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ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街のおせっかいな寓話たち
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【侵入】
霊界をめぐる砂塵へ混じる、あのにおいが濃密を増す頃だ。決まっていつも、ヤツらの存在をより強く肌に感ずるようになる。このにおいだ。いまいましくも懐かしい、嘘と裏切りの香り。
駆け引きには常に一歩先んじてきた。しかしこたびもそうであるとは、これがまるで限らない。やれやれだ。どうも、"遠きもの"は変化しているように思える。進化と言いあらわしてもよいだろうか。
時が近いのだろう。"Lore"の襲来、寝子島からの助力、我らのみっともない右往左往が奇妙なサイクルを描き、結果、街には不思議と安寧と安定が保たれてきたが……終焉はなんであれ、誰にであれ訪れる。あらがえぬ流れというやつが霊界にも、現世にだってあるものだ。そうだろう?
「魔法の杖かあ、どれがいいんだろナー。なあペンシル、どれがいいと思う?」
志波 武道
の問いももっともなことだが、あいにくと杖選びにおいて直感に勝るものはない。他者の助言が功を奏するケースはごく稀だ。
「……だから君自身の意思でこれという一本を選び取るほかない。と、ペンシルは言うとるよ」
「あ、エレキちゃん。オイッスー」
「おー。オイッス」
山田 エレキもなにやら丸くなったものだ。寝子島の者は時にこうしてあやかしの信頼やら興味やらを惹く。そこがみな、彼らに期待するところでもある。特に敏感なこの娘は、志波の心の鷹揚や深みを感じ取ったらしい。
「んー、そうだよなあ。直感だよなあ。てゆーかむしろ、杖が人を選ぶって気もするな」
「お、分かっとるやん。その調子でええのを選びや」
夕顔 サキの営む雑貨店『たそがれ屋』の片隅に飾られた、杖売り場だ。店主は留守にしているが、志波をはじめ多くの寝子島の者が、ずらりと並ぶ材質も長さや意匠も異なる杖たちのなかから、愛用すべき杖を探していた。すでに選び取った者、迷う者。悩みに楽しみを見い出す者、さまざまだ。魔法の覚えたてなどはこれが実に楽しい。
「紗月、これはどう? 幽霊桜だって、なんかカッコイイ!」
「綺麗な杖ね。理緒ちゃんには、こんなのがいいかも? 霊界サボテンの芯で作られた杖は非常に軽く、たたみかけるような魔法の連打にも耐える、だって」
「ふんふん。なるほど、あたしっぽいかも」
そういえば、他者の言葉が杖選びに役割を果たすこともまるでないわけではない。たとえば
初瀬川 理緒
と
佐和崎 紗月
のようにたがいを深く理解し合うならば、その助言が相方の無意識下における正解を射抜くこともあるだろう。仲むつまじく杖のひとつひとつを手にとり確かめ合うさまは実にほほえましく、このような心の作用がときに結果を動かすのも、魔法の妙と言える。きっとな。
「じゃーあたし、これに決ーめた!」
「ダメだよ理緒ちゃん。そんなのダメ」
「ええ? だって紗月、今これがいいって……あれ?」
さて。霊界の事象、あるいは我らが魔法商店街を襲う事象、それらが人間にとって驚嘆すべき光景となることはさぞ多かろう。これもまたそのひとつか。
「ダメダメ、理緒ちゃんにふさわしい杖はこっちよ」
「違う違う! この杖こそが理緒ちゃんの持つべきもの」
「ダメよそんなの、イカシてないもの。理緒ちゃんみたいなナウなヤングは、イケイケのこの杖よね」
「ていうか杖、いる?」
「ええ~~~っ、紗月がいっぱい!?」
いつの間にやら店内は幾人もの佐和崎であふれかえっていた。みっしりぎゅうぎゅうに詰まってすき間もないほどだ。志波と山田もすっかり埋もれている。
「ちょ、どーなってんのコレー!?」
「クソが。さっそく来よったか……」
悪態をつく山田がふところから杖を取り出したところで、無数の佐和崎たちのかしましさにまぎれながらも、店外からの声が届く。
「だから、デートのときは名前で呼んでって言ってるの。ワット!」
「いやーしかし、果たしてこの状況をデートと呼べるものかねぇ……うわ、なんだいこれ?」
稲積 柚春
と
ウォルター・B
であった。
佐和崎の群れと初瀬川の悲鳴に面食らうふたりへ、店内から山田が呼びかけた。
「魔法や。こんなときに使うべき魔法を、あんたら学んだんやろー」
「さっそくかい? やれやれ。それじゃ、やってごらんよ。柚春?」
「むう。ムードないなあ」
むくれつつも稲積が紫菩提樹の蜜の杖を振るい、群れへと集中する。流れるような所作だ。すると、
「きゃきゃきゃ!」
「きゃきゃ! 信じておけばいいのにねえ」
「バカだねえ」
佐和崎たちの姿は霧と弾けて消えた。"解析"の魔法、なかなか見事な腕前ではないか。
初瀬川がひっくり返っていた本物の佐和崎を助け起こすかたわらに、志波が山田へ問うた。
「もしかして、今のが……?」
「"Lore"や」
早くも紛れ込んでいたか。ヤツらは常に本性を隠し、偽装擬態し、我らをあざむく。
すでに、始まっているのだ。
綾辻 綾花
は鳳凰の止まり木の杖を構え、
早川 珪
がかたわらに寄り添う。
「なんだか緊張してきました……」
「そうだね。こんなのは僕も初めてだよ」
正念場というやつだ。彼らもまた肌にひりつくようなこのにおいを感じ取っているのかもしれない。
倉前 七瀬
と
八神 修
も予断なく周囲を睥睨する。
「あれあれ。なんだかしかめっ面だねえ君たち」
誰もかれもがLoreのおとずれに張りつめているが、白檀 カオルは浮ついている。いつもどおり、彼は我が街存亡の危機を楽しむつもりらしい。彼らしいことだがね。
「いよいよ実戦だよ? 魔法戦のはじまりだよ? 覚えたての魔法を思いきり試すときさ、わくわくするじゃない?」
「そんなふうには割り切れませんよ。俺たちは」
修はいささか憮然として述べたが、白檀はそしらぬ顔だ。彼と人間らと、顕著に異なるところと言えるかもしれない。身近に死を見つめる霊界の住人たちにとって、命への執着は人とくらべてどこか希薄だ。
「もう来てるんですよね? "Lore"が」
「そういえばサキのお店のほう、なんだか騒がしいような……?」
綾辻と倉前が目を細むが、店は街の対角だ。寝子島の者たちは街へ広く散っている。隙なく敵を迎え撃つためだが、まだ彼らの周囲に顕著な異変は起きていない。店のほうはあちらに配された者たちが応ずるはずだ。
犬塚 ハウルとともに巡回していた
城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
が戻るも、こちらもなにやら棘のある空気が漂う。
「ったく。お前ら、もう少し危機感持ちやがれ」
「うるさいわね。物珍しいものが多いから、ちょっと目移りしちゃっただけよ」
「まあまあ……大丈夫、僕も水樹も心の準備はできてる。やることはきちんとやるつもりだよ」
「はん。そう願いてえもんだな」
彼らを招きはすれど、人とあやかし、両者の融和や共存のけっして容易きことではない。感性の異なり、習性の異なり、多様と相違が壁をつくることは多々あろう。もっとも人同士、あやかし同士とていさかいは起こるものだが。
とはいえこの時ばかりは少々、種の寛容やらなにやらとは状況が違っていたらしい。白檀がさもおかしそうに指さし言う。
「ああ、おふたりさん? どうやら出会ったようだね」
「え?」
「そいつは犬塚じゃないよ。"Lore"は化け、騙すんだ。見ていてごらん」
白檀の振るった杖が犬塚の形をしたそいつを"解析"した。途端に正体を現すのは、
「お……狼!? 大きい!」
あわてて杖を突き出す綾花の前で、巨狼は不遜にもニヤリと口元をひん曲げて笑い、身をひるがえし家々の向こうへと跳ねていった。
犬塚はまだ土産屋に引きこもっているだろうか。こたびの襲来には間に合わぬやもしれない。ヤツもああ見えてずいぶんと引きずるたちだからな。あやかしにも豪胆な者もあれば、葦のごとく繊細な者もあるものだ。
「……みんな、構えろ!」
修の叫びに、彼らは円陣を組み周囲へ鋭く瞳をめぐらせる。空気がざわめく。肌を焦がすような熱を、凍てつく寒さを同時に感じる。
ペンシルは毛を逆立て尾を振り、巻き付けるように握った杖を高くかかげる。そうして一声、くぐもって低く鳴いた。その声が魔法戦のはじまり、狼煙がわりとなった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月19日
参加申し込みの期限
2024年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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