this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ハレよ、風吹け ~ぼくらが幸せでありますように~
<< もどる
1
…
33
34
35
36
37
…
50
つぎへ >>
すこし休んで、いろいろ話して
「ねぇ、しばっち。ほかの寮がどんなパーティーしてるか気になるから行ってみない?」
高梨 彩葉
と
志波 拓郎
は、3年間お世話になった桜花寮のパーティを抜け出し、星ヶ丘寮へと向かっていた。
パーティは勿論楽しく思い出深く、賑やかでもあったのだけれど、拓郎は人の多さに酔ってしまっていたようだったし、彩葉としても二人きりの時間を作りたかったのだ。
あまり急がず歩んでいると、行く手に小さな公園があるのが見えた。
ブランコと砂場とベンチがあるだけの名もなき公園を指差し、拓郎は言った。「少し休んでいかない?」と。
「あっという間の三年間だったねー」
ベンチに腰かけた彩葉は足をぶらぶらさせている。
隣に座る拓郎は、言葉少なに空のブランコを見つめていた。
無言がつくる隙間に、寝子高での思い出、二人の思い出が、泡のように浮かんでは消えゆく。
「いろいろあった、あっという間だった気もする……楽しかった、すごく」
「入学したばかりの頃のはじめてのホームルームで風紀委員になって、七夕にはしばっちとデートもしたっけ」
「シーサイドタウンで観た初日の出……眠かったけど、いっしょに見れて、嬉しかった」
「私もだよ。バレンタインやホワイトデーも……思い返してみると随分一緒に過ごしたよね」
溢れてきた涙が頬を伝う。目の前が滲み、揺らいでいく。
「彩葉、さん……?」
「あ……あれ、やだ、卒業式ぐらい笑顔でまたねって言おうと思ったのに」
彩葉は慌ててハンカチを取り出し涙を拭いた。
それでも熱く塩辛いそれは、あとからあとから溢れてくる。
「ご、ごめんね! いきなり泣いちゃって……! 高校生って、ただそれだけで毎日学校で会えていたのに、これからは毎日は会えなくなるって……寂しくなっちゃって……」
「うん」
拓郎はゆったりした動作で、彩葉の頭をよしよしと撫でた。
「さみしいけど……頑張れるよ、俺たちなら」
「しばっち……っ」
鼻の奥がつんとする。涙の温度が一段上がった気がした。
彩葉は、拓郎の肩に頭を預けて、哀しみを押し出すように泣いた。
数分か、数十分か……どれほどそうしていただろう。拓郎はずっと頭を撫で続けてくれている。
嗚咽は収まりつつあったものの離れがたく、拓郎の肩に寄りかかっていた彩葉は、突然足元にもふりとした感触を感じて飛びあがった。涙を堪えて上を見上げていた拓郎も、人懐こい猫が二匹三匹と集まってきている様に驚いた声を上げる。
「い、いつの間に!?」
「おいで」
彩葉が呼ぶと、好奇心旺盛そうな茶トラの猫が遠慮なく膝の上に乗ってくる。
「あはっ……よしよし、撫でて欲しいの?」
頭を掻くように撫でてやると、猫は気持ちよさげに目を細くする。
「自分も、いい、かな」
拓郎も首元を撫でてやる。もふもふして気持ちのいい手触りだ。猫はゴロゴロと喉を鳴らし始めた。
と。
「なんだろう、このキラキラ……花びら?」
猫のゴロゴロに呼び覚まされたかのように、あたりに桜の花びらに似た光るものが現れて、空へと舞い上がってゆくではないか。
「すごくきれい……もっと撫でたら沢山でてくるかな?」
拓郎が足元に集まっていた別の猫も撫でてやると、思った通り、浮かび上がる花びらの数は増えた。
「綺麗だね」
彩葉の言葉はこの光景を指してのものだったが、拓郎はむしろ猫を撫でる彩葉を見ていた。
「猫を撫でる彩葉さんに、舞うキラキラ……すごく綺麗だ」
「ちょ、照れるよ、しばっちったら」
「写真、撮っていい?」
「……いいよ」
了承を貰い、スマホを取り出す拓郎。彩葉は猫の顔と自分の顔を近づけている。
キラキラと舞い上がる輝きの中で、泣き腫れて赤くなった瞳に笑みを浮かべる彩葉の姿は、拓郎の胸を愛おしく締め付けた。拓郎はシャッターを切った。いい写真が撮れた気がして、今撮ったものを確認する。
「あれ」
「どうしたのしばっち」
「キラキラ、映ってない」
何度か試してみたが、目には見えている花びらのようなキラキラは、写真に映らぬもののようだ。
「不思議だね」
「うん。……でも、彩葉さんと猫は、よく、撮れてる」
「それで十分だよ。これで私はずっとしばっちのスマホの中にいられるね」
彩葉は笑った。その瞳にはもう、涙はない。
「あ、そうだ」
猫たちのおかげで寂しさを慰められた拓郎は、ポケットから一枚の紙片を取り出した。
「自分、寮を出るけど、此処に一人暮らし……いつでも、遊びに来て……!」
そこには、丁寧な字で、桜花寮を出た後の拓郎の住所が綴られていた。
「シーサイドタウンのアパート?」
「兄貴……武道の部屋の隣、なんだ」
「教えてもらえてうれしい。私も」
彩葉も四月からの住所を拓郎に教える。故郷の製菓の専門学校に通うことになる彩葉の新住所は島外のものだ。遠距離恋愛。これからはそうなる。
「本音を言うとすごく寂しいけど……でも、もう大丈夫」
彩葉は涙の名残を拭い拓郎の手をとって立ち上がった。
猫たちに手を振って、歩いていこう。――幸せな未来へ。
<< もどる
1
…
33
34
35
36
37
…
50
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ハレよ、風吹け ~ぼくらが幸せでありますように~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
79人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年08月04日
参加申し込みの期限
2024年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!