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【シネマカフェ『クランク・イン』(1)】
「あれ?」
「あっ」
ぱちくり。目が合っておたがい、
鴻上 彰尋
と
七夜 あおい
は足を止めました。おどろいて、どちらも言葉をのんでしばし、流れる沈黙。抜けるような青空の下、にぎやかな街の喧噪のなかにあって、心地よい静寂でした。
折しもばったり出くわしたのは、シネマカフェ『クランク・イン』の店先です。
「んむ?」
ひょっこりやってきて、見つめ合うおふたりをくるくると見くらべた嬉野 エマ。
むっふっふ! と笑って、
「こんにちはー! 映画、見ていかれませんか? 今日はカップル割引もありますわよー」
「うわあっ!? あ、こ、こんにちは! あおいさんも!」
「ひえっ!? あ、うん、映画ね! 見ていこっか、彰尋くん!」
ふたりは思わず跳びはねながらなし崩し、クランク・インへ入店することとなりました。どちらも予定が開いていたのは幸いでしたね!
てゆーか彰尋は本日そもそも、このクランク・インへこそ足を運んだのでした。
「今日は、『被疑者Nの挺身』が上映されてるから」
「え、うそ? そうだったんだ!」
原作も実写化された映画もヒットをとばした、著名な一本です。
あおいには以前、原作本を貸してあげたことがありました。あれはまだ、出会ったばかりのころだったでしょうか。そう、彰尋がまだ、恋心を知らなかったころ……。
「じゃあちょうどいいときに彰尋くんと会ったんだね。私も見たかったんだー。彰尋くんは見たことあるんだよね?」
「うん、でももう一度見たくてさ。あのときとはまた違った印象を受けるかも、って」
「うんうん。昔見た映画をもっかい見たりすると、前には気づかなかったことに気づいたりして、楽しいよね」
ぱあっと華やぐ笑顔。そこに惹かれる自分を意識した今、映画は彰尋になにを伝えてくれるでしょうか。なにを気づかせてくれるでしょうか。
上映開始のブザーが鳴り、クランク・インに夜のとばりのような暗がりが満ちてゆきます。
『被疑者Nの挺身』はラブストーリーであると、彰尋は思います。天才数学者の仕組んだ完全なアリバイ、緻密にして美しいまでのトリック。それが解き明かされてゆく過程はたしかに完成された上質のミステリーでありながら、根底には凄絶なまでの献身、愛がありました。
愛……愛情。恋愛、慕情。はじめて鑑賞したとき、彰尋には育まれていなかった感情です。まだ口に出したことのない感情。今は胸に秘めたまま、けれどあたたかく胸を満たしてくれる感情。当時は犯人の動機について、納得はできたものの理解には至らなかったように思います。
今は?
「…………」
ちらと見た横顔にとくんと心はずんで、いてもたってもいられなくなるような感覚の正体を知っています。
「ん? ふふふ」
こちらに気づいて、にっこり。しーっ、と指をくちびるに立てながらのいたずらっぽい笑顔にどきりと胸がおどる理由にも思いいたります。
犯人がなぜあれほどの献身を、すべてを投げうち身を捧げたのか。今なら、少しは理解できるような気がしました。だって目の前の彼女がもし危機に陥っていたとしたら、どんな形であれ、彰尋だって手を差しのべずにはいられないでしょうから。犯罪に手を染めてまで……となると考えてしまいますけれど、それほどの愛の深みであったのだろうと納得感もより深まりました。
ラストに犯人がもらした嗚咽に、どれほどの想いがこもっていたか。二度目の鑑賞に彰尋のこぼした涙にもまた、多くの感情がにじんだことでしょう。
「良かった~! けど、考えさせられるラストだよね」
あおいはどうやら、映画を楽しんだ様子。語る表情は笑顔だったりしかめっつらだったり、腕を組んで唇をつんととがらせてみたり、
「あー、また原作を読み返したくなっちゃった! 彰尋くん、もっかい貸してくれないかな? って、どうしたの? 私の顔、なにかついてる?」
「あっいや、ごめん。なんでも……あおいさんが映画を楽しんでくれたみたいで、俺も嬉しくてさ」
百面相が楽しくて、思わず彰尋がふふっと笑うと、彼女はやっぱり唇をとがらせるのでした。
コーヒーを飲みほしても余韻の冷めやらぬまま、お会計へ。
「やあ、映画はどうだった? 良かったかい。それはよかった」
あおいがワリカンの半分を託して先に店を出てから、会計を頼んだ彰尋に応対した嬉野 七海が、こんなことを言いました。
「お会計は、と。最近、カップル割というものを始めてみてね、なかなか好評なんだよこれが。利用するよね?」
「へっ」
思わず妙な声を出してしまいました。カップル! たしかにふたり、そう見えてもおかしくはありません。決して、そうではないのですけれど……今はまだ。
「ん?」
「いや、その。彼女ではないんですけど」
「ああそう? そうなんだ。まあいいや、割引しとくから」
「ええ? でも」
横から、にゅっ! 顔を出したエマがに~んまり。
「次もぜひ、カップル割で! おふたりでご来店くださいまし♪」
すこうしおトクになったお会計を済ませて外に出ると、火照った頬をぬるい風がなぞり、ちょうどいい塩梅。
見るとあおいがぽかんと口を開けて、空を眺めておりました。午後の陽気はほがらかで、少しずつ日が高くなってきたおかげで、青空はまだまだ健在です。
「ねえ見てみて、彰尋くん! すーっごくいいお天気だね」
「本当だ。快晴だね」
しばし店先にならんでふたたび、青空見つめて心地よい静寂を堪能します。
帰り際、ちょっぴりひらいたドアの隙間からアルバイト店員兄妹がにんまりしてこちらをのぞいており、彰尋はふたたび妙な声をこぼしながらに跳ねました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月02日
参加申し込みの期限
2024年06月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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