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土煙を切り裂くようにハヤブサが飛びこんでくる。
急降下したハヤブサは弧を描くようにして地面に降り立った。降り立ったときすでに、鳥の姿はラッセルへと復している。
「晴月!?」ラッセルは晴月に駆け寄る。
「はーい」
満面の笑みの晴月だがラッセルは息を呑んだ。
「ちょ……大変な状況じゃねーか!?」
晴月の足元に少女が倒れているのだ。ぴくりとも動かない。
「その子死んで……」
「大丈夫、生きてるよ。でもシロートが下手に動かさないほうがいいみたい。すぐ救急車が来れば助かるって九鬼が」
「クキ? えっと」
ラッセルは気がついた。昏睡した少女と晴月しかいなかいと思っていた空間に、もうひとり女性が立っていたことに。黒く長い髪、前髪は日本人形のように切りそろえている。年齢は自分と同じくらいだろうか。振り袖のような和服を着ていた。着物は濃い緑色の花柄、華やかなはずなのになぜか悲しい色調に映った。
問題は彼女が半分透けているように見えることだ。投影された映像なのか、それとも。
「クキ……さん?」
「ふぅむ」九鬼姫は腕組みした。「そち、わらわが見えるのか?」
「は、はい見えます」
妙に時代がかった口調のせいだろうか、『クキ』の口調には威圧感がありどうしても敬語になってしまう。
「そちは今際の際(いまわのきわ)におるようには見えんな。わらわが見えるのはもともと霊感が強いからかの。それとも晴月の影響か」
「わかりませんけど、かもしれないです」
そもそも晴月の姿が見えない人間も多いのだ。自分は『見える』側なのだろう。
「結構。わらわは九鬼姫、隠すものでもないからはっきり言うが幽霊じゃ」
「ゆ……」
「鳥に変化(へんげ)できる者が何を驚く? わらわは晴月に導かれた。ほんのふた月ほど前じゃ。病にて死の淵にあるときにな。おかげでこんな姿になったわえ」
「よかったでしょ?」口を挟む晴月に「そうでもない」九鬼姫は即答した。
「二十歳そこそこの身空(みそら)じゃ、思い残すことあまりに多く、せめて一部でも晴らすつもりじゃったがそうもいかなんだ。幽霊となってしまえば、係累を見るはできてもふれられず、言葉聞けても我が言は相手に届かず、ただ指をくわえておるばかり。怨みでも強ければ祟(たた)ることもできたであろうが、あいにくそういう筋合いもないものでな。浮遊霊というのか? いまのわらわはそういうものでしかない。成仏が先延ばしになっただけの存在じゃ。むしろ無念つのるばかりよ」
ゆえに、と九鬼姫は腰に手を当てて言う。
「晴月がこの娘を、死に導こうとするを止めた」
「ひどいよ九鬼、私、この子を助けようとしただけなのに。楽にしてあげようと」
「わらわの場合はいい。わらわが幽霊になったのも、元はといえばわらわの無念が強すぎたからであって晴月のせいではないわえ。されどこの娘にとっては余計なお世話じゃ。ここで息絶えれば無念にちがいない。娘がわらわとおなじく漂うだけの霊になってしまったらいかがする。晴月、そちは責を負えるのか!? ゆえにもう一度言うぞ、助かる可能性がある者を導くな!」
「私、悪いことするつもりじゃないよー」
「ええいわからずやめが! 悪気がなかろうが軽々しく手を出していいものではないと言いたいだけじゃ!」
話の全貌がわかったわけじゃないけど。
ラッセルは息を詰めた。
瀕死の人を安らかな死に導く、導手(みちびきて)ってそういう意味だったのか。
「晴月は、つまり……使命に目覚めたってことか」ラッセルは言葉を選びながら真剣な表情で問うも、
「そうだよ」晴月はためらうことなくこたえた。
「例の坊さんが
言ったように
それが自然なのかもだけど、ええと」言いにくいが言うほかない。「すくなくとも一度は導いたってことになるのか?」
「うん」
「たとえば俺が、いまにも死にそうって状況になってたら」
「導くよ。必要ならね」
はじめてかもしれない。
ほんの一瞬、言葉にもならない短い感覚ではあった。
しかしこのときラッセルは、晴月のことを怖いと思った。
だがすぐに「そんなのやー! ラッセルが死にそうになるなんてー!」晴月が目をうるうるとさせたので、慌ててラッセルも「たとえ話だよ! もしも、ってこと!」とフォローを入れたのである。
「そち、らっせる? というのか?」九鬼姫が言った。
「あ、はい。桜井ラッセルです。寝子高三年」
「そうか。まあバートランドでもラッセルでもよい。そちは晴月の想い人じゃろう」
「どうしてそれを」とラッセルが泡を食うのと、
「そーだよー!」と晴月が浮き上がってラッセルの首に手を回すのはほぼ同時だった。
「見ればわかるわ。幽霊ならずともな」
ならば聞け、と九鬼姫は視線をラッセルに向ける。
「晴月は強大な力を持っておる。おそらくはラッセル、そちが知っている以上のな。じゃが当人は赤子のように何も知らん。ゆえにその力をいかに使うか、いかに馭(なら)すかはそちにかかっておるぞ。重い責任を背負わせたかもしれぬが――」
みるみるうちに九鬼姫の姿が薄れていくのがわかった。
消えかかってる? いや……。
消えた。
九鬼姫の姿はその場から消失していた。
サイレンの音が近づいてくる。たくさんの足音も。
「行こっ」
晴月がラッセルの腕を取った。
次の瞬間ふたりの体は音もなく浮き上がり、まもなく事故現場を遠い高さから見下ろすまでに昇った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年04月24日
参加申し込みの期限
2024年05月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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