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【シネマカフェ『クランク・イン』(3)】
気持ちのよい青空がどこまでも広がる、さわやかな午後。小さなお子さまなどにはちょっぴりおねむの時間だったりしますけれど、
梓 智依子
の愛娘楓ちゃんは本日まだまだ元気いっぱい、ありあまるエネルギーの放出しどころを求めてあっちへとことこ、こっちへぱたぱたと活発さはとどまることを知りません。
「ママ、見てみて! あれ! あれなにかな!」
「楓、そんなに走らないで。転んじゃうわよ」
「は~い!」
あまり頼りにならないは~いに振り回されつつも、しあわせなひと時。智依子の頬には自然と笑みが浮かんで、ほんわかほわん。ぽかぽか陽気にまるで浮かぶよう。
「…………」
楓は5歳。彼女を生んだときのしあわせと感動を思い浮かべるにはやっぱり、その前の痛ましい記憶もまた思い出さずにはいられません。14歳の初恋は劇的で、一期一会の相思相愛であったはずなのに。失ったものは多く、そして取りかえしようもないものばかりでした。負った傷の大きさに打ちのめされ、もはや立ち直れないとさえ思えました。
それらと引きかえに出会うことができたのが、楓。まばゆくかがやく笑顔、くしゃくしゃの泣き顔、上目づかいの甘え顔……すべてが愛おしい、智依子の天使です。
「ふふ。あなたと出会えて、私……あら? 楓? あれ? どこに」
「ママなにあれなにあれ! なにあれー!」
「ちょ、ちょっと楓ー!?」
すたたたたたた! 快活楓はなにか気になるものでも見つけようものなら、猛ダッシュ! 智依子がつかまえる腕も届かず、ずだだーっとどこかの店のなかへ駆け込んでいってしまいました。
「どわ~~~っ、元気はなまる100点満点なお子さまが大乱入~~~!?」
「落ちつけ、ポンコツ。ええとこういうときはだな、用意しておいたにぼしか猫缶を床に置き……」
「にーさん、それは猫用マニュアルですわよ!」
どたばたすってん。なにやら大騒ぎになってしまいまして、智依子はさあっと顔を青くしつつ慌てて店へ飛びこみました。
ま、なんてことはありませんけれど。件のお店、シネマカフェ『クランク・イン』のこのかたくるしくもなくゆるゆるな空気感! なので、楓ちゃんがいくらか子どもらしい暴走を発揮しても問題ありません。ほかのお客さんたちもほほえましく大丈夫ですよ、と言ってくれました。
「ママ、みて! ごあら!」
「もー、この子は……」
それに本日は『ゴアラVSカピバラス』をリバイバル上映しておりまして、店内のお客も親子連れがほとんどです。楓は窓から見えた怪獣対決に興味を惹かれ、飛びこんでしまったようです。
智依子はアルバイト店員、嬉野 エマと七海へ恐縮し、ぺこり。
「本当にすみません。急に来てしまって……」
「いえいえ、いーんですのよ! お子さまもお姉さんも大歓迎ですわー……って、ああ!
あのとき
の、しんぐるまざーのお姉さん!」
いささか無遠慮なエマの言葉に、智依子はそのときはじめて、以前にもおとずれたことがあったお店だと気づきました。そうあのときはたしか、ロシアのSF映画『惑星ポラリス』が上映されていて、映像美に見入り、難解でありながらも考察に頭をめぐらせ、なかなかに楽しむことができたのでした。
「それじゃ……今回も、お邪魔します」
「はい、二名さまごあんない~! ごゆっくりお過ごしくださいませ♪」
映画は途中からですけれど、ちょうど盛り上がり最高潮な対決シーンで、楓にはあまり関係ないようです。すっかり見入っている楓を引きずって帰るのもナンですし、しばらく見ていくことにしました。念のため祖父母にメールで連絡を入れてから、智依子も楓のおとなりへ腰を落ちつけます。
カピバラスがくわわっと歯をむき出してほえるたび、ゴアラがごごーっと熱光線を発射するたび、店内の子どもたちに呼応するように楓もまた身を乗り出して、おおーっ! なんだかおかしくて、智依子はくすり。
「ママ、ゴアラすごいね!」
「そうね、かっこいいわね」
わくわくが止まらない楓への愛おしさに、智依子も思わずほくほく顔です。
「あ……これ」
エンドロールが流れ、帰りじたくを始めるママたちにならって智依子も楓をうながし席を立ったところで、店内の壁に据えられた棚が目につきました。『クランク・イン』には個室もあって、棚に収められたディスクを持っていけば、静かにじっくりと鑑賞することができます。そんなラインナップのなかに、
「『ブレイキンサマー』の映画版だ……」
「ママ、これ見たいの?」
「え? うん、そうね」
と答えたとたんに、楓はテーブルを拭いていたエマへ、すいませ~ん! ぴしりっと綺麗に腕を直立させて呼んだもので、もう一本映画を鑑賞していくことになりました。
個室へ案内されて、ディスクをセット。楓の、わあ! の声とともに、智依子を言葉にならない思いが満たしてゆきます。
ブレイキンサマー。原作は少女漫画で、小学4年生の女の子が街角で目にしたブレイクダンスに衝撃を受け、ダンサーを目指すという物語。発行当時は主人公と近しい小学2年生だった智依子が、ダンススクールに通うさなかに出会った一冊でした。それまで目にしたこともなかった新しい世界が開けて、そこへ飛びこんでゆくきっかけとなったのは、ブレイキンサマーの主人公も智依子も同じ。つまり、智依子には思い出深く、自身の原点ともいえる作品でした。
それを実写映画化したものが、この作品。
「ふわあ……」
口を開けて見入る楓の発したひと言が、智依子を青春と挫折、別れと出会いの記憶を、思い出を想起させ、ないまぜとなってふくらみました。
「ママがおどってる!」
「……そうね。ママみたいね……」
「ねえ、ママ?」
「うん?」
一冊の漫画との出会いが、智依子を人生の深みへと導いたように、その娘たる楓もまた、この瞬間に。
「かえではね。おおきなったら、ダンサーになる! ママみたいにおどりたい!」
ああ。ああ、と智依子の胸に満ちてゆく思い。
きっとすべて、無駄ではなかった。つらいことも悲しいこともあったけれど、もうだめだと何度もあきらめかけたけど、無駄なことはひとつもなかった。
すべては今、この瞬間のためだったんだ。
「ええ。きっとなれるわ。ママに楓のおどっているところ、見せてね。きっとよ」
「うん♪ へへへ~」
ふにゃふにゃの笑顔でそう言って、ふたたび画面へ見入る楓の小さな肩を抱き寄せた智依子の瞳から、こぼれたひとしずく。娘に見られないようそっと指で拭うと、智依子の在りし日は画面のなか、美しく昇華されてゆくように思えました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
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NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月02日
参加申し込みの期限
2024年06月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月09日 11時00分
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