this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街のおせっかいな寓話たち
<< もどる
1
2
3
4
5
…
8
つぎへ >>
【"しんじるものは巣食われる"(1)】
「もう実践だなんて……胸がどきどきしてます」
「うん。あまり離れないようにしよう。それにしても、綾辻さんといるとどうにも、奇妙なことに巻き込まれがちだね」
「ええ? た、たしかにそうかも……すみません、珪さん。いつも巻き込んでしまって」
「ははは、いやいや。おかげで退屈はしないよ」
笑い合う。たがいを敬いたたえ合い、高め合い慈しみ合うことのなんと美しい光景か。心からそう思う。人と人との信頼、つながりはあやかしの長い生とくらべて儚いからこそ、強いかがやきを放つのだろう。綾辻と早川がかわす微笑みなど好例と言えよう。
「大丈夫、なんとかなるさ。乗り掛かった船だ、協力して頑張ろう」
「そうですね。この街のひとたち……あやかしさんたちとも。サキさんも、みんなも、いいひとたちばかりですし」
だからこそ、まぶしく映る。激しく狡猾に求め、ときに奪おうとさえする。手に入らぬと分かれば、壊したくなる。性(さが)、というものだ。
「あれ……珪さん?」
綾辻は真白い霧に惑う。霧は真実の姿を覆い隠すものの象徴であり、しばしば見られた。
「珪さん……」
「さて、幸福とはいったいなんでしょうか?」
真の姿を隠し、語りかける。
「え……」
「目に見えぬ幸福をどう信じるのです? 感情の揺らぎや安らぎをそうと呼ぶのですか? それってえのはどうにもさ、頼りないと思いやしませんかね?」
「そんなことは……ないです。●×さんを信じてますから」
「信じる! そうそれ、それですよ。泥濘に浮かぶ、沈みゆく船と同義のその言葉こそが実にクセモノでしてね」
街に出会った女はとうとうと述べる。▲◇はいつのまにやら聞き入った。言葉ばかりでなく身ぶり手ぶりの愛嬌、目線や表情の豊かもすべてが巧みで、相手を傾聴にみちびくのが女のやり口だった。
「でも、●×さんだって私を信じて……」
「しるべなき人生、信じるという行いこそがこの世において果てもなく難しい。なにせ人の心は移ろうものだし、とかく流されやすい。ならばどうする? どうしたらよいでしょうかねえ?」
「どうしたら……いいんでしょうか?」
そうして女は口角を歪め、笑うのだ。
「カンタンさ。あたしを信じればいいんだよ」
ヒューバートと城山と呼ばれたふたりにとて固くつながれた絆があったはずだが、永遠につらなる社のような屋敷は女の棲みかであり、巣なのだ。足を踏み込んでしまえば、絡めとられるばかり。
「あなたを信じる、って……どういうことだい」
「ヒ▲ー、聞いちゃダメよ。ただの詐欺師だわ」
「いやいや、儚いものですよ。人と人のつながりなんてのはね。あたしはようく知ってる、さんざん見てきたからね」
女は語る。心を、その作用と反作用を、幸福と不幸のなんたるかを、人生を。人間を。
「明けない夜。薄い空気にあえぐ。足元は汚れてぬかるみ歩くもままならない。人の世のなんと生きにくいことか。そんなよるべなき子羊たちが集う場所がつまり、ここさ」
「新興宗教なんてどれも同じよ。聞こえのいいことばかり言いながらその実、あわれで愚かな信者たちから搾り取ることしか考えてない」
「けれど水◆、この人の言うことにも一理あるよ。僕だって今のまま、なにもせずただ君との幸福が続くとは思わない。幸せは待つものじゃない、自ら歩み寄るものだって……」
「ヒ▲×!? なにを言って……!」
精神の柔も剛も関係ない。女の手管は抗うことの一切を許さなかった。まるでその気がなくとも、一度座についてしまったならもう遅い。実に誰も、逃れることはかなわなかった。
女はそらぞらしく笑む。
「暗く沈む夜に確かなしるべを求めるのはあたりまえ。恥じることじゃない、誰だってそう。目指すゴールが見当たらなくて迷うばかりなら、手のとどくものをしるべにしなよ。なあに、カンタンさ」
「どう……しろっていうのよ?」
「あたしをしるべにすればいい。いついかなるときも、あたしはあんたのそばにいる。手を伸ばせばとどく、あたしがあんたの幸せさ」
「そう、なのかな?」
「そうだよ、○◆。きっとそうなんだ」
「そうかも。うん」
女も、女の確立した宗教団体たる狐伊万里会も、そうして膨大な人や金を吸い上げ、止めどなくふくれ上がっていった。語る甘言は広がりとどまるところを知らず。やがて警視庁公安部が本格調査に乗り出し組織の解体から多数の逮捕者を出し、例の事件とその終着へといたるまで、取り込まれた信者の数はもはや数え切れない。被害者は恐るべき数となったのだ。
魔法商店街を拓いた墨小路 綾麻呂は幾度となく語ったものだ、魔法戦の要たるは"変質"にありと。それを体現するありさまがこれだ。霧中をさまよう綾辻も早川も、城山もヒューバートももはや元の姿かたちさえとどめていない。まったくの別人と化している。"Lore"は個としての我々のみならず、環境やその者の本質すら変え得るのだ。ペンシルもことに"リセット"を重視するが、その理由がここにある。
「これが変質の魔法か……!」
八神が霊界サボテンの芯から作られた杖をかかげ、彼らを戻しにかかる。
「本人たちの意識までも取り込まれてしまったなら、俺たちがどうにかするしかないですね。倉前先輩!」
「リセットの魔法ですね。りょーかい」
慣れぬ者がいどむ魔法戦においてはやはり、守りを固めるのがよい。変質は搦め手でありながら致命的な状況へも陥り得るから、仲間同士守り合うことが肝要だ。
「きゃきゃ。きゃきゃきゃ」
「あはは、信じるものは救われるよ、きゃ! きゃ!」
「こおん、こおん!」
八神も倉前も思いきりがよい。寝子島に起こる事象もまた厳しかろうし、実に手馴れている。なんとも頼れることだ。
「ああ、ペンシル! 手伝ってくれるのか?」
ペンシルも尾の杖を振り彼らをよく助けた。愛嬌あふれる猫でありながらその毅然たる態度には、人間たちも大いに勇気づけられたことだろう、うむ。
「カミはここにいるよ」
「信じるものは救われる!」
「あたしがあんたのカミさ。こんこん!」
「それにしても……」
変質した綾辻へイルカゴケの捕虫袋の杖を振るいながらに、倉前が疑問を口にする。
「どうしました、倉前先輩」
「どうも、気になっとるんですよ。"Lore"というやつが」
取り巻く霧のなかより届く声へ静かに耳をかたむけ、倉前は言った。
「どこか、似てる気がするんですよね」
「似ている。なにに? いや……誰に?」
「夕顔 サキに」
実に聡いのだ、彼らは。
察しつつあるのだろう。Loreの真の姿というやつを。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街のおせっかいな寓話たち
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月19日
参加申し込みの期限
2024年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!