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雛の祭りに思いを馳せて。
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その貼り紙に、
倉前 七瀬
は唖然とした。
「桃のスイーツが無料!?」
こんなの、幾らなんでもお得が過ぎるというものだ。いやいやでも、ひな祭りのお祝いで、という事ならば女子限定では――と目を皿のようにして見たけれど、どこにもそんな文言は入っていない。
本当に? ――男だけで入っても大丈夫?
考えながらウロウロして、それから少し考えてスマホを取り出し、メッセージを送る。そうして祈ることしばし、無事に戻ってきた返信に小躍りしたい気持ちを押さえながら、今度は別の意味でウロウロと、忙しなく辺りを歩き回って。
――永遠にも思える十数分後、果たしてその人はやって来た。
「ウォルターさん」
「お待たせだよぉ」
逸る気持ちで呼び掛ければ、ひょいと手を挙げた
ウォルター・B
が笑う。全然待ってません、と首を振るのはさすがに、『今通りがかった店で、桃スイーツが無料らしいんですけど来ませんか?』と誘った身では嘘だろう。
ゆえにへへッと笑いながら七瀬は軽く頭を下げ、これです、と店の壁に貼られたチラシを指さした。それを見たウォルターも、驚いたように「ヒュゥ♪」と短く口笛を吹く。
そうして2人、店内でまずは冷蔵ケースの中のケーキをあれこれ、眺めた。ここでケーキや飲み物の注文を済ませた後、買ったものをイートインスペースで食べていく方式らしい。
ゆえに、現物を見て選べるのはありがたいのだが、
「どれも美味しそうやけん、迷ってしまいますね……ウォルターさんはどれにしますか?」
「ふむ。桃のレモンタルトにしようかなぁ」
「なるほど。僕は……うん、桃のパウンドケーキにします」
それぞれに指差して注文し、併せて飲み物も選んで空いている席へ。さすがに桃スイーツ無料の文言は大きかったのか、そこそこの人混みだったが幸い、中ほどに空席があった。
そこに向かい合って腰かけて、まずは深々と頭を下げる。
「来てもらって、ありがとうございます」
「いやぁ、七瀬に誘われなかったら知らなかったからねぇ。僕こそありがとうだよぉ」
その言葉通り気にした様子もないウォルターは、七瀬にそうからりと笑うと、早速タルトを食べ始めた。それにほっと息を吐き、七瀬もパウンドケーキを1口食む。
途端、口一杯に桃の甘い香りが広がった。程よくしっとりしつつ、口の中でほろほろと崩れていくパウンドケーキは、どちらかと言えば手作り感があって素朴な味わいだ。
だが、それがたまらなく良い。もう1口食べて味わってから、七瀬はパウンドケーキを1口分、ウォルターのお皿の端にちょこんと乗せた。
「おや、おすそ分けかい?」
「はい。お嫌じゃなければ、ウォルターさんのも食べてみたいです」
「Yeah, of course!」
そうしてダメ元で頼んでみたら、ウォルターは上機嫌にタルトを1口分、切り分け七瀬の皿へと置く。そうして早速パウンドケーキを口に運び、「うん、こっちも美味しいねぇ」と相好を崩した。
ありがとうございます、と呟きながら七瀬もタルトを口に運ぶ。刹那、レモンの酸味と桃のジューシーな甘みが一杯に広がって、ああこれも良いなぁ、と目を細めた。
そうしてのんびり過ごすうち、気付けば皿はすっかり空になっていて。名残惜しく思いながらも、ウォルターも忙しいだろうと気を使い、七瀬は「じゃあ、そろそろ出ましょうか」と声をかける。
だが――飲み物も頼んだとはいえ、無料スイーツだけを食べて帰る、というのはあまりにも申し訳ない気が、した。他にも何か、と視線を巡らせればイートインスペースの脇に、雑貨コーナーが在る。
「ウォルターさん。あそこ、ちょっと見て行きませんか」
ゆえに指を差しつつ告げれば、七瀬の意を解したらしいウォルターも「いいねぇ」と頷いてくれた。そうして雑貨コーナーへと足を向け、まるで調度品のような様々の雑貨を、1つ1つ眺めていく。
(せっかくやけん、ひな祭りっぽいものがいいですけど……あ)
あれこれと眺めるうちに、猫の人形と目が合った。ひな人形の格好をした、猫雛だ。
ビロードのような毛並みにひな人形の衣裳を纏い、つぶらな瞳でこちらを見て来る猫達から、七瀬は目が離せない。
「……ふむん、かわいいですねこの子たち」
「どれどれ? へぇ……猫のひな人形? そんなのもあるんだねぇ」
きゅるきゅるとした表情を見つめながら、思わず漏らした七瀬の呟きに、ウォルターも感心したように頷いた。となればこれは買うしかないと、七瀬は2匹の猫雛をそっと手の平に乗せ、レジへと連れて行く。
実に良い買い物をした、とほくほくした。――だが、冷静に考えてみれば七瀬の部屋は、本だらけである。
この可愛らしい子達を、自分の部屋に置いておくのも如何なものか――しばし真剣に考えていた、七瀬ははたと思い出し、ウォルターを振り返った。
「そうだ。ウォルターさんの家、メイドさんいらっしゃいますよね?」
「メアリの事かい?」
「はい、そうです、メアリさん。――この猫雛人形、メアリさんに渡してください」
そうしてウォルターの手にそっと握らせれば、メアリに? とウォルターが不思議そうな顔になる。はい、とその顔をしっかり見つめ、七瀬はにっこり微笑んだ。
「ひな祭りに年齢は関係ないはずなので、大人の女性もお祝いは必要ですよ」
「ふぅん……なるほどねぇ。ありがとねぇ、七瀬。これは確かにメアリに渡しておくよぉ」
そうして告げた七瀬に、ウォルターは面白そうに瞳を煌めかせて、渡した猫雛を大切にしまい込む。――嗚呼良かった、とそれを見つめて胸を撫で下ろし。
ウォルターさん、と真っ直ぐ見つめた。
「今日はお忙しい中ありがとうございました。よい、ひな祭りを」
「七瀬もねぇ。今日は楽しかったよぉ」
またねぇ、と。しっかり手を振りながら歩いていく、ウォルターの背中を手を振り返しながら七瀬は、じっと見送ったのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年05月08日
参加申し込みの期限
2024年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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