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シネマカフェ『クランク・イン』 第六幕
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【穏やかなこの世界】
18歳のシングルマザーと聞けば、世の中は思いのほかつらく当たるもの。ましてや
梓 智依子
が娘を出産したのは14歳。成熟していない身体で我が子を生み落とすことにはただでさえ肉体的・精神的苦痛や苦悩があったはず、と誰にも想像がいたるはずでありながら、関わる人々のいたわりのない接し方ときたらもう、目を覆わんばかり。
だから祖父母を頼って寝子島をおとずれてからの日々の安らかさは、智依子の表情からすっかり険しいものを取り払ってくれました。なんといっても穏やかだし、平和で事件のひとつもなくて……いえまあ寝子島のことですから、たまには
ちょっとした事件に巻き込まれたり
することもあったりするわけですけれど、おおむね平穏です。
娘の新しい写真を見せてとねだる年下のクラスメートたちの無邪気さに、この年にして人生の辛酸を味わった智依子としましては、ちょっぴり先が心配になってしまったりもするのですけれど。
(まあ、ふつうはあんなものよね。きっと)
智依子自身も18歳ながらに高校一年生でもあるわけで、もっとお気楽に、ゆる~く、花の女子高生生活を楽しんでもいいようなものですけれど……我が子を養っていかねばならないというのっぴきならない事実はやはり、クラスメートたちと比べても智依子を達観させておりました。バイトを始めて、自分を受け入れてくれた祖父母の少しでも助けになれればと、そして将来に少しずつでも備えておかなければと、なんだかんだと頑張ってしまうのでした。
女子高生らしく心からはしゃいだことなんて、過去に一度でもあったかどうか。
「あっ。いらっしゃいませ♪」
だから、こういうのは本当に久しぶり。祖父母が娘をしばし引き受けてくれたおかげで、ちょっぴり浮いたひとりの時間。
前々から、通りすがるたび、気になっていたのです。
「シネマカフェ『クランク・イン』へようこそ! おひとりさまですか?」
「ええ。今日はね」
きっと目の前の店員さんには、女子高生のちょっと渋めな放課後の過ごし方、なんてふうに映るのかもしれません。
映画づくしでレトロな店内の飾りつけを楽しみつつ待っていると、照明がすうっと暗くなり、対照的にスクリーンが白く明るく浮かび上がります。
テーブルにはポップコーンのキャラメルがけとホットコーヒー。準備も万端です。
本日この時間に上映開始したのは、『惑星ポラリス』。ロシア発、実に難解なことで知られるSF映画です。上映時間も長く、観客へ常に思案思索をうながすスタイルから、当初は退屈な映画とされ評論家の反応も芳しくなかったものの、それから時を経るにつれ徐々に理解者が増えていった……という経緯を持つ、まあおよそ一般向けではない作品でありましょう。
(これが主人公。かわいそうに、大切な家族の猫を失ってしまったのね)
主人公、カリスは心理学者であり宇宙飛行士。数年前に老衰で亡くした愛猫との思い出に浸っていたところへ、新たなミッションが届きます。未知の惑星ポラリスへ向かい、連絡の途絶えた宇宙ステーションを調査せよ、とのこと。
(映像は、とてもきれいね。癒されるとか、落ち着くとか、そんな感じではないけど)
けれど引き込まれるものは確かに、ありました。
かつては大勢のクルーが働いていたはずの宇宙ステーションに、生き残りはたったの数名のみ。原因を尋ねたカリスへ、科学者は言いました。
あの惑星は、生きているのだと。
雲と嵐が渦を巻く巨大なガス惑星、ポラリス。その全てを覆うポラリスの海はひとつの有機体であり、なんらかの知的活動が行われる結果が、軌道上へたたずむ宇宙ステーションへ不可思議な現象を引き起こしているのだと。
やがてカリスの目の前にも、信じがたいものが現れます。それはかつて亡くしたはずの、大切な家族。あの愛猫だったのです。
カリスの思い出とイメージによって構成された猫は、死なず、老いることもありません。再び手に入れた幸せに束の間、ひたるカリス……しかし猫は自らの不老不死を知ってか知らずか、間近に迫る自身の老衰と死の運命をなぞり、ひそやかな最後を迎えようとします。
ポラリスの海はなぜ、人類にその記憶を再現して見せるのか? なにを伝えたいのか? カリスはポラリスの海と、さらなる交信を試みます。
しかしやがてカリスの心は科学的探究よりも、個人的な欲求へととらわれていくことになります。愛猫のみならず、自分の前から去っていった家族や友人とのあたたかな再会、彼の人生を覆ってきた孤独を癒すなにかを求め、ポラリスとの交信に傾倒し、やがて精神を病んでゆくカリス。
……なんて、お話は正直、よく分かりませんでした。なにしろ回りくどく複雑で、難解な映画です。
それでも智依子に多少なり、感ずるところがあったとするならば。
(なんだか、むしょうに……あの子を抱きしめたい)
「おつかれさまでしたー! いかがでした? むつかし~映画ですわよねえ」
あけっぴろげな笑顔のアルバイト店員さん。胸には嬉野 エマ、と名札がかかっています。
眉根を寄せてむむむとうなる少女に、智依子はくすりと笑みを浮かべて、
「ええ、そうね。でも良い息抜きになったわ」
「あれれ。なにかお悩みでもありまして? それとも、お勉強や部活動でお忙しいとか?」
なんの変哲もない女子高生に見えたか、遠慮もなくそんなことを尋ねた店員さんへ。するりと言葉がすべり出たのは、ここでのひと時が本当に穏やかで、心落ち着かせてくれたからでしょうか。
「私、こう見えて、シングルマザーなの。だから、まあ、いろいろとあってね」
「しんぐる……ええーーーっ!?」
その後はしばし娘や子育ての話で盛り上がり、今度は娘さんもごいっしょにどうぞ! という店員さんのあたたかい笑顔に見送られて、智依子は家路を急ぐのでした。
イメージでも不思議現象の産物でもない、本物の……大切な娘が待つ、幸せな家へと。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年08月27日
参加申し込みの期限
2021年09月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年09月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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