this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
木の芽雨にはぐくまれ
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
8
つぎへ >>
【勝負!】
「……寝すぎた……」
寝まきがわりのロンTにパンツだけ、というのはたしかにうら若き乙女のいでたちとしていかがなものかと言わざるをえない。しかしながら
真境名 アリサ
はそんな自身を肯定する。抜けきらない疲労やダルさはアリサの勤労の証であり反動だ。せいいっぱい働いて稼いだ金と時間で多少なり惰眠をむさぼったとて、誰はばかることがあろうか。
まだぼんやりとした頭で、アリサはぽつりつぶやいた。
「おなかへった」
まあたまの休日に、時間も気にせず思うさま睡眠を堪能するのも悪くはないが、それはそれとして空腹にはあらがいようもない。
アラームの止められたスマホの時計を見れば、もう午後だ。昼飯どきはとっくに過ぎているし、今からどこか店へ、そうこの前からちょっと気になっている鳥白湯スープがウリのラーメン屋へ行ってみようか。なんていう前向きな気分からはちょっと遠くて、カラダの節々がなんだか軋む感じがする。頭が重い。いくらなんでも寝すぎた。労働の証だかなんだか知らないが、規則ただしく健やかな生活を犠牲にして成り立つものなどないのだ、明日からはもう少し気をつけよう、と当てにならない決意を意識の遠く片隅に固めるアリサだった。明日になったらたぶん忘れているだろう。
そんなわけできゅるきゅると切なく鳴き声をあげるからっぽの胃の主張には逆らえず、外出することにした。
「うわー、雨降ってるし」
しきりに降っているせいなのか、鳥白湯だろうが塩トンコツだろうが背脂たっぷり家系だろうがどうもラーメンの気分ではなく、がっつりなにかを入れるというより、昼はブランチとして軽いものを食べておくことにしようかな。夜になってまた胃が落ちついてきたら、ラーメンの気分になるかもしれないしね。あるいは焼肉だったりカレーだったり寿司の気分だったりするかもしれないけど。などと考えていたら、緑色のにゃんこが目に入った。
「は~。今日もねこびんちゃんはかわいいわね」
雨から逃れて駆けこんだのは『ネコの町のコンビニ』でおなじみ、
コンビニエンスストア「ネコンビ」
だ。アリサ宅の近所にもフランチャイズの一店があり、大いに活用させてもらっている。今日のように外食はちょっと、でも冷蔵庫の中身はカラッポ、なんてときには非常に助かる。ちょっとのぞけば必要なあれやらこれやらがなんでも揃ってしまうのだから言うことなしだ。
もちろんラーメンだってある。ナントカ亭のちょっとお高いブランドものカップラーメンなんかもずらり並んでいるが目もくれず、優雅なブランチにふさわしい野菜サンドイッチを手に取った。怠惰なスタートとなった休日に、せめてもの健やか要素を取り入れようとするいじましい抵抗であった。
さてサンドイッチのおともにと飲み物をと探していたら、
「お。ねこびんちゃんコラボ?」
『にゃごの紅茶』とネコンビのマスコットキャラクター、緑のにゃんこ『
ねこびんちゃん
』のコラボ商品を見つけてしまった。すさんだ客の相手をすることも多いガールズバー勤め、帰り道にとおりがかるネコンビの看板におどるねこびんちゃんはアリサのひそやかな癒しであったりした。おまけのねこびんちゃんミニフィギュアは飾ってよし、愛でてよし。なんと魅力的だろうか。
どうやらコラボ商品は最後の一本のようだ。疲れたアリサが、ねこびんちゃんに誘われるようににゃごの紅茶ストレートティーへと手を伸ばしたところで。
「……ん?」
「ザンネン。僕のほうがちょっとばかし、早かったね」
小学生くらいだろうか。小生意気そうなツンとした少年が、挑むような目でアリサを見上げていた。
「いや、どうみてもあたしのほうが早かったでしょ」
「僕の見たところ、お姉サンのほうが9フレームは遅かったよ」
「ふ、ふれ? なに?」
天才肌のゲーマー少年
といった風情の男の子は、ひとまわりも年上だろう女性にも臆することなく、まっすぐな瞳でアリサを見据えている。どうやら退くつもりはないらしい。
「あのね少年。目上のヒトは立てるもんよ? 世の荒波を上手に生き抜く処世術ってヤツね、お子さまには分からないかもしれないけど」
「イマドキ年功序列なんてハヤらないよ。いくらクールでカッコイイお姉サンでもね。勝負に情けは無用ってワケ」
「勝負とかじゃないのよ、礼儀とかマナーとかさ……っていうか、クールでカッコイイって? マセた子ね、まったく」
オトナの社交場でつちかった知恵も経験則も、いたいけな少年にはあいにく響かなかったらしい。とはいえアリサも、その経験則から年の功なんてものがときになんら意味をなさないこともまた知っている。つまらない大人にはなりたくないものだ。
ふう、とため息ひとつ。両手を上げて、
「わかったわかった、お姉さんの負けよ。ねこびんちゃんは君のもの。せいぜいかわいがってあげなさいよね」
「いやいや、それじゃあツマラナイよ。どうせなら、なにか勝負して決めない?」
せっかく年上の余裕をみせてやろうというのに、生意気な少年はそんなことを言った。アリサは腕組み、いぶかしげに眉をひそめずにいられない。正直にいえば、子どもを差しおいてまでにゃごの紅茶なりコラボ商品なりにこだわるつもりもない……が、今日は休みで、ぽっかりとあいた午後の時間を少々持て余しそうな気もしていた。
「勝負ね。ま、付き合ってあげてもいいわよ。で、なにするつもり? カプセルギアとか言わないでよ、今どきの子どもの遊びなんて分からないんだから」
「ナンでもいいけどね。ねこモンで対戦? 持ってなさそうだね。エレメンツ&ドレイクスとか猫戯王は知ってる?」
「知らない知らない。わかんない」
「フーン、じゃあ、ジャンケンでいいよ」
勝負の内容はなんでも良かったらしい。じゃあやろうすぐやろうと急かされるままアリサはじゃんけん十番勝負へ臨み、見事な全敗を喫した。少年いわく、じゃんけんにも必勝法があるとかなんとか。
かくして敗者となったが、ねこびんちゃんはアリサへと贈られた。
「カントー賞ってヤツ」
だそうである。
「生意気……」
じゃマタね、とチェック柄の傘をひらき颯爽去ってゆく少年の背中を見送りながら、憮然とした顔を浮かべたアリサだが、
「ま、退屈はしなかったかな」
なんだか個性的な子だった。またどこかで会って、他愛ない勝負を挑まれたりするだろうか。名前でも聞いておけば良かったかも。
雨はまだしばし降り続きそうだが、胸のなかは案外とさわやかだ。ねこびんちゃんミニフィギュアを手のひらに乗せてひとつ微笑み、鼻歌まじり。コンビニ袋を振りまわしながら帰った。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
木の芽雨にはぐくまれ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年07月01日
参加申し込みの期限
2024年07月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年07月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!