「ねえ」
「ねえ」
「みえてるでしょ」
「ねえ」
「きみ」
「ねえ」
「ほら、みた」
「こっちみた」
「ねえ」
「つれてって」
「ねえ」
「つれてって」
「……目を合わせるなよ」
「憑いてくるからな。見ないほうがいい」
「いこう。心配するな、送っていくよ」
「いや、いいんだ。気にするな。僕が好きでやってるだけだから」
「好きで……」
「ああ、いや、なんでも。なんでもない」
「なんでもないって、気にするなよ。ああ、それにしてもさ」
「君って……」
「なんて、美味そうなんだろう」
L o r e 0 1 : " 送 り お お か み "
「あなたはカミをしんじますか?」
「ああちょっと待って! 待ってくださいよ、ちょいとばかし聞いてください」
「ほんの5分でいいですから! 2分でいいですから!」
「いやいや、騙すだなんてとんでもない」
「つまり我々は、あれです。ボランティア団体みたいなものでして」
「人類みな幸福であるべきでして、つまりわたしもあなたもね、そういう団体なわけでして」
「え、あやしい? いやいやいや、そんなことないですってば」
「わたくしどもはただひたすら、皆さまの幸福を追求するのみでして、はい」
「あ、そうですか。信じていただけない。ははあ、そうですか」
「んじゃま、仕方ないですネ♪」
「いえいえ、いいんですよ! お気になさらず。いや、だってねえ?」
「あんたもう、出会っちまったもんねえ」
「さ、遠慮なく祈りたまえよ」
「あたしがあんたのカミさ。迷い子よ」
L o r e 0 2 : " し ん じ る も の は 巣 食 わ れ る "
──
"Lore(ロア)"がやってくる。
「今回は二柱だと……? 同時にか」
「ああそうさ。いつぶりだろうねえ、こんなのは」
「ちっ」
犬塚 ハウルと
夕顔 サキの眼前で、姿見はまばゆく星を映し出す。忌まわしくおぞましい、
"遠きもの"の瞳が我らを睥睨しているのだ。
つまり、諸君、学んだ魔法を披露する時は間もなくだ。
"魔法戦"に備えねばならない。
商店街の者らには、是が非でも諸君らの助けが必要だ。戦いのさなかに諸君らはその意味を知るだろう。
此度はいかほどの悲しみがこぼれ落ちるのだろうな。
そんな風に思ってか、ペンシルは長く細く、赤い風を裂くように鳴いた。
墨谷幽です。よろしくお願いいたします~。
霊界を舞台にした、微ホラー気味なミニシリーズです。の、第二話です
前回のご参加には関係なく、どなたでもお気軽にどうぞ!
このシナリオの概要
霊界のどこかにある、"魔法商店街"を訪れたあなた。
前回は、ここへ住まう人々の暮らしや日常に触れ、"魔法"の基礎を学んでいただきました。
今回は、魔法商店街の面々が敵とみなす謎の存在"遠きもの"の尖兵たる、
"Lore(ロア)"が襲来します。本格的な魔法戦のはじまりです。
皆さんは(今回からのご参加の方も含めて)、魔法についてひととおり学んでいます。
前回ご参加いただいた方は、選んだ魔法をより上手に扱うことができます。
占い師で"予言"の魔法の使い手である夕顔 サキによれば、今回は二柱の"Lore"が現れるとのこと。
学んだ魔法を駆使して、危機を乗りこえてください。
アクションでできること
<魔法>
魔法戦の基礎は、
◇"予言"し敵の次の手を読むこと
◇"解析"し弱点を看破し、自身や相手を"変質"させ精神を削り、弱体化させ"致命"を叩き込むこと
◇変質させられたら、自分の状態を"リセット"すること
です。
アクションでは、「敵の弱点を探りたい」とか「○○に変質(変身)して攻撃したい」とか
「敵を○○に変質させてやりたい」、「イナズマを放つ魔法で攻撃したい」など、
使ってみたい魔法を自由にお書きください。
<杖>
魔法を扱うには、"杖"を用います。
小回りのきく短杖、効果は大きいが扱いにくく鈍い長杖、二本を同時に扱う双杖などがあります。
杖は素材によって扱う者や扱う魔法との相性があります。
直感に従って、お好きなものをお選びください。または、オリジナルで自由にご指定ください。
代表的な素材は、
◇青蘭の蔓:扱いやすく素直
◇鳳凰の止まり木:生命力に富み疲れにくい
◇魔王樫:力強いが時おり暴走するじゃじゃ馬
◇霊界サボテンの芯:非常に軽く連発に耐える
◇イルカゴケの捕虫袋:使用者の意図を隠し不意打ちに長ける
◇リュウゼツランモドキ:不発が多いがここぞという時に大きな一発を放つ
◇幽霊桜の残滓:強力だが使用者に負荷を強いる
などなど。
<"Lore(ロア)">
現時点ではざっくりとした概要だけで、詳細は不明です。
今回は以下の二柱が同時に出現します。
どちらの相手をするのか、アクションにお書きください。
◆Lore:"送りおおかみ"
数:1体
範囲:小
特性:俊敏、鋭利、葛藤、自己否定、理性
こちらには山田 エレキ、犬塚 ハウルが同行します。
◆Lore:"しんじるものは巣食われる"
数:複数
範囲:広大
特性:虚言、詐欺、化かし合い、内紛
こちらには白檀 カオル、夕顔 サキが同行します。
ペンシルはどちらかに適時介入します。
助けをもとめれば、助けてくれるかもしれません。
どちらの相手もしないで逃げ回る、よく分かんないけど商店街で遊んでる、
などのアクションもOKっちゃOKです。
自由な発想でどうぞ!
NPCについて
<魔法商店街の面々>
彼らの多くは人の姿をしていますが、下記に掲載されている情報はあくまで"自称"であり、
必ずしも正しいとは限りません。
交流を深めるうち、彼らの本当の正体が明らかになってゆく……かもしれません。
◆『ペンシル』 種族:猫?
顔に口ヒゲのような模様がある、ちょっとふてぶてしい猫。言葉はしゃべりません。
尻尾に杖を握っており、七色の魔法を操る偉大な魔法使いとされています。
決まったすみかはなく、街の内外を歩いている姿をよく見かけることができます。
☆得意な魔法:なんでも
◆『山田 エレキ』 種族:電気の妖怪
関西弁を話す、ちょっとダウナーな少女。ぶっきらぼうですが面倒見はいいほう。
人間の世界で、電線を流れる電流の中に生まれた、新しいタイプの妖怪だそうです。
商店街で電気屋を営んでおり、主に付喪神となった電化製品を売っています。
NINKYODO FNYATCHの付喪神をオトモに連れていて、暇さえあればひとりで遊んでいます。
☆得意な魔法:"致命"の魔法
◆『犬塚 ハウル』 種族:狼男とひとのハーフ
黒髪ロングヘアのウルフカット。クールな一匹狼……というか、シャイな青年。
珍しい人間とあやかしのハーフで、苦難に満ちた人生を歩んできたようです。
他人との交流を好まずとっつきづらいですが、心を許した相手に対しては義理堅い一面も。
商店街の土産物屋に居候しており、売っているアクセサリやインテリアなどは彼の作品です。
☆得意な魔法:"変質"の魔法
◆『白檀 カオル』 種族:香水びんの付喪神
落ちついた理知的な雰囲気を漂わせる青年。その実かなり軽薄で軟派な性格をしています。
人を食った態度や飄々とした言動でケムにまく、いまいち信用ならない人物ですが、
天才肌で多様な魔法を使いこなす、ペンシルに次ぐ魔法の達人です。
霊界に咲く植物を使った香水を売っています。
☆得意な魔法:"解析"の魔法
◆『夕顔 サキ』 種族:化け狐
老成したしゃべり方の女性。幼い少女、ギャル、老婆などいくつもの姿を使い分ける変化の名人。
寝子島と魔法商店街をつなぐ役割を担い、彼女の営む秘密の雑貨屋は、どちらにも同時に存在しています。
占い師としての顔も持ち、タロットを操り、時として重大な未来を言い当てることもあるのだとか。
偏屈に見えて気さくな性格なので、困ったときにはあれこれと世話をやいてくれるでしょう。
☆得意な魔法:"予言"の魔法
※あやかしさんは、商店街を訪れたことがあったり、住人と知人だったりすることにしてもOKです。
その他、登録済みのキャラクターでしたら誰でも登場可能です。
また、墨谷のシナリオに登場したNPCでしたら、登録・未登録問わず登場OKです。
ただし、不自然でないシチュエーションに限ります。登場が難しい場合もありますので、ご了承ください。
Xキャラクターも登場可能です。
口調などのキャラクター設定は、アクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いていただければ大丈夫です。
なおこのシリーズにおいては、既存の登録NPCとの交流要素はやや薄めになります。
シリーズならではのお話やシチュエーションを主にお楽しみいただけましたら幸いです。
以上になります。
どなたでもお気軽にどうぞ。
それでは、ご参加をお待ちしております~!