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おかしな一日
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何の予兆もなく、
鴇波 羽衣
が店内に駆け込んできた。ポニーテールが喜ぶ犬の尻尾のようであった。
「マキナさん、いつものように今日も遊びに来たよ!」
「鴇波さん、いらっしゃい」
「あ、こんにちは」
周囲に明るい笑顔を向けて羽衣がカウンターまで歩いた。容器に盛られた菓子に黒い瞳が輝きを増す。
「わ、お菓子がいっぱいだ!」
「好きなのをどうぞ」
マキナの声に羽衣は目を丸くして、瞬時に満面の笑みを浮かべる。
「これ自由に食べてもいいなんてすごい! マキナさんだいすき!」
「甘えたさんだな」
胸元に飛び込んできた羽衣の頭をマキナが優しく撫でる。ぼくも甘いか、と口にして菓子好きの二人は顔を見合わせて笑った。
満足した様子の羽衣は改めて菓子の山に目を注いだ。
「でも、よく見ると変わった名前のお菓子が多いよね? 羊羹サイダーとか鰻のかば焼き味とか、ドクダミのお菓子なんて聞いたこともないよ」
羽衣は周囲に返事を求めるような目を向けた。
「ねぇ、これ美味しいの?」
『ようかんサイダーはなかなかだよ』
海のスケッチブックの内容に月詠と真央が頷いた。
「最初だから、甘そうな『ミニあんころモニ』にしようかな」
「味はいいのだ。中身が問題なのだ」
真央は含みのある言い方をした。
「ドキドキだね!」
包みを開けると羽衣は柔らかい餡の玉を一口にした。もごもごと口を動かす。
「玉の中に丸っこくて、やわらかいものがあるんだけど。これってなにかな?」
羽衣は口を手で覆う。開いた掌には半透明の丸い物が乗っていた。目にした瞬間、大半が無関心の態度を取った。
その中、刀はじっくりと見て答えた。
「幼虫だな。カブトムシでは小さい。大きさから考えると、コガネムシかな」
「グミだよ、ただのグミ! 勾玉の形がなんか神秘的だよね!」
羽衣は瞼を閉じて食べた。両手に付いた埃を払うかのように打ち鳴らし、次はこれにしよう、と気紛れ爆弾を手に取った。口直しの意味合いが強いのか。黒い塊を早々と口に押し込んだ。
「これは甘くて、とっても美味しい。中にとろとろのハチミツが入っていて、お口がとろけちゃう」
両頬に掌を当てた羽衣が上体を震わせた。マキナの優しい眼差しを受けると急に真顔に戻った。
「ちゃんとお客さんとして買い物もするからね! 今日はお絵かき用のペンとノートを買いにきたんだよ。可愛い感じのないかな?」
「はいはーいなのだ。真央ちゃんがご案内なのだ」
月詠の時と同様に真央が先頭に立って棚に導いた。
連れて行かれた先で羽衣は猫型のノートを見つけた。行儀よく座った姿を象っていて、これ可愛い、と一目で気に入った。側にいた真央の表情は、どこか誇らしげであった。
「ラメ入りの三色ペンも手に馴染んでいい感じ。試しに描いてみようー」
手慣れた感じで近くのノートを開き、手早く一体の動物を描き上げた。
「どうですかー、お客さん」
ノートを開いて周囲に見せつける。
「四足歩行の動物には見えるかな」
刀の意見を海がスケッチブックで補足した。
『めのなかがタテにほそいから、ネコだよね』
「猫なのだ。平べったい感じの猫なのだ」
真央の感想のあと、冷静な目で月詠が言った。
「猫の特徴は捉えている。寝子島にいる本物を対象にしてデッサンしてもいい」
そこに
八神 修
が現れた。月詠と真央の間に入る。
「面白い絵の構図だ。遠近法を無視した作風が偉人を思わせる」
「そんなことないよー。褒めすぎだって。よかったら、みんなもなにか描く?」
照れ臭そうに羽衣が周りにノートを差し出す。
『わたしもネコにしようかな。カタナくんは』
「じゃあ、俺も試しに猫で描いてみるか」
足並みを揃えるかのように月詠も猫を希望した。
「真央ちゃんも猫にするのだー。修ちゃんはどうするのだ? 買い物するのだ?」
真央に話を振られた修は、そうだな、と数秒の間を空けた。
「勉学用の筆記用具の購入が先だ。キワモノの菓子の話を小耳に挟んだので、そちらの存在も気になる」
自ら話を切り上げた修は近くの鉛筆を一掴みにした。各種ペンを上に積み上げて最後に両手で束ねる。手の中に丸太を抱えるような姿でカウンターに向かった。
「あの量を消費できるのか?」
刀の呟きに周囲からは、すごいね、という声が重なった。
その量を目にしたマキナも同じような台詞で迎えた。買い物用のプラスチックのカゴを引き寄せ、商品を纏めて入れる。
「課せられた勉強の量を考えれば大したことはない。ノートの類いは後に回して、取り敢えず欲しい物がある」
「サービスのキワモノだよね。どれでも好きなのを選んでよ」
マキナは山盛りの菓子の容器を手前に押し出した。修は個々に目を走らせる。
「これらの菓子は自分で作ったのか?」
「ぼくにそんな技術はないよ。まあ、珍しい物ばかりだから、市販で見たことないのは仕方がないけどさ」
清々しい笑顔でマキナは言った。その態度を目の当たりにした修が言葉を続ける。
「あまり名の知られていない菓子を振る舞う動機はあるのか」
「それはあるよ。きみだって未知の物に触れる時はわくわくするよね? お菓子だって同じさ」
言い切ったマキナの表情は自信に満ち溢れている。少なくとも、そうだな、と修に認めさせるだけの説得力は有していた。
「一通り試してみたいが、店内の飲食は不適切か」
「その程度のことは気にしなくていいよ」
今日のことを頭に思い出しているのか。マキナは笑みを零した。
修は紙箱に手を伸ばした。小指に触れた餡の玉も手に入れる。手早く両方を開けて味わった。
「つちのこを模しただけで味には問題ない。鼻孔に広がる香ばしさは食欲をそそる。深夜帯は控えた方がいいな。餡の方は癖のない甘さに中の触感が面白い。良い組み合わせだ」
「研究者みたいだね。でも、評価が高いみたいだから安心したよ」
そういうとマキナは箱の中身の一つを摘まんで口に入れた。美味しいね、と修に向かって微笑んだ。
「ん、次は煎餅を試すか。手触りでわかる硬さだな」
袋から取り出し、先を齧る。一度、袋に戻して拳で叩き割った。欠片を口に含んで音を立てて噛み砕く。
「味はいいが、この硬さが問題だ。おろし金を使って粉末にすれば調味料として使えるか」
次に修が目を付けたのは生姜ニンニクッキーであった。見た目は、ただのクッキーなので躊躇いなく口に運んだ。
「一言で感想を言えば、臭いになる。とにかく生のニンニクが濃縮されたような味が臭い」
「確かに臭うね」
マキナは鼻を摘まんで言った。修は少し俯いて緑色のバナナと黄土色の飴を手にした。
「その組み合わせは最強なのだ!」
忍び足で近づいていたのか。修の真横にいた真央が指差した。
「食べればわかる」
緑色のバナナを口にした修は吐き出すように言った。
「毒物か! 俺は草食動物に退化したのか!」
修は狼狽する手で黄土色の飴を口に投入。口元が急激に強張る。
「劇物か! 俺は危険物処理の免許を持っていない!」
「お茶とジュースがあるけど?」
マキナの声は耳に入っていないのか。修は目に付いた物を掴んで口に放り込んだ。気紛れ爆弾は不発だったらしい。表情が少し和らぎ、羊羹サイダーで落ち着いた。
「味の落差が激しいな。人によって好悪が分かれそうだ」
「でも、未知のわくわくは味わえたよね」
うきうきした様子のマキナに修は、どうだろうな、と冷静に返した。
「味がこれであっても副次効果があればあるいは。例えば眠気が飛ぶグミや睡魔に襲われるチョコレートとか。君の写真を菓子に付けるのもいいか。一部の女子に人気が出そうだ」
「そんなの誰も買わないよ」
苦笑するマキナに羽衣が元気よく手を上げた。
「はーい、あたしは買うよ。マキナさんの形のチョコとか、とっても甘そうで美味しそう」
「ぼくはそんなに甘くないと思うけど」
「真央ちゃん、聞いてるだけでお腹が減ってきたのだ。お好み焼きを食べたくなったのだ」
いつの間にか、柔らかい夕陽が店内に差し込んでいる。話の流れで腹を摩る者もいて、一同は揃って店を後にした。
「またのお越しを、待ってるよ」
丁寧な口調が親しみのある声に変わった。射し込む淡いオレンジ色に目を細める。
「明日はどんなお客さんがくるのかなー」
夕陽に向かってマキナは大きく伸びをした。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
今回は小さな文房具屋さんの微笑ましい日常を描いてみました。
書き上がった内容を一読しますと、どうにもお菓子屋さんのような印象を受けてしまいますが、
それはもちろん錯覚です。どこをどう見ても立派な文房具屋さんということにしましょう。
やはり、お菓子には魅了される人が多いのでしょうか。強靭な胃袋の持ち主が二名、全てのお菓子に挑戦しました。え、一人しか見当たらないですって?
見えないところで頑張っていました。時に座布団を敷布団にして、すやすやと眠りました。もう、なんのお店なのか書いていてわからなくなりました。
そうそう、狭い空間では触れ合う機会が多くなると言いましょうか。いい感じに強引に持っていかれた二人もいました。大変に微笑ましく、今後が楽しみですね。当事者と気紛れな女神様にお任せします。
今回はおもちゃ箱のように小さい中に色々な要素が、ぎゅっと詰め込まれていたと思います。
少し大人しい内容でしたので、キャラクターが崩壊している方はいないですよね!
皆々様、良いお年をお迎えください。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月04日
参加申し込みの期限
2013年12月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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