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とおりゃんせ。
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【純粋】
「わ~~~♪」
いつもながらの暴走機関車ぶり。愛娘は日々成長し、どこまで抑えきれるものかとちょっぴり心配になりますけれど……あわてて追いかけて、むんずっ。
「こーら、楓。走らないの。またころんでお膝をすりむいて、泣いちゃうわよ?」
「むー。泣いてないよー!」
「泣いてました~」
「泣いてないもーん!」
そろそろ抱き上げるのも大変になってきましたもので、えりくびをつかまえて娘にストップをかけ、かわりに手をつないでやりました。
梓 智依子
は時の流れを実感しつつ、楓がしきりに指さすほうへ目を向けますと。
「ああ。駄菓子屋さんね」
「うんっ」
「こんな裏路地にお店があったのね。楓、行ってみたい?」
「うんうんっ」
首、取れちゃわない? ってなくらいにうなずく小さな頭をぽんとやって、参道商店街近くの細道へ入ってみることにします。
旧市街にはこんなふうに、隠された秘境がたくさんありました。裏道、細道、表からは目につきにくい小路がいくつも走っていて、古き良き民家の並びや知る人ぞ知る名店をいくつも見つけることができるでしょう。踏み込めばさながら、宝探しの気分です。
駄菓子屋さんはそんな裏通りのひとつで、気の長い店主のおばあさんが長年のんびり、主に地元のお子さんを相手に営んでいる老舗であるようです。
「みてママ、にゃんこ!」
「看板猫ね、かわいい」
さび色の猫は母娘をタイクツそうにひとつ眺めて、ふみゃーお。大あくび。楓がそれを真似するのがなんだかおかしくて、智依子はくすりと笑みをこぼしました。
「あらあら、いらっしゃい。おじょうちゃん、駄菓子はお好き? ゆっくり見ていってちょうだいね」
「こんにちはー!」
ぴしりと手を上げて、楓はごあいさつ。智依子と祖父母の教育のたまものでして、実にまっすぐ育っています。
店内には定番から変わりダネまで駄菓子がずらずらり、極彩色の包装やパッケージは少々目にチカチカするくらいですけれど、見ているだけで飽きません。
「楓、一個だけね。好きなの選んでいいわよ」
「ええー? おじいちゃんとおばあちゃんにもおみやげ、あげようよー」
なんて、祖父母はそんなにばくばくとお菓子を食べないし、結局ほとんどを楓がたいらげることになるのですけれど。
「しかたないわね。じゃ、ふたつまでね」
「ええー?」
「ふたーっつ!」
「はーい」
ぷくりとほっぺたふくらませた楓を、店主さんは微笑ましく見つめています。きっとこんな子どもたちを長いこと、このお店で見守ってきたのでしょう。
「じゃあねー、これとねえ……これとねえ、これとねえ」
「楓ー?」
「むー」
なやんでなやんで、選んだ『ねこざくら餅』と『ニャロルチョコ』の10コ入りの上に、おばあさんがそっと『ネコカステラ』を添えて、しーっ。楓へ人さし指を一本立てたのに、智依子は苦笑いしつつしらんぷりをしました。
裏通りには隠れた楽しみがいっぱい! たびたび飛び出してくる猫たちに楓は逐一目をかがやかせ、食べ物屋さんのいいかおりがふうわり届くたびにあれたべたい、これたべたいとせわしなく、智依子もちょっぴりてんてこまい。でも、退屈はしません。
「もー、そんなになんでも食べられないでしょ? でも、そろそろお昼ごはんの時間ね。どこかお店にはいろうか」
「あーっ!」
すっとんきょうな声は、楓のものではありません。目の前のお蕎麦屋さん、これがなかなか年季の入った貫禄あるたたずまいですけれど、その店先でなにやら跳びはねているのは、高校生くらいの女の子。
「あー、いっちゃん!」
「楓ちゃんだー♪ おっすおっすー、いえーい元気ー?」
「げんきー!」
「智依子さんもちーっす! 今日は楓ちゃんといっしょにお散歩? いい天気だもんねえ」
「あら……笛吹さんだったのね。こんにちは」
笛吹 一花(うすい いちか)、智依子のクラスメートでした。細めた糸目が印象的で、いつもハイテンションな元気印。クラスの中心で場を盛り上げるムードメーカー。そういえば、周りよりいくらか年上でおまけにワケアリ、な智依子をそんな女子高生たちの輪のなかにぐいと引っ張り込んでなじませてくれたのは、彼女でした。
一花と楓は学校の外で何度も顔を合わせているもので、もうすっかりなついていて、仲よしなのです。
「そういえば笛吹さんは、お蕎麦屋さんがご実家と言ってたわね。このお店がそうなのね」
「そーそー。ねっ智依子さん、お昼たべた? まだ? まだでしょ、ならウチで食べてかない?」
「たべてこー! ママ!」
「ほらほら、お子さんもこーおっしゃってることですし♪」
そんなわけで、老舗蕎麦店『耳福』へおふたりさま、ご案内~。味わい深い木造の風情を感じつつ席へつき、もりそばをふたつ注文。小さな楓は小盛で、取り皿もつけてもらいます。
ふと気づくと、カウンターの奥から一花のご両親が人のよさそうな笑みを向けて、ぺこりと会釈をしてくれました。
「は~い、おまちどうさま! もりそばふたっつ」
「あら? 天ぷらもついてるの? 私、頼んでいないけれど」
「それはね、サービス。とーちゃんがつけてやれって。遠慮しないで食べて食べて!」
なんてことを、今日は実家のお手伝いに精を出しているらしい一花が言ってくれるもので、ありがたくいただくことにします。
こだわりの十割そばは風味もばつぐん、がつんとダシのきいたつゆにつけてすすると、智依子は思わずちょっぴり目を見開きました。こうもパンチのあるお蕎麦はなかなか、食べたことがありません。見れば楓もちゅるちゅるちゅる、ちょっとつたない箸さばきでもって、もう夢中です。
「楓、おそば、おいしいね」
「うん! いっちゃんのおそば、おいしー!」
ちゅるちゅるちゅるん。大ぶりなエビの天ぷらもさくさく、ぷりっと美味しくて、大満足のお昼ごはんとなりました。
「またきてねー、楓ちゃん! ありがとうございましたー♪」
にこにこ手を振る一花に見送られて、旧市街の裏道をふたたび進むと、そのうち大通りに出て、ぱあっと視界が開けました。
「おそば、おいしかったー。こんどねー、おじいちゃんとおばあちゃんもつれてきてあげよー?」
「そうね、また今度ね」
智依子はふと後ろを振りかえると、あらためて裏道をながめます。
寝子島へやってきてしばらく経ちましたけれど、まだまだしらないところ、しらないお店がたくさんあるみたい。これからもきっと、たびたびしらないものと出会うことでしょう。
それらにふれて、これから楓はどんなふうに、大人になってゆくのでしょう。
「あっ、ママ! ケーキやさん!」
「……だいじょうぶ? おなかぽんぽんじゃない? 食べられる?」
「たべれるもんー!」
「しかたないわね。それじゃ、3時のおやつに買っていきましょうか。おじいちゃんとおばあちゃんの分もね」
「やったー!」
今はまだ天真爛漫、純粋無垢。このまま真っすぐに育ってくれたら、と智依子は頭上の深い青空へ願いました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年08月17日
参加申し込みの期限
2024年08月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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