this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
とおりゃんせ。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
10
つぎへ >>
【ふたりの花壇】
「なんだよ。ずいぶん暗えな……」
吸い込まれそうな暗闇が、
京極 花音
の前に伸びています。たしかにせまく細長く、街灯や明かりもない裏路地です。そこへ今から足を踏み入れようという花音の足はちょっぴりカタカタと震えていたかもしれません。オバケはコワイので。
「……い、いくしかねえ」
ちょっとした用事、簡単なおとどけものです。いつもアルバイトしているお花屋さん、今日のシフトはお休みですけれど、わすれものを取りに寄ったところで、これから配達に出るのだと店長さんが言いました。聞けば配達先は、花音の自宅への帰り道のすぐ近く。少しだけ遠まわりすれば、立ち寄ることができそうです。
「安請け合い、しちまったかな……」
いつもお世話になっているからと、花音は代わりの配達を申し出ました。彼のコワモテに隠れがちな親切心ややさしい心を店長さんも知っておりましたし、きっと信頼されていますから、じゃあお願いしようかなとおまかせされるのも必然の流れではあったことでしょう。
肝心の品物は、小さな鉢植えのチューリップ。定番でシンプルであたたかみのある、チャーミングなお花をかかえて花音がやってきたのが、この薄暗がりに沈む路地でした。スマホの道案内によればどうやら、この先に目的地のお家があるようなのですけれど。
「なんでこんなに暗いんだ? まだ真っ昼間だってのに」
おっかなびっくり、闇に沈む細道を進みます。引き受けてしまったからにはもう、あとには引けません。なにしろ店長さん、特別なお客さまへの特別な配達なのだと言っておりましたし。
それにしても暗すぎて、道は数メートルの先も見えません。頭上を見上げればぴしりと切り取られたように、細長い青空があんなにも輝いているというのに。不思議なことに太陽の光は、なぜだかこの道に限って照らし出すのをやめてしまったかのようです。
それにそれに。先ほどから前方の暗がりに、なにやら気配を感じます。誰かがいるような。たたずんでいるような。いやそもそも、『誰か』なのでしょうか? 『ナニカ』では? 人ならぬなにものかが、こんな奇妙な裏道にはひそんでいたりするのでは……?
「ううっ」
オバケ、ニガテです。鋭い眼光、ときに子どもを大いに怖がらせて泣かせてしまうこともある、一見ワイルドで屈強なオトコといった風情の花音ですけれど、オカルト耐性はきわめて低水準。怖がりもいいところです。配達先がこんなところと分かっていたら、やめておけばよかった、でも今さら引き返せないし、引き返すのも怖いし、進むも地獄帰るも地獄ってね、つーかナンか光ってねえか? 暗闇の中に白っぽくぼんやりと、あれなに? マジで? マジオバケ……?
ぐるぐるぐるりと思考もめぐりながら、それでも歩みを止めず突き進むのはもはや意地。そして引き受けた仕事を完遂せんとする彼の強い責任感のタマモノであり、歩を進めるごとに浮かび上がる白いぼんやりはくっきりと鮮明になってゆき、それが人の顔であることに気づいた瞬間、
「あら? こんなところで、奇遇ですね。京極さん」
「ぎゃあああああああああ!?」
花音はしっぽを踏まれたイヌのように飛び上がっておりました。
(お、俺はいったいなにをしてるんだ? なんでこんなことになってんだ?)
あいもかわらず暗い道を歩んでおりますけれど、怖がりの彼にもはや恐怖はありません。かわってその胸を占めているのは、とまどいと昂揚。どきどきです。
「ごめんなさいね、京極さん。重たくないですか、わたし。だいじょうぶですか?」
「だだだだ大丈夫っすよぜんぜんこんなの、軽いもんっすよははははは。し、し、静さん、軽いっすねえ」
暁月 静
。花音のバイトするお花屋さんの常連客で、花音の想い人。小柄で細くて、清楚系で明るく快活、ちょっぴり天然な、素敵な女性です。
そんな彼女を今、花音はその両手に抱きかかえておりました。いわゆるひとつの、お姫様抱っこというやつです。どきどきです。ちなみに彼女のバッグは花音が肩にかけ、配達物のチューリップの鉢は静がそっと両手に抱えています。
「あんなところで、靴がこわれてしまうなんて。びっくりしちゃいました」
「足、だいじょぶっすかね……病院行かなくて、本当にいいんすか?」
「はい、そんなにひどくありませんから。少し休めばなおりますよ。ふふ、京極さんはやさしいですね」
「いやややや、そんなことはっ」
道に迷った天然静さん。細道へ入り込んでしまったところで、石畳にブーツのヒールを取られてしまい、うっかり足首をひねってしまったそうです。痛くて歩けなくて、しばし道の脇で休んでいたところ、通りがかったのが花音だったというわけでして。なんたる偶然でしょう。
「っつーか、静さんこそ。無理に俺につきあってくれなくても……配達はまた来りゃあいいんですし」
「いえいえ、京極さんこそ! わたしのことなんて放っておいて、お仕事を……」
「そりゃあ無理ってもんですよ! 静さんを置いてくなんて!」
「どうしてですか?」
無垢な笑みでたずねられて、うぐっと言葉につまってしまいました。どうしてってそりゃあ、ねえ?
「京極さん、どうしてですか? どうしてわたしを置いていけないんですか?」
「おおっと!! どうやらここが配達場所みたいっす!」
瞬間。ぶわわっ!
「わあ……」
「こ……ここ、だよな?」
細道の暗闇がウソのようにひらけて、広がる一面のお花畑。街中のどこにこんなスペースがあったものでしょう、びっくりするくらい広くて、丁寧に手入れされていて。きらきらと輝くような、素敵な庭園でした。
「あ、京極さん、あそこ!」
腕のなかの静が指さすほう、庭園の一角はチューリップ畑になっていて、そのいちばん端っこにぽっかりと、鉢植えの花がひとつ収まりそうな穴が開いておりました。ご丁寧なことに、『↓ここに植えてね♪』と木板にメッセージも書かれています。
「素敵な場所ですね。とっても綺麗。それに、ちょっと不思議……まるでこの世の光景じゃないみたい」
「そうっすね。綺麗っす……」
花音はしばしそうして、みじろぎもせず、どこか神々しく荘厳な庭園を見つめました。腕に彼女の軽さ、ぬくもり、鼓動のふるえさえ感じながら。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
とおりゃんせ。
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年08月17日
参加申し込みの期限
2024年08月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!