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ハレよ、風吹け ~ぼくらが幸せでありますように~
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神様どうか見守っていて
夏朝と夏夜という娘たちの卒業を見届けた
恵御納 理沙
、
恵御納 久隆
夫妻は、娘たちと別行動をしてのんびり寝子島散歩に出た。
夫妻はふだんは茨木に居を構えており、娘たちは高校三年間は寮暮らしだったため、ふだんは夫婦二人で暮らしている。結婚してしばらくするとお互いの粗が見えて夫婦仲が冷えるカップルもいるが、理沙と久隆は結婚して十数年ずっとラブラブで家族思いなのは変わらない。悲しいことも嬉しいことも一緒に乗り越えて、その絆は年経るごとにいっそう深まっている。
「学校行事やイベントでは何度も来ているけれど、こんなふうにゆっくり寝子島を歩いたことはあまりなかったわね旦那様」
「ああ。帰る時間まではまだ間がある。娘たちが愛した島を見て回ろう」
「夏朝ちゃんと夏夜ちゃん、打ち上げも楽しんでるといいけど……」
「そうだな……泣いていたようなので、気がかりだが」
久隆はすこしだけ幼かったころの娘の泣き顔を思い出していた。あの子は大きくなった。心も体も……。
「もう、親に出来ることはあまりないな」
「そうね。でも何故かしら、大切な事を忘れた気がして悲しいの」
「……」
それは久隆も感じるところだった。
「お参りでもしていこうか。寝子島神社で」
「ええ。神様に手を合わせたらきっと大丈夫よね」
向かった先の寝子島神社の鳥居前には今日も狛猫が――
「あら? いないわ?」
見れば、境内には猫たちが集まり、昼から猫の集会になっているようだ。
「寝子島神社って猫ちゃんが多いのね?」
「いつもより多い、気もするが……どうなんだ」
毎日見ているわけでもないのでそういうものかと思いつつ、まずは参拝する。
(木天蓼大学に通う娘達を……見守っていてほしい)
ふたりは同じことを神に祈った。
(本当は喪った我が子・冬夜を、もう一度私達の子として迎えたいと願いたかったけれど……)
(それは神に願うより私たちが尽力することだからな)
言葉を交わさなくてもお互いに何を考えているかわかるときがある。
理沙はそっとお腹に手を当てる。久隆はそんな理沙の背に手を添えて妻を思いやった。
それから二人は境内で、ご祭神のお三夜様に似た――というか本人だったが――黒猫や、狛猫に似た猫――こちらも本人――をなでなでして神社をあとにした。
「みて旦那様、公園があるわ」
散策の果てに理沙が指差したのは一休みできるベンチがある小さな公園だった。
「ここも猫でいっぱいだな」
「今日はきっと猫を愛でる日なんだわ」
理沙は嬉しそうに駆けだして、猫を抱いてベンチに座る。理沙に手招きされて、久隆は隣に座った。
あたりはぽかぽかいい陽気。猫たちも日向ぼっこを楽しんでいるようだ。
「夏朝ちゃんたちが寝子高に入学してからの三年間、色んな事があったわね」
「そうだな……色んな事があった気がする」
「振り返ってみれば、この三年は私たち一家が癒され立ち直る為のひとときだったわね」
「ああ……」
久隆は祈るように組んだ手を額にあてた。
夏朝の中学時代は受難と言ってもよかった。理沙は夏朝を守れなかったことを悔いていた。
そして生まれてくる前の息子の喪失……当然だが理沙はひどく傷ついた。
「君にもみんなにも苦労を掛けた。私は多忙な職を捨ててでも家族を守るべきだった」
「あなたはあのとき出来る精いっぱいをしてくれたわ。引越しや転勤、転校は簡単ではないもの」
「だが私たち家族は……」
久隆の口元に滲むのは後悔だ。夏朝が中学生だった間、見た目の平穏さとは裏腹に家族は壊れていた。久隆は振り返ってそう感じる。ようやくそれを認めることができるようになった。
「……必要だったのよ、時が。この三年間が。
娘たちを寝子島に託した三年間のお陰で、私たち前を向けるようになったわ」
理沙の胸にも様々な感情が去来する。
知らず涙ぐんでいると、いつのまにか傍にいた中学生くらいの女の子がハンカチを差し出してくれた。どこか猫っぽい雰囲気のある少女だ。
「あら……ありがとう。このあたりの子かしら」
「近くて遠いところの子ですにゃ。猫座 みつえといいますにゃ」
などと名乗ったが、その名前は仮のもの。本当はほしびと・
ミーツェ・M・フェリス
の寝子島での姿だ。
「大丈夫ですにゃ。猫が可愛いからぜーんぶ大丈夫なんですにゃ。猫はぜーんぶ許しますにゃ」
事情を知っているはずもないのに、みつえの言葉は、理沙と久隆を勇気づけてくれた。
「いっしょになでなでするですにゃ……あれ?」
撫でられた猫が気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らすと、花びらが輝いて舞い上がってゆく。
みつえの目にも、理沙の目にも、久隆の目にも、その輝きは見えている。
「……この花びら、どこから来てますにゃ?」
みつえは、それこそ猫みたいな俊敏さで、光る花びらを追いかけて去ってしまった。
舞い上がった輝きをみていた理沙の心に、どうしてかこんな言葉が浮かんできた。
「ありがとう、神様。また来てね」
空に向かって感謝を伝える妻の体を、久隆は静かに支え続けた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
79人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年08月04日
参加申し込みの期限
2024年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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