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時子は尚輝と肩を並べ歩きはじめた。
春からは時子も麻猫大学生だ。最初の二年間は教養課程を木天蓼大学で受講するので、寝子島から遠のくことはない。尚輝にたずねられ時子は希望を語った。大学生として始めたいこと学びたいこと、本当にたくさんあった。
小鳥の鳴き声がした。けっして大きな声ではない。けれどたしかに聞こえる。
「先生、聞こえますか?」
「何がです?」
「鳥さんの声」
尚輝は空を見上げて「そういえば」とぼんやり言った。「どこかで鳴いているようですね」
しかし空を見ても無意味な話だ。小鳥はほかならぬ尚輝の頭からひょっこり顔を出しているのだから。ウグイス色だがウグイスではなくカケスにも似ている。
尚輝からすればかすかな鳴き声かもしれない。だが時子にははっきりとこう聞こえた。
〈風が来るよ〉
と。
〈怖い風が〉
怖い風――?
時子にはおぼえがある。
前にも
こんなことがあった。
〈怖い風? 怖い風ってなんですか?〉
問いかけるも返事はなかった。鳥がひっこんだからだ。巣みたいな尚輝の頭に。もう出てくる気配はない。
尚輝は首をすくめた。時子もだ。
だしぬけにつむじ風が吹き、尚輝の白衣を派手に巻き上げた。
「えっ!?」
背後にとどろいた巨大な音に肝を冷やす。
ドーンという地響き、つづいてガラガラと金属の山が崩れるような音だった。
反射的に振り返って時子は見た。改修工事中のビル、その足場が崩れ落ちたようだ。土煙があがっている。ちぎれたロープに金属板がぶらさがっているのが見えた。悲鳴をあげ尚輝の腕にすがったが、彼は拒まず時子を支えた。
呆然とした沈黙が少しのあいだ流れたがそれも暫時のこと、にわかに周囲は騒然となった。大声が飛び交う。バタバタと駆けつける野次馬たち、その少なくない数がスマホを手にしている。動画なり写真なりを撮影しているのだろう。間もなくパトカーや救急車も来るはずだ。
「危険なので近づかないでください。近づかないでください!」
トラメガ(拡声器)越しにのノイズ混じりの叫びが聞こえる。警備員だろうか。だが押し寄せる人たちの数は増すばかりだ。
「何かあったんでしょうか」
「事故のようですね」
近くでこんなことが起ったことは少なからぬショックだった。
「行ってみますか?」時子は尚輝に問いかけたが彼は首を振った。
「行ったところで邪魔になるだけです。救急車も通りにくくなりますし。それにまだ、安全だとは言えない」
その言葉も終わらぬうちにガシャっと落下音がたち、群衆からオオオッと声が上がった。危ういバランスでぶらさがっていた金属板が落ちたようである。
「ほら。僕は行かないほうがいいと思います」
「ですね」
尚輝の言うとおりだろう。それに、寸前に起こったどよめきに時子はいくらか嫌悪感をおぼえたのも事実だ。なんだか嬉しそうに聞こえたからだ。スペクタクルな見ものとでも言うのだろうか。あれは事故であってエンターテインメントではない。ケガをしている人がいるかもしれないのに。
背を向けて歩きだすと、遠くから救急車のサイレンが聞こえてきた。
時子は記憶の糸をたぐる。
かつて、尚輝の頭に住む鳥はこう言った。
〈あの子はまだ自分が『怖い風』ってこと、知らない。でも怖いよ。それが怖いよ……!〉
あの子、って――。
誰、あるいは何のことなのだろう。
散らかってますけど、と言った尚輝の言葉はけっして謙遜ではなかった。
ひどいものだ。ほうぼうに書籍が積み上がり、合間を埋めるようにして洗濯物(取り込んだはいいが畳むことを失念しているもの)が散乱している。宅配ピザのチラシとか、駅前で配っていそうなカタログも落ちていた。
だが弁当ガラだとか空のペットボトルだとか、そうした生ゴミのようなものは見当たらなかった。総じて生活臭のあまりしない部屋ではある。尚輝がしばしば学校に寝泊まりしており、あまりこの下宿に帰っていないためだろうか。
それに――時子はほっとしていた。
前よりは散らかっていませんね。
何度か時子はこの部屋を訪れたことがある。以前はもっとカオティックだったというか、穏便な表現を選んでも悲惨な状態だった。足の踏み場はなかったし、進もうとすればあちこちに雪崩が発生したものだ。今日はまだけもの道(?)が確保されているだけ文明的な状態といえる。
「ではお料理の支度をしますので」なので平然と奥(ほとんど使っていない台所)へと向かいつつ、時子は尚輝にこう呼びかけたのである。「少し片づけをお願いします。ただ待ってるより集中できると思いますし」
はいと素直に応じて、尚輝は床に直置きした本の山にとりかかった。
米をとぎ鍋を火にかけ、まるで新品の調味料を取り出す。そうした作業の合間合間に、気になって時子は尚輝が何をしているか確認した。手を止めてぼんやりしているときもある。逆に、せかせかと片付けをしているときもある。やがて尚輝はどこからか掃除機を取り出して、四苦八苦しながら床を掃きはじめた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年04月24日
参加申し込みの期限
2024年05月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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