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\ オーバータイム!/
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とおりゃんせ。
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【ちがう道、いつもの笑み】
手をつないで、明るい日の光の下をゆっくりと、一瞬一瞬をたしかめるように歩きます。
姫木 じゅん
がお休みの日にはたいてい、そうして外へ出て過ごしました。
かつての
朝鳥 さゆる
には、想像もできなかったことです。それが罰であるかのように、毎夜いたずらに自分を傷つけて、振りかえりもせず……今では信じられません。なぜそんなふうに振る舞うことができたのだろう、と。あの頃はこんななんでもない一日が、途方もなく遠いかがり火めいて思えたものです。
「で、なにがほしいんだっけ、さゆる」
「フライパン。うちにあるのは古くて焦げ付いちゃってるから、あたらしいのがほしいのよ……あ、もしかして思い入れのある品物とか」
「いやーないない。昔さ、しつこい客から、まみちゃんにプレゼント! なんつって押しつけられたのよねーあれ。でも高級なわりに良くなかったわね、買い替えちゃおう」
ざっくりとプランを立てながら、キャットロードへ。あらかじめ記しておいたメモをたよりに日用品を買いそろえ、さて調理用具も見てみようか、このへんでそーいうもの売ってるお店ってどこ? とスマホの地図情報を片手に探していたら、
「お!」
じゅんのなにやら、弾んだ声。
「ねえ、この道ってとおったことあったかな? ちょっと行ってみない?」
キャットロードのちょうど裏手の細い路地です。こじゃれた民家の並びが見えるほか、いくつかお店もあるらしく、色あざやかなのれんやのぼりが風にたなびいているのが目につきました。
「いいけど……そんなに都合よく、探し物が見つかるかしら」
「まあ見つからなかったらそれでもいいよ。楽しいじゃない? こういうの」
探検探検♪ と足取り軽いじゅんに手を引かれて、さゆるも裏通りへ。
たしかにこんなのも、ありかも。これと定めて一直線に向かうより、ふんわりまったり、ほとんど風まかせ。かっちりしていないことが心地よく、ああ、自由ってこういうことなんだ。かつての自分が閉じ込められていたのはいかなる堅牢な檻であったのか、さゆるは今さらながらに気づきました。
にゃあにゃあ、ふにゃあ。にゃおー! 寝子島にはよく見られる猫だまりが、この裏道にもあったようでして。それもどうやら今時分は、お昼寝タイム! 野性を放棄してうにゃうにゃふにゃんとユルみまくったにゃんこたちが、だらーんとおなかを見せて寝ころんでおりました。
「か、かーわいいいいいい!!」
「さすがに油断しすぎじゃない? この子たち野良よね。こんなので生きていけるのかしら」
「さゆるが大丈夫だったんだから、大丈夫でしょー」
「……あたしは野良猫じゃないんだけど」
くちびるとがらせて苦言を呈すると、じゅんはにーんまり。
「あー、見てたらこっちまで眠たくなってきちゃう。あたしもいっしょに寝ちゃおっかなー?」
「服が汚れるからやめておきなさいね」
さゆるのちょうど10歳上のじゅんは、さゆるよりよほどに子どもっぽくて、これで案外生真面目なところのあるさゆるなどはときどき、あきれてしまうこともありました。と同時に、そんな彼女が弛緩して油断して隙だらけなところを見せてくれるのは、きっと恋人の特典なのだろうなとも思います。お仕事中の彼女はお客に甘えるそぶりを見せながら、決して心の奥底までさらけだそうとは思わないでしょうから。
猫だまりをあまさず堪能した後、もう少し進んだ先には公園がありました。入り口付近の花壇は地域住人が手入れをしているのか、丁寧に整えられていて美しく、なかなかの見ごたえです。
「綺麗ねー。えっとこの花は……そうそう、アリッサム! 花言葉は『奥ゆかしい美しさ』ね」
「よく知ってるのね。あ、仕事で花を贈られたりするから?」
「んー、それもあるけど。どちらかといえば、ありがたいバイブルのおかげ?」
つまりマンガやアニメで仕入れた知識のようです。年の功、なんていうとじゅんは眉毛をひん曲げて嫌がりますけれど、実際彼女は博識です。趣味を通じて覚えた言葉や知識もあれど、そこはやっぱり、年上の彼女の豊富な人生経験を実感するところです。いつもは少女めいてあけっぴろげで、恋人であり友だちでもありながら、時としてそんなふうに彼女のオトナを際立たせるものだから、さゆるはどきりとしてしまうのでした。
「それじゃ、この花は?」
「ゼラニウムね。赤いゼラニウムの花言葉は……ふふふふっ」
「なに? ヘンな言葉なの?」
にっこり笑って、さゆるをのぞきこんで、
「『君ありて幸福』。ふふふ♪」
おどろいたことに、裏通りの終端付近には、ふたりの求めるお店がありました。
「厨房器具あります。だって」
「フライパンもあるかしら」
どちらかと言えば卸売りがメインでありながら、小売りにも応じてくれるようです。なかなかに年季の入った、厨房器具専門店です。細長く背の高いちょっとイビツな店舗に、コンロやオーブン、グリル、キッチンシンクといった大型の器具から包丁、お鍋、まないたといったものまでずらずらずらり。所せましと並んでおりました。もちろん、フライパンも。
「取っ手のとれるタイプがほしかったのよね。そのまま食卓に出せて便利じゃない?」
「いいね。これなんかどう? ほどよい大きさでウチのキッチンにぴったり」
「そうね、良さそう……あら」
ふと目に付いたのは、泡立て器です。電動・コードレスで大きさもコンパクト。お値段もコンパクト!
「いいわね、これ」
「なになに、ケーキでも作ってくれるの? クリームとかかき混ぜるやつよね、これ」
お料理にはちょっぴり縁遠いじゅんの言葉にうなずくと、彼女は目をかがやかせて、
「買おう買おう、買っちゃおう。フライパンといっしょにさ」
わくわくを隠しきれない顔で言うものだから、やっぱり年上には見えないな、とさゆるはちょっぴり苦笑いをもらしました。
買い物袋をさげて、ならんでふたり、帰り道。なにげない一日、なにげない時間。
「さゆる、今日の晩ごはんは?」
「生パスタを買ったでしょ。エビのトマトクリームパスタっていうのはどう?」
「おーっ、美味しそう!」
天真爛漫な彼女の笑顔。どれほどに貴重で、得がたいものであることか。
その幸福を抱きしめるかのように、さゆるは今日も、やわらかく笑むのです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年08月17日
参加申し込みの期限
2024年08月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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