるか、洋二にもまして実感するところだろう。
「私もいつか……小谷 幸平ほどじゃなくっても、みんなの記憶に残る活躍ができたらいいな」
「できるとも。自慢じゃないが僕は、人を見る目は確かなんだ」
眠そうな目で不意にそんなことを口走るからあなどれない。恋愛において彼の対碧南打率は実に3割越えなのだ……どきりと胸を弾ませながらそんなことを考えた。
洋二の目当ては寝子電スタジアムで公開されているショートフィルム「奇跡の男・小谷 幸平 ~まだ見ぬ大地を目指して~」であったが、付随して行われているちびっこ野球教室にも顔を出してみることにした。プロ野球選手が子どもたちの指導しているとかで、一見の価値ありだ。碧南としては付き合いのつもりであったが、会場を覗いてみればこれが案外と熱気にあふれ、バトルフィールドに立った時の己の昂揚を思い起こさせた。
「小谷の古巣ファイザーズ所属の半波選手に、ニャイアンツの巣鴨選手。東武ライガーズの加藤選手に……そうそうたる顔ぶれじゃないか」
さほど詳しくないと言いつつ、洋二はプロ野球やメニャーリーグの知識を一応仕入れてきたらしい。
「すごい選手なんですか?」
「常に一線で活躍するスタープレイヤーたちだよ。子どもたちも大喜びだね」
確かに会場で手取り足取り指導を受ける野球少年・少女たちは憧れの存在たちに目を輝かせ、彼らに少しでもいいところを見せようとしてか懸命に白球を追いかけ、何とも微笑ましい。
などと頬を緩ませながらに眺めていたら、なんと選手の一人から碧南らへ声がかかった。
「見ているだけもつまらないでしょ? ちょっとやってみませんか」
「ええっ。私ですか……!?」
「いいね、行っておいでよ。僕はここで見ているから」
「って、洋二さんはやらないの?」
「球技は苦手でね。それにここで君の美しい身のこなしを見ているほうが楽しそうだから」
碧南の頬はたちまち茹るように赤く染まった。彼の運動はするより見るほうがいいといういささかの不精には気づかぬまま、プロ選手とキャッチボールをすることになった。
「よ、よろしくお願いします……!」
「リラックスリラックス。それにしても背が高いね、モデルさん?」
「め、滅相もないです!」
もとよりアスリートである。バスケで鍛えた身体能力や集中力、動体視力をいかんなく発揮すればプロ顔負けのスーパーキャッチも飛び出し子どもたちも驚いた。にわかに注目の的となった碧南の様子を洋二は誇らしげにじっと見つめ、なんだかむず痒くも幸福な気分に酔いしれる碧南であった。
子どもたちともどもにプロ選手たちのサインをもらった後、二人はショートフィルムの上映会場へ。人工芝に腰を下ろしてゆったり鑑賞できるスタイルで、二人並んでゆったりと座り巨大なスクリーンを見つめた。
見れば見る程小谷 幸平の歩んできた軌跡は常人離れしており、いささか現実味がなく遠い人物であろうと思わせるインパクトがあったが、それが故に痛快であり、知らずのうちに昂った。
それはどうやら、隣の彼も同じであったらしい。
「あっ……」
「やはり小谷はすごいんだな。こうしてあらためて彼の偉業を目の当たりにすると、自分まで嬉しくなってしまうよ」
「そ、そうですね……洋二さん」
気づかぬまま彼は力強く碧南の手を握りしめ、碧南はまたしても頬を赤くした。
血が上った頭でふと、考える。碧南もコートに一つの球を追いかけるプレイヤーだ。例えば……自分がこの先秘めた才能を並ならぬ努力でもって開花させ前人未到、驚くべき記録の数々を打ち立てたとしたら? 世界中で気迫あふれるプレイを見せつけ確固たる地位を築き上げ、ある時に寝子島へと凱旋したとするなら、出迎えた彼はどんな顔をするだろう? このように興奮するまま手を握りしめてくれるだろうか? あるいは抱きしめるだろうか。
「なんて……」
「ん? どうかしたかい、碧南さん」
慌てて首を振った。
夢を見るのは自由だ。スクリーンの向こうの彼が証明しているように、夢を実現してみせた先達がいる。碧南がそうできないとも言えまい。
いつかは私も……そう思うと、甘いデートのはずが何だか身が引き締まり、碧南は彼の手を熱く握り返した。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月22日
参加申し込みの期限
2024年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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