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夕食時になった。
見ちがえた、とまで書くと大げさだが、それでも食卓まわりはずいぶん片付いて、換気したおかげかすっきりした感覚があった。
尚輝の部屋の食器類について、尚輝より知っている時子である。手早く配膳をすませてしまう。
長方形の角皿には鯛の煮付け。魚屋で買った切り身だ。ぎっしり肉厚で皮も健康的な銀色、しょうゆとみりんと酒、ここに三温糖を加えて甘めに煮た。もちろんずぶずぶに甘いわけではなく、薄切りの生姜がきりっと味を引き締めている。ふつふつとした香が食欲をそそるではないか。一人で平らげるには多すぎる量だったので、半分ずつにきりわけてちょうどいいくらいだった。余った煮汁でインゲン豆を煮て同じ皿に添えている。色味という意味でも栄養価という意味でも絶妙な組み合わせだろう。
ハマグリのお吸い物はお椀に入っている。こちらは優しい昆布だしの香りだ。丁寧に砂抜きしたハマグリはやや小ぶりだが、そのぶん身にしっかりと火が通ったと思う。桜を模した花びら型の麩(ふ)と、鮮やかな緑の三つ葉が華やかだ。
あとは豆腐の小皿がひとつ、メインにしょうゆを使っているのでこちらにかける量はひかえめ、そのかわり鰹節ときざみネギを多めに乗せたものである。
炊きたての白米を茶碗によそって手渡すと、受け取る尚輝と指がふれあった。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
「ごちそうですね」
「そんなことはないですよ」
「いえ……昨夜なんて僕、コンビニエンスストアのイートインでパンをかじっただけですから天地の差です」
「尚輝先生、そんな晩ご飯はだめですよ」
「はは。どうも自分だけだと、食事はいい加減にすませがちで」
そういえば久しく会わなかったせいか、尚輝の肌つやはあまりよくない。一食や二食抜いても平気で、連日ジャンクフードでも意に介さない。そんな食生活をつづけているのかもしれない。
「もっと自分を大切にしないと」
そう、自愛してほしいところだ。
尚輝先生のことを、大切に思っている私のためにも――。
いただきます、と手を合わせて食事をはじめた。やわらかな鯛の身がほろほろと口の中で溶けていく。
「自分を大切に……ですか」
しばらく無言だった尚輝がおもむろに言った。
「はい。そうしてほしいと思います」
「でも僕は、親しい人すら大切にできない人間です。気持ちを読み取ることができないし、傷つけてしまうんです」
そんなことないです! と声をあげそうになったが時子はこらえて、
「私は尚輝先生から傷つけられたことはないです。安心してくださいね」穏やかに言った。「さりげない優しさと嘘がつけないところは先生のよさだと思います」
「フォローありがとうございます。でもね僕は、ともかさんを傷つけていたんです」
「ともかさんの? あの……私でよかったら話を聞きますよ」
姪のともかにまつわることを、尚輝はぽつりぽつりとだが明かした。長姉にうけた非難もすべて。
「そうでしたか」
時子は目を伏せた。
尚輝からして二番目の姉の子ともかは彼の唯一の姪だ。尚輝とおなじく五十嵐の一族に隔世遺伝的にあらわれるという特徴的な髪型の子で、ヘアスタイルばかりではなく穏やかで優しい性格も尚輝によく似ている。まだ七歳くらいだが、頭の回転は大変に速いという印象も受けた。
「ともかさんのご両親のことは私も気づかなかったです。お父様とは仲がいいように思えましたし」
ともかの父は
リック・ヤン
といい、アメリカのゲーム会社のマネージャーである。現在リックは寝子島に居を移し、会社が買い取った『クラン=G』というホビーショップを引き継ぐべく店頭で勤務している。余談ではあるがリックは寝子高教師の桐島義弘と、他人のそら似にしてはほどがあるほどそっくりだった。
「ええ、ともかさんはお父さんのほうになついていますからね」
尚輝の姉とリックは現在離婚協議中だが、一人娘つまりともかの親権のことでもめているらしい。。
「僕は……ともかさんが大変な状況になっていることにまったく気がついてあげられなかった。離婚の話はもう一年以上前から出ていたそうなのに」
しかも、と尚輝は顔を覆った。
「ご両親はお元気ですか、などと間抜けな質問をともかさんに投げたりもしていたんです。きっと知らず知らずのうちに、ともかさんの気持ちを傷つけていたと思います……どうしようもなくバカな叔父ですよ、僕は」
泣いているのだろうか、尚輝は顔をあげない。
「それはちがうと思います」
きっぱりと時子は言う。
「ともかさんはおそらく、尚輝先生に心配かけたくない気持ちがあって、ご両親に離婚もしてほしくなくて『離婚』という言葉を使いたくなかっただけなのかもしれません」
「そうでしょうか」
「そうですよ。それに、ともかさんはお父さんと一緒に来てても尚輝先生の部屋に泊まりたいと言ってたぐらいですから、先生のことが好きだと思います。もし先生の言葉に傷ついてたら距離をとると思うんです。だからご自身を責めないでください。ご両親のこととか根ほり葉ほり訊いたりしない尚輝先生のこと、きっとともかさんは信用しているはずです」
尚輝がずずっと鼻をすすった。
かわいそうに。
尚輝先生、昨夜からずっと自分を責めていたんですね。
倍ほど年齢の離れた彼が、いまはべそをかいている子どものように見えて、頭をなでてあげたい気持ちに時子は駆られた。
でもこらえて言う。
「ともかさんはいつだって、尚輝先生の前では元気だったじゃないですか。先生のこと、心の支えにしていたからだと思いますよ」
自信を持って言えることだ。
だって。
だって私にとっても、尚輝先生は心の支えだから――。
「なので、さあ、ご飯を食べて。それで、過去ではなく未来のことを考えましょう。またともかさんと一緒にどこかへお出かけしたいですね。ともかさんに聞いてみませんか? 行きたいところはないか、って。尚輝先生ならどこに遊びに行きたいですか?」
やっと気持ちが落ち着いたらしい。
「そうしましょう」
袖で目のあたりをぬぐって箸をとり、思い出したように尚輝は言った。
「そうだ……いまさらですがご飯、とてもおいしいです」
「ふふっ、ありがとうございます」
いずれ春休みだ。
春が来たら、ともかを誘って三人でどこかに行こう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年04月24日
参加申し込みの期限
2024年05月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年05月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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