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ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街のおせっかいな寓話たち
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【"送りおおかみ"(2)】
「変質して……!」
佐和崎の杖がひるがえり、巨狼を愛らしい毛玉のような子犬へと変える。ほう、巨大な獣を小動物へ変質させるという着眼点は実によい。大仰な姿で己を鎧う者ほど矮小な心を内に抱えているものだ……偏見かね?
しかし毛玉は跳びはねキャンと鳴いた、どうやら効果アリだ。すぐさま初瀬川が踏み込む。
「今だー、解析して……って、あれ? あたしの杖は? っていうか、あたしの手は?」
「理緒ちゃん、変質してる!」
子犬の毛がざわつき、全身から飛び出した無数の杖が初瀬川を変えた。いったい何に? これは……ロボットだ! ブリキのロボットに変質した初瀬川はピーピーガーガー電子音をまき散らしながら、マニピュレータと化した手をがちがちと鳴らす。こういうの、男の子は好きだよな。
「こっちだ、こっち!」
志波と山田の致命魔法が降りそそぐ。まださほどに効力を発揮しない致命の魔法だが、敵の気を引き、仲間にリセットの隙を与えることはできるだろう。
しかしながら志波の直感にて選んだ杖は、朽ちた幽霊桜の光を帯びる残滓によってつくられたものだ。これがなかなかに扱いづらく難しい。
「ウワすっごい力吸い取られるカンジする!」
「その杖は難物や。気合入れて扱うんやで」
「うっす!」
その志波がカエルへ変質し、リセットする間に佐和崎が巨狼を子豚へ変える。しかし子豚は手足をキャタピラへ変化させ高速移動し、さらには杖から生み出された無数のミサイルが飛来し彼らを爆破した。そこへすかさず飛びこむ初瀬川はロボットのままだがこれが功を奏した、硬質なボディで爆発を受け止める。巨狼の姿を取り戻したLoreが巨竜へと変わり炎を吹けば、志波の致命の雷とぶつかりあい弾けて散った。
このめまぐるしい移り変わりこそがまさしく、魔法の戦いというものだ。
「なんだかゲームのなかの世界みたい……」
稲積の見つめた光景はまぎれもない現実だが、霊界に起こることは寝子島の者にとっては不確かな、夢のようなものであるかもしれない。
「とはいえどうやら、戦わなければならないようだねぇ。って、なんだいそれ」
「僕の得意分野で、なにか貢献できないかなって思って」
ブラックウッドがのぞき込むと、稲積が開封したのは白檀 カオルの店で買い求めた香水だろうか。稲積は香りをあつかうらしいな。霊界の植物から抽出したものとはいえ効果はまじないのようなものだろうが、なるほど、そうした機微が戦いの押し引きを傾けることもまた、無きにしもあらずといったところか。
香りを放出しつつふたりも戦いへと介入し、変質させ変質し、魔法戦を霊界の森が育てた闇火沈香のかすかな香りがいろどる。
「理緒ちゃん!」
「ふう、やっと戻った。紗月、もう一度変質させて! 今度こそ、解析してみせる……!」
「うん……!」
巨竜から今度は自ら巨大ロボットへ変わったLoreを、志波と山田の致命魔法が打ち据えた隙を狙って、佐和崎の乾坤一擲。変質の魔法は巨大ロボをちっぽけな恐竜のマスコットキャラクターへと変えた。
「解析!!」
初瀬川の杖がかがやき、怒涛の連打を放つ。
「……!?」
瞬間、Loreの姿はほどけ、白い霧が噴出した。霧は全てを飲みこみ、覆い尽くしてゆく。
稲積はつぶやいた。
「これは。なにかが……流れ込んでくる? 僕の
「君って……」
「うん?」
「なんて、美味そうなんだろう」
怪訝そうに首をかしげた少女の顔は、変わらず慈しみに満ちていた。
「うまそう? って? あはは、おなか減っちゃった?」
「い、いや。なんでもないって! それじゃ……おれ、ぼ、僕はこっちだから」
「うん」
「ほら、近頃、このあたりで野犬が出るって……先生が言ってたろ。気をつけて帰れよな」
「うん、心配してくれてありがと! さよなら、犬塚くん。また明日ね」
田舎道を駆けてゆく彼女の背を見送り、深く息をはく。今日も耐え抜いた。
己を抑制する苦しみから解放されると、ほっと安堵するとともに寂寥が胸の内を侵してゆく。
「……さよなら」
肩を落として帰路をたどる。
「おーい! 犬塚くーん!」
振りかえると、手を振る少女の朗らかな笑みがあった。
「『ボクはー』なんて、無理しなくていいんだよー? 犬塚くんは犬塚くんらしくあればいいと思うよ! じゃあねー!」
ふくれあがるものが恋情なのかそうではないのか、もはや分からなかった。遠ざかってゆく後ろ姿から目が離せない。喉が渇く。衝動が渇きをいやす熱い芳醇を求めてざわめく。
呪うべきは己か。このように生み落とした両親か。それとも運命だろうか?
「くそ。ちくしょう」
犬塚 ハウルの感性や倫理観は人間のそれと変わらないにもかかわらず、捨てられぬ獣の食性や本能が彼を常に苛み追いたてた。そう高望みをしたわけでもない。ただ人と同じよう日々を過ごし、友をつくり恋をして、あたたかなつながりを築き保っていたかった。それだけだった。
それだけのはずなのに、己のなかの獣は、すべてぶち壊しにせねば気がすまないようだった。
「僕は……お、俺は。俺は……」
獣性に支配されている間のことは曖昧だが、その日のことは鮮明に記憶へと刻まれた。駆けめぐった一報によれば、帰路をたどるさなか、なんらかの要因で崖から滑落した彼女が死を待つ間に、その身体は生きながらにして野犬かなにかの獣に食い荒らされていた。臓腑は空っぽ、四肢は腕の一本を除いて散り散りとなり、皮肉にも傷ひとつなくのこされた頭部、こと顔にはべったりと、赤い苦悶と絶望が張りついていたという。
なかに……流れ込んで」
「やめろ!!」
巨狼は時を止めたかのように微動だにせず、振り向く稲積や志波、初瀬川に佐和崎の前に、彼は立っていた。なんと言いあらわしたものか。
「もう。やめてくれ……」
そのまま溶けて崩れゆく、泥に汚れた雪のような表情を浮かべ、呆然と立ちすくむ犬塚の顔ときたらそれはそれは、痛ましいものであったよ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月19日
参加申し込みの期限
2024年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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