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木の芽雨にはぐくまれ
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【ねこまた雨情】
『space彩菓詩』
という店がある。すぺーすあやかし、と読む。ピンとくる者もあるだろう、あやかしのための観光案内所といったスポットである。霊界からやってきたばかりで右も左も分からないような幽霊に妖怪、付喪神へ寝子島の常識やらなにやらを助言し、霊界通貨を日本円へ換金し、なにかとお役立ちであやかしたちには重宝されていた。
だからそこへつとめる
八重 トラ
と
万条 幸次
が出会うとき、多くは接客中の彼女をしばしながめてから頃合いをみて声をかけるとか、あるいはろっこんで猫に変身した幸次へ猫又の好きなフードなど少しばかりごちそうしてもらったり、なんてなりゆきがほとんどだった。
「あらぁ? 奇遇ですねぇ♪」
古書喫茶『思ひ出』
のカウンター席へ腰かけるトラの姿を見つけたことに、幸次は彼女とのなにか特別なつながりが感じられて、胸があたたまるのを感じた。店の常連と店員さんな間柄からワンランクアップ、ちょっと親しい顔なじみへ、といったところか。
「こんにちは、八重さん。隣、いいですか?」
「どうぞどうぞぉ。奇遇ですねえ、幸次さん。このお店は来たことあるんですかぁ?」
「えっと、前に一度だけ」
万条さん、でなく幸次さん。やけに近しい彼女の距離感にちょっぴり、どぎまぎしてしまう。
『思ひ出』店内は静かだ。今は客もまばらで、自然、ふたりの声はひそやかになった。
店主へホットの紅茶とサンドイッチを注文すると、幸次はトラの手もとをなんとはなしにのぞきこむ。カウンターには寝子島の地図、名所や旧跡を案内するガイドブックなどがいくつか積まれていた。
「ああ、これですかぁ?」
幸次の興味深げな目線に気づくと、口元をゆるませた。
「情報収集? かな」
「そんなところですねぇ。新しいお店やスポットは、案外入れ代わりがはげしいんですよぉ」
space彩菓詩は寝子島と霊界、あるいは星幽塔に関する情報も取りあつかう。霊界や星幽塔からやってきた者たちのみならず、寝子島に住まう者がこちらからあちら側の情報や直近のできごと、星幽塔の酒場に張り出された依頼の内容までも参照することができたりする。それらを取りしきるトラの手腕は、思えば並大抵ではない。つねに必要な者へ必要な情報を届けられるのは、こうして日々の移り変わりを敏感に感じとり、利用者の声へ耳をかたむける、彼女の努力のたまものなのだろう。
「寝子島の猫さんたちから、あれこれお話を聞くこともありますよぉ。貴重な情報源ですから。そうそう、
花遊さん
ともたまにお話させてもらってますよぉ」
「ええ? い、いつのまに」
なるほど、寝子島中の猫とも手広く交友を深めているなら、そういうこともあろうか。ちゃっかり知り合いになっている愛猫には、あとで話を聞かねばなるまい。
「すごいんですね。八重さんって」
「いえいえ、それほどでも♪」
それにしても、不思議な女性だ。あやかしではあるが、やけに人間的でもあるし、寝子島の暮らしにもどうやら慣れているらしい。普段はどんなふうに生活しているのだろうか。幸次はなんだか、あらためて彼女に興味がわいてきた。
「あのう、八重さん。聞いてもいいですか?」
「なんでしょう? 私におこたえできることなら、なんなりと」
せっかくの機会だ、いくつかたずねてみることにする。
「八重さんって、寝子島に住んでるんですか? それとも霊界から通勤?」
「そのときによりますかねぇ。いろんなところへ行きますから」
みっつの世界にまたがり情報を集めるとなればたしかに、ひとつところを住まいと定めてもいられないのかもしれない。幸次が知るかぎり、彼女とはたいていいつも彩菓詩で会うことができるから、いつそんなにもあちこちめぐっているやら疑問だったりもするけれど。奔放で身軽な猫又ならではのフットワークというものか。
「……八重さんは、猫又のあやかしですよね」
「はい、そうですよぉ」
「もともとは、普通の猫だったんですよね?」
「そうですねぇ」
なんだかあらたまった問いに、トラは小首をかしげた。
幸次がふと思いうかべたのは、先にも話題へのぼった、花遊のことだ。
「うちの花遊がいつか、猫又になったりすることも……もしかしたら、あるのかなって」
あやかしは、人とはくらべものにならないほど長い時を生きるものも多い。そうでないものもいるが、たいていはそうだ。
「あやかしが人間以上に長生きするなら、そのときになったら……年を取った俺にしばられず、自由になってほしいなって」
「ふむふむ」
「ただ、あいつはずっと家猫だし外で暮らした経験なんてないから、俺がいなくなったあとに野良猫又になって苦労するより、ふつうの猫として一生を終えたほうがしあわせなんじゃないかって、そんなふうにも思えちゃって。でもこれは、俺の勝手な言い分かな……」
そんなふうにとりとめなく幸次の口からこぼれた言葉へ、トラはしばらく黙したまま耳をかたむけていた。けれどそのうち、ふわり、やわらかく笑みをうかべた。
「幸次さん。幸次さんは、やさしいんですねぇ」
「え。そうかな……?」
「幸次さんと花遊さんにとってなにがしあわせなのか、私にはわかりません。ただ」
「ただ?」
「思い出があれば、けっこう案外、なんとかなるものですよぉ」
そう言ってコーヒーをひと口ふくんだトラはどこか遠くを見つめて、怪訝そうな幸次の目に気づくと、彼女は糸目をさらに細めて微笑んだ。
最後にひとつ、とてもとても気になっていたことを幸次はたずねてみることにした。
「猫又も、猫舌なんですか?」
そういえば、彼女の飲んでいるのはアイスコーヒーだ。
トラはくちびるの前に人さし指を立てて、いたずらっぽく言った。
「ヒミツ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年07月01日
参加申し込みの期限
2024年07月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年07月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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