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雛の祭りに思いを馳せて。
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「ほら紗月、もっと寄って!」
「わ、理緒ちゃん、引っ張らないで……」
シーサイドタウン駅前の7段雛の前で、
初瀬川 理緒
と
佐和崎 紗月
はそう、賑やかに頬を寄せ合いながら自撮りする。今日の記念のために――それから仕事の宣伝も兼ねたNyanstagram投稿のために。
周囲では他にも何人かが同じように自撮りをしていて、理緒と紗月へ殊更に迷惑そうな眼差しを向ける人はいない。ただ、順番待ちも発生していたし、待ち合わせスポットにもなっているようだったので、手早く撮影を済ませた2人はササッと場所を開け、少し離れた所まで移動した。
そうしてちょっと立ち止まり、スマホをタップしてNyanstagramにアップを始める理緒の横で、紗月は先程まで居た7段雛の方を眺め。それに気付いた理緒が、くすりと笑いながら最後のボタンを押した。
「気になるの? うちのひな人形、あんなに立派じゃないもんね」
「でも、小さなひな人形も可愛いよ」
揶揄うような理緒の言葉に、紗月はゆるりと首を振る。それぞれのひな人形には、それぞれの良さがあるのだ。
そう、告げれば理緒が優しい眼差しで、そうだよね、と頷いた。だが、すぐにその眼差しはアウトレットの方へと向けられる。
今日――彼女達は、デートのついでに買い物に来たのだ。
「行こ、紗月。この機会に色々調達しなきゃ……!」
「う、うん……でも理緒ちゃん、それって」
仕事の延長じゃないのかなぁ、と。口にしかけたものの紗月も、彼女達がやっているグラドルやモデルといった仕事で使うアイテム類は基本、自分で調達する必要があるのは解っている。
だから紗月は1度言葉を切り、違う弱音を紡いだ。
「……私が理緒ちゃんを止める、ってことだよね?」
その言葉に、理緒からの返事はなかったが。――ほぼ確実にそうなるのだろうと、紗月は既に覚悟していた。
◆
案の定アウトレットでの買い物は、あれもこれもと暴走する理緒を、紗月が必死に抑えて回る――という光景があちらこちらで見られる事になった。何もかも、33%オフが悪いのだ。
「いやー、買った買った! 買い過ぎた!」
「ホントだよ、もう……」
両手にずっしりと紙バックを幾つも下げ、満足げな理緒の言葉に紗月はぐったり息を吐く。そんな紗月の手にもそれなりに紙バックが下がってはいたが、あくまでも常識的な範囲内。
翻って理緒の紙バックの数はと言えば――と数えかけて理緒は、ふるる、と小さく首を振った。調子に乗って買い過ぎた、という自覚はある。
というのも、今日のお目当てはアクセサリーの類だったのだけれど、幸いな事に結構気に入るデザインのものが沢山あって、あれもこれも逃す訳にはいかなかったのだ。ほら、買い物も一期一会っていうし。
とはいえ、幾ら何でも買い過ぎだろうという事は、腕にずっしり伝わってくる紙バックの重さが何より雄弁だ。だが、
「……でも、後悔はしてない」
ぐっ、と強い気持ちで言い切った理緒に、紗月は「仕方ないなぁ」と目を細める。そうして、今度はコスメ系のお店を幾つか回って必要な物や、春限定の物を購入して回れば、ミッションコンプリート。
そろそろ行こっか、と出口に向かう道すがら、折り紙のひな人形や、桃の花の絵が飾られた一角に差し掛かった。
「理緒ちゃん、折角だから見て行かない?」
「良いね! ひな祭りって感じ!」
紗月の誘いに二つ返事で頷いた理緒は、紙バックの重みなど忘れたように、足取りも軽く作品の方へ歩いていく。その後ろから、紗月もゆっくりと歩きながら、1つ1つ作品を見て歩いた。
実はプロが作ったのでは? と思ってしまうほどピシッとした折雛があるかと思えば、いかにも子どもが作ったと見える、何とも愛嬌のある折雛もある。鉛筆でぐりぐり描かれた目の向こうに、一生懸命な顔が浮かぶようだ。
――嗚呼、そう言えば、
「私も子どもの頃、折り紙でひな人形作ったよね」
「そうなんだ? 紗月のおひな様、すっごい丁寧に折ってそう!」
「そう、かな?」
「そうだよー」
紗月の言葉に、理緒は妙な確信をもって力強く頷く。理緒の恋人は、とにかく真面目で、きっちりとしていて、可愛いのだ。
それは、先般返って来た大学の成績にも如実に表れている――と思う。互いの成績表を見せ合ったのだけれど、紗月ときたら、理緒と同じようにグラドルで忙しく活躍しているはずなのに、ほぼほぼA評価の中に1つか2つBがあるかな……くらいの、非常に好成績だったのだ。
翻って理緒の方はと言えば、成績表の2/3を埋めつくすC評価に、残り1/3を埋めつくすB評価。辛うじてA評価も1つか2つはあったけれども、その差は歴然としていて。
どうにか進級できる成績だったのは不幸中の幸いだが、
(まあ、仕事しながらだもんねー、仕方ないよねー、あははは……)
そう自分を慰めようとするも、紗月は同じ条件で自分より遥かに好成績なのだと思えばがっくり落ち込む。学部も違うのだから、完全に比較する事は出来ないにしても、あんまりだ。
その時のゲンナリした気分を思い出して、はぁ……と思わずため息を吐き出した理緒を、心配そうに紗月が見た。
「理緒ちゃん? 疲れちゃった?」
「うん、気持ちが……」
「えっ?」
「あ、ううん、なんでもない! ちょっと、仕事の事を思い出して……うん、仕事の……」
そんな紗月を心配させまいと、慌てて別の理由を捻り出した理緒はだが、自分の言葉にさらにダメージを受けて遠くを見つめた。そう――仕事のスケジュールは、いつでもどこでもギッチギチに詰まっているのだ。
大学が休みだろうと、グラドル業に休みはない。むしろ休みの時が詰め込み時、という考え方すらある。
必然的に、春休みの今も理緒と紗月のスケジュールは、空きを見つける方が難しいくらいで。――けれども、そんな暗いことばかりを考えてしょぼくれていても、仕方がない。
ぶるん、と大きく顔を振って、理緒は気持ちを切り替えた。両手一杯の紙バッグを片手に何とか持ち替え、空いた方の手を「ほら」と紗月へ差し伸べる。
その手に、当たり前に自分の手を重ねながら、紗月ははにかんだ。――去年の今頃にはまさか、自分が理緒と同じグラドルになり、ハロウィンには公開での恋人宣言をして、劇的に変化した人生を歩んでいるなんて、想像もしなかったのに。
重ねた手をぎゅっと握り、そのままするりと指を絡めて。いわゆるカップル繋ぎで2人は、仲良くアウトレットを後にした。
そうして仲良く向かうのは『somnium』。今日はひな祭りのお祝いで桃のスイーツが無料になっているというそこが、ひな祭りデートの次の目的地。
辿り着いたお店は、さすがに桃スイーツ無料の文言が大きかったのか、そこそこの人混みだった。だが幸い人が並んでいるという事もなく、中を覗けば空席もある。
ゆえにカランと中に入れば、何処からともなく桃の香りが漂ってきた。それに顔を見合わせてくすりと笑い、2人揃って桃のタルトとコーヒーを注文すると、窓際の空席にするりと収まる。
艶やかな桃は瑞々しくて、見た目にも可愛らしい。良いね、と頷き合いながらスマホで――もちろん周囲には迷惑にならないよう配慮し――写真を撮って、これもNyanstagramにアップしたら、後はタルトを楽しむだけだ。
「ん! 甘ーい!」
「でも甘過ぎないのが良いね」
そんな風に、桃やカスタードクリームの甘さ、さくさくのタルト生地を堪能しては、口の中を濯ぐようにコーヒーを飲んでリセットする。そうしながら話すのは、子どもの頃のひな祭りの思い出だ。
そうして互いの事を、また1つ知り。――来年はどんなひな祭りなんだろうねと、思いを馳せるのだった。
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担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月08日
参加申し込みの期限
2024年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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